ロックオン

放射線治療が始まった。
「放射線」というと、私の貧困な知識の中では、
＝ヒロシマ＝ナガサキ＝チェルノブイリ＝映画K-19＝被爆＝（私のトラウマ）嘔吐
という連鎖反応になる。
が、昨日受けた担当医の説明によれば、治療における被爆量は自然界で受ける放射能量よりも少ないくらいなのだそうだ。
驚いたことに、私の住む県の放射能量は全国的に見て上位にランクされるくらい多いらしい。
そんなわけで、私が恐れていたほどの被爆はないようで、まずは胸をなでおろす。
昨日は、放射線を当てる部分をマーキングする。
暗闇のなかで、赤いレーザー光線が胸の上で交錯する。
なんか、戦闘機が敵機を見つけてロックオン状態になっているような感じだ。
あちらから、こちらから、いろいろに光線をあて、照射する場所を決めていく。
こんなにコンピューター技術が進んだ世の中なのに、意外や意外、大昔の写真撮影みたいに最初に決めた位置がずれないように、毎回同じ位置、同じポーズを取るように言われる。
素人的に考えるなら、上からピンポイントでシルエットをコンピューターに記憶させ、次回から、その位置にあうように横たわればいいだけなんじゃないの、と思うのだが地方都市の病院で、一番最新のものでもそんなものらしい。
ふ～ん・・・。
結構、同じポーズを維持してじっとしておくというのが、苦痛だということを思い出す私。
何年か前に脳のMRIを撮ったときに、じっとしておくのが非常にしんどかったことを思い出した。
さて、放射線そのものは当然のことながら、痛くも痒くもない。
これが最終の２５回目あたりになると皮膚の状態も変わってくるのだそうだが、初回はなんということはなかった。

それよりも、問題は担当医と担当技師。
２５日間も通わなければならないのだから、どうせならカッコイイ先生と技師がいいよな、とか恋心が芽生えてしまったらどうしよう？なんてやましい気持ちがなくはなかったのだが。
がっくし・・・
ふつーのおじさんと、素朴～な感じの技師さんだった。
イメージでは、担当医はリチャード・ギアを日本人にした感じ。
技師は、伊原剛志。
最悪、達彦クンあたりでよかったのになぁ・・・

だって、タダで豊満な肉体を見せてあげるんだから、それくらいの料金はいただきたいものだと思うのって罪？