一攫千金を夢見て

友人からメールがはいる。
なにやら、私の誕生日と宝くじの当選確率と関係があるらしい。
本日の１３時から深夜までの間に、ある月の○日から○日の間に生まれた人間がくじを買うと当たる確率が非常に高いというのだ。
ちょうどその間に生まれた私が買えばあたるかもしれない、ということで依頼メールが入った。
１３時以降ということなので、仕事中に抜け出さねばならない。
仕方がないので、節子さんに事の次第を説明すると、驚いたことに
「じゃぁ、私の分も買ってきて！」というではないか。
亡くなったご主人が趣味で買っていた宝くじが、非常にもったいない、とこぼし続けていた節子さんのせりふとは思えない。
渡された軍資金は１万円。
おー、いきなり太っ腹！！
「じゃ、３セットですね？ばらで？続きで？」
と聞くと
「えーと、バラで２セット、お願いね。」
といわれる。え、２セットね。でも、彼女にしては六本木ヒルズから飛び降りるくらいの
思い切りだ。

かくして、それぞれの夢を託された私が任務を果たして戻った。
節子さん「ありがとう。で、貴女は何を買ったの？」
私「私は、先日バラを買ったので、今日は連番で２枚だけ。
３枚買おうかな、って思ったら売り場のおばさんに“どうしても３枚がいいの？”と聞かれたので新しく封を切るのが嫌なのかと思って残り福の２枚にしておいたんです。」と答えると節子さんはひどく驚いて
「えーーーーーっつ！宝くじって一枚から買えるものだったんやー！ショックー！」
と叫ぶ。
そうなのか。
単に一枚から買えることを知らなかっただけだったんだ。

さてさてこの宝くじ。
もし、友人や節子さんに大当たりが出た場合、福娘の役目を果たした私はおこぼれをいただけるのだろうか。
一攫千金を夢見て、それぞれに福が舞い降りてくることを祈っておこう。