ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

男と女の間には

2013-09-22 | 砂時計
ここのところ楽しみにしていたドラマの一つが終わった。
現代版水戸黄門こと「半沢直樹」である。
最後の終わり方は、映画Back to the futureと同じく「to be continue」といった感じ。

ここで思ったのは、愛か正義か。

ちょうど雑誌ミセスで読んだエッセイスト斎藤薫さんの今月のエッセイを思い出す。
斎藤さんは毎月雑誌ミセスに、男と女の人生論というエッセイを連載していて、今月のテーマは
「大胆な夫と小心者の夫、妻はどちらが幸せか」という内容。

半沢直樹を例にとり、上司に向かって倍返しだ!とすごめる夫は、会社をクビになっても、左遷されても十分やっていけるだけのものを持っているから、妻も「やっちゃえ!やっちゃえ!」とけしかけられる。
そんな大胆な夫も、家族を盾にして常にびくびくしているような小心者な夫も、どちらも口では心優しい女を求めているようで、心の底では心の強い妻を求めているのだ。
強い男こそが真の男、という神話に支えられていたのは歴史上戦いが繰り返された時代のことであり、平和な現代日本にあって求められるのは、正義を持つ男であり、それを応援する心の強い妻こそが夫婦としてうまく関係を保っていける、
それが男女の間に横たわる法則なのだ、と締めくくっていた。

うーん・・・そうなんだろうか?
男に比べ女の方が、正義感が強いところはある。
が、直樹のように正義を貫き、それによって家族の生活が犠牲になるのはどうなんだろ。
あのドラマの中で、親友の近藤は正義より家族愛をとった。
出向がなくなったことを喜ぶ妻と子
もし、あの妻に本当のことを告げて、どちらを選んだらいいか?と問うたとき、果たして斎藤さんが言うように妻は「正義」を選べるか?
正義を選べる妻は、心が強い妻なのかもしれないけれど、それは自分に経済力があって、
「大丈夫よ。どうにかなるから!」と胸をぽんとたたける妻だけなんじゃないだろうか。
花が、直樹をけしかけられるのは、自分にフラワーアレンジメントの才能があり、いつでもその才能を活かして羽ばたける場所があるという確信があるからだろう。

胸をたたけるものが何もない私は、
「ち。」と、ドラマのなかの理想をフィクション以外の何者としてもとらえられずに終わってしまった。
「夫婦善哉」の蝶子と柳吉にしたって、あほぼんの柳吉をダメ男とわかっていても、別れられない蝶子だった。
単純に正義だけじゃないんだよな、男女の間って。
世の中、やっぱり人生イロイロ、男女の間もイロイロなんだってば。

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