ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

魔法のひとさし

2006-04-30 | 私のミシュラン
この季節、去り行く春を惜しむようにイチゴのジャムを作る。
いつもなら、定番どおりにレモンを絞って炊き上げるのだが、今年はちょっと違った。
以前働いていた会社が扱っていたシャンパンが好きで、同僚に頼んでダースで買っていた。
が、しまいこんで忘れていたのがひょっこりでてきた。
ワインでも、寝かせていると美味しくなるのだから、シャンパンもそうかも、と開けてみるといつもの景気の良い「ポン!」というはじける音がしない。
飲んでみると、気が抜けて渋くてマズイ。
ワインとして飲むにもどうにもまずくていただけない。
まぁ、料理酒として使えるかもしれない、とキッチンの隅に置いた。

ジャムを作ろうと琺瑯の鍋を用意していて、ふとそのシャンパンをジャム作りに入れてみたらどうだろうか、という気になった。
酸味が強くなっているからレモンを入れる必要もないし、ひょっとするとケーキ作りと同じで深い味わいがでるかもしれない。
そんな実験のような思いつきにワクワクしながら、ぶくぶく煮立ってきたイチゴにさぁーっと注ぎ込んだ。
果たして出来上がったジャムのお味は。
ん、ん、んまーーーい!
ひょうたんからこまのような、この発見にとっても満足してジャム作りを終えた。
こっくりと、甘すぎず奥深く舌に広がる。
炊きたてジャムが、ヴィンテージの味わい。
毎回古くなったシャンパンがあるとは限らない。だが、思いがけない組み合わせが、極上の味わいを生み出す不思議は忘れないようにしよう。

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2 コメント

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これぞ隠し味 (アプリコット)
2006-05-01 13:34:35
シャンパン入りのジャムだなんて、それだけでオシャレですね~!

普通には飲めなくなったものでも、効果を発揮すればシャンパン冥利に尽きる!?というところでしょうか。

この時期になるとやたらといちごジャムが作りたくなりますね。

安売りいちごを見つけたらもう一度作ろうと思っています。
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シャンパン冥利 (CITROEN)
2006-05-01 21:31:51
たしかに。

さすがにお値段なりのことはなるなぁ、と今更ながらに納得しました。

ケチケチ精神を発揮して、どぼどぼ捨てずに良かった~!って思いましたよ。

お料理上手なアプリコットさんの、綺麗な色のイチゴジャム、私も食べてみた~い
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