ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

はるけき友より

2006-08-04 | 砂時計
夕食後、電話が鳴った。
家にかかる電話は、といえば子どもの塾関係、何かの販売、そして両方の親から、くらいのもので、楽しい電話はほとんど少なくなった。
今日の電話も、そのどれかか、それとも明日会う約束になっているSさんから?という密かな期待で、そろりと受話器をとった。
「もしもし、xxx(私の呼称)?」
聞き覚えのない声。
でも、私のことをxxxと呼ぶ人間は限られている。
子どもの頃からの友だちだけだ。
「私よ、わたし。栃木の○○よ。」
びっくり!である。
中学1年の1年間のみ過ごした、栃木で仲が良かったYちゃんである。
大阪から転校したイントネーションや生活習慣がまるで違う私を受け入れ、家族ぐるみで親しくしてくれたYちゃん。
NHKのステージ101という番組に二人ではまり、毎週熱心にテレビにカセットを近づけて録音した。ビデオのなかった時代のことである。
スキーに行っても、しりもちばかりで滑るのをやめて、バスの中でカップヌードルをすすっていた。
放送委員をふたりでやって、スイッチが入っているとも気づかず、ふたりでペチャクチャ好きな人のことやら、嫌いな先生の話やらをしゃべり続けて、終わってからその事実に気づいたこともあった。
短い1年だったけれど、とっても充実した1年だったのはYちゃんのおかげといってもおかしくないくらいである。
その後は、5年、10年と大まかな年毎に、なにかのついでで会っていた。
もう、遠く離れてしまい、なかなかあうことができないでいた。
突然、なぜか、の電話だった。
何度かメールを送ってくれたらしいが、戻ってしまっていたらしい。
とても気になって電話してくれた、という。
時間も距離も忘れ、思わず13歳の二人に戻ってしゃべる。
そう、友だちってそんなものだ。
たとえ、ずっと会ってはいなくても、しゃべれば、会えば、その空白は一瞬で消える。
そんなことを思い出させてくれた、夏の夜の出来事。
明日は、若いお友だちがわざわざ会いに来てくれる。
何もおもてなしはできないけれど、この街のよさを堪能して帰ってもらえたら、と色々策を練っている。

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