ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

天災は忘れたころに

2004-09-06 | 私のミシュラン
ロイヤルコペンハーゲンのブルーファンが好きだった。
出会いは三ノ宮のCity of Cityという神戸らしい成金趣味じゃない上品で小粋な喫茶店。一目ぼれに近かった。
OLだった頃、洋服も買わず好きな食器を和洋問わずに少ないお給料の中から買い集めていた。そうしてひとつひとつ買い集めたものが、結婚する頃にはかなりな量になっていた。
そして阪神大震災。あっけなく、一気に、粉々に、砕け、飛び散った。
かろうじて残ったこのポットを今も捨てられない。
夫は「ツキをなくしそうやから、捨てようや。」というのだが。
捨てることで、あの多くの犠牲者がでた震災も風化してしまいそうで私は捨てることができない。
物へのこだわり、器へのこだわり、そんなことはあの震災の前には本当にどうでもいいことのように思えた。その時の思いを忘れないためにも
このポットは捨てない方がいいような気がする。

そうして昨夜の地震。
忘れかけていたあの感覚が蘇る。
身体は確かに覚えていた。あのなんとも言えずに不気味な揺れと、地の底からうねり来るような地鳴りを。
こうして元気に生きていることを、こうして文字を打つことができるというありきたりな日常を送ることの幸せを今あらためてかみしめる。

そう、天災は忘れたころにやってくる。


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3 コメント

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きれいな色ですね。 (sara)
2004-09-07 15:56:49
CITROENさん、お久しぶりです~♪

このブルーのいろ、なんとも言えず、素敵ですよね。

あの震災で残ったなんて、すんごく幸運のポットじゃないかと、私なんて思ってしまいます(^^)

ほかの食器がクッションになって、残してくれたのかも。



地震の揺れ方ってほんと、不気味ですね。

今朝揺れたときは一人だったので、揺れてる間、もわーーっと考えてしまいました。
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ブルーファン (アプリコット)
2004-09-07 17:15:29
ブルーファンのポット初めて見ました。

深いブルーがとてもよい色ですね。

私も独身時代にカップ&ソーサーを集めていました。

昔は今ほど安くなかったですよね。

アウトレット商品なんて手に入らなくて(それでも十分だったな)海外旅行先で一客だけ購入して大切に持ち帰りました。

集めた食器に対するCITROENさんの想い入れがわかるだけに、それが地震で粉々になってしまったのを想像すると胸が痛みます。

使用するのは難しくてもこれは手放せないですよね。

忘れてはいけない天災と懐かしい想い出のポットですね。



良い話しの後で申し訳ないのですが、新婚旅行先のディジョンで購入したマスタード入れの存在を思い出しました。

新居に戻りスーツケースから取り出し包みをあけるときに私の手元からころころと転がり落ちふちが欠けてしまいました。

結婚に不吉な予感・・・

でもまだ大丈夫みたい。

違う意味で捨てられない、飾れない器です。
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Unknown (CITROEN)
2004-09-07 20:21:54
saraさん、こんばんは。

このブルー、ほんとうに綺麗でしょう?

きちんと箱にしまっていたのにこんな無惨な姿になりました。ほんと、残って欲しい食器ほど必ず割れますよね。

幸運のポットかぁ。そうかもしれないですね。

それにしても、地震は不気味です。

防ぎようがないっていうのも嫌ですよね。

saraさんも、寝室には何も置かないようにね。



アプリコットさん、ご存知でしたか!ブルーファン!!

これは、コペンハーゲンのなかでも珍しくて、あのあと廃番になってしまったのです。が、最近の情報でまた復活しているらしいです。でも、お高くて、もう手が出ません。

だから、余計に捨てられなくて、花瓶にしてみたこともありました。あとは植木鉢にするぐらいでしょうか。

役にはたたなくても、この色合いとレリーフが美しいので捨てられません。



アプリコットさんのマスタードポットは、ご夫婦の厄落としになったと考えれば、それもお二人の歴史の1ページですよね。どれくらいの欠損かわかりませんが、アンティークぽく飾れないのかしら?

ディジョンはマスタードで有名ですものね。きっと可愛い味のあるポットなのでしょうね。
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