どんだけ～

ナイスバディのお姉様がコマーシャルしている単身者用アパート会社から、お誘いを受け、夫と共に資料を見に行く。
そういえば、昨年、知人の息子さんが12月には下宿を押さえていた、という話をしていたな、と思い出す。
とても受かるとは思えないウチの息子であるので、参考までに聞いておこう、という話である。
お店には、親子で来ている一組と、ウチのように親が夫婦で来ているのが一組。
なかなかの盛況ぶりである。
もっとも、ウチ以外はどうやらすでに行き先が決まっているようで、話はもっと具体的だ。
地元にある同じ間取りの部屋を見に行ってみてはどうか、と勧められている。

海のものとも山のものとも全く決着がついていない我が家の場合、営業マンの話もどこか上の空で聞いている。
それでも、この時点で空き部屋は大学近辺だと二部屋しか空いていないらしい。
仮押さえしておいて、キャンセルした場合、二ヶ月分の家賃をペナルティとして払わねばならない。
それが20万。
一ヶ月の家賃は10万なのである。
4年間の総額は500万にものぼる。
家を買う頭金にもなりうる金額に唖然とする私たち二人。
予定では生活費として上限10万を仕送りする算段をしていたが、それどころの話ではない。
「どんだけぇ～～～」と営業マンに向かって吠えそうになってしまう私。
息子の友人のYくんのように、常に模擬試験でA判定を並べているような子ならば、親としても仮押さえする価値はあるだろうが、息子のように多浪計画で取り組む受験生は、そんなどぶにお金を捨てることになりかねない冒険はできない。

それにしても、地方出身というのは本当に嫌っていうくらい学費がかかる。
そろそろ目刺しと梅干しという粗食生活でも始めなければなるまい。