節子さんが素っ頓狂な声を上げる。
「びっくりした~!」
こっちがびっくりなんだけど。
と、思いつつ席に着くと
「あんなにいっぱい・・。それも、全部そろっているし!」
という。
何か、と思えば一昨日クリスマスの25日に、私が節子さんにプレゼントしたモノのことだった。
お嫁さんが育児に行き詰まって、ナーバスになっているから接触をさけてくれ、と息子さんから釘を刺されていた節子さん。
きっとクリスマスだからといって、けっしてお誘いを受けることはないだろうな、ということが予測できた。
今年もいろいろ、あれやこれやと節子さんのお世話になることの多かった私。
一人でクリスマスを過ごすことになるであろう節子さんに、何かプレゼントを用意しようと思っていた。
かかとがガサガサで、分厚いタイツでさえひっかかる、と言っていたからかかとの角質がウソのようにポロポロ落ちる、という金属製のスティックでもいいかな、とか、ますます目元、口元のシワが深くなる一方なので、絶対自分で買うことのないようなパックもいいかも、と色々と考えていた。
クリスマスをあと何日かで迎えようとしていたある日、テレビでローストビーフを作っているのを見て
「そういえば・・。私、長い間肉(牛肉)を食べてないわ・・」
と、ぽつりとつぶやいた節子さん。
そうか!
お肉、それも塊肉をあげたりしたら、また、お正月に帰ってくる次男さん夫婦のために冷凍してとっておこう、とかってしかねないな。
じゃ、ひとりでしか食べられないように、一人分のステーキ肉をあげるっていうのはどうかしら、と思いつく。
そんなことをあれやこれや考えているうちに、
「そうだ!クリスマスお一人様セットというのは!!」
と思いつく。
ちょうど、家には頂き物だけれど、お一人様用のシャンパンと、おそらく節子さんが食べたことの無いような種類のチーズがある。
これに、パンやオードブル、お肉、ケーキをセッティングすれば立派なディナーになるじゃないか!!
と、すっかりプランができあがった。
そして、25日。
お昼休みにデパ地下へ出向いて、パン、オードブル、お肉などを調達し、箱にセッティングした。
退社時間に、
「ご主人と一緒に、クリスマスを楽しんでくださいね。」と一気に渡した。
そして翌26日は、節子さんが定休日で今日の「びっくりした~」のひとことになったわけである。
子どもの頃から、現在に至るまで、クリスマスプレゼントなんてほとんどもらったことなど無いという。
クリスマスの夜、ご主人がいる仏壇の前に、私からのクリスマスプレゼントを並べて、泣きながら食べてくれたらしい。
その話を聞いて、私まで泣いてしまった。
人のために何かをしてあげてばかりで、自分が誰かから何かをしてもらったことのない節子さん。
たまには、誰かから自分のために、というプレゼントを受け取るっていうのもいいもんでしょ。
今年も一年、走り続けた節子さんが、少しでもゆったりとして、暖かく感じる夜になったなら、贈ったものはたいしたものでなくても、本当のプレゼントになったかも、と私も暖かな気持ちで満たされた。
「びっくりした~!」
こっちがびっくりなんだけど。
と、思いつつ席に着くと
「あんなにいっぱい・・。それも、全部そろっているし!」
という。
何か、と思えば一昨日クリスマスの25日に、私が節子さんにプレゼントしたモノのことだった。
お嫁さんが育児に行き詰まって、ナーバスになっているから接触をさけてくれ、と息子さんから釘を刺されていた節子さん。
きっとクリスマスだからといって、けっしてお誘いを受けることはないだろうな、ということが予測できた。
今年もいろいろ、あれやこれやと節子さんのお世話になることの多かった私。
一人でクリスマスを過ごすことになるであろう節子さんに、何かプレゼントを用意しようと思っていた。
かかとがガサガサで、分厚いタイツでさえひっかかる、と言っていたからかかとの角質がウソのようにポロポロ落ちる、という金属製のスティックでもいいかな、とか、ますます目元、口元のシワが深くなる一方なので、絶対自分で買うことのないようなパックもいいかも、と色々と考えていた。
クリスマスをあと何日かで迎えようとしていたある日、テレビでローストビーフを作っているのを見て
「そういえば・・。私、長い間肉(牛肉)を食べてないわ・・」
と、ぽつりとつぶやいた節子さん。
そうか!
お肉、それも塊肉をあげたりしたら、また、お正月に帰ってくる次男さん夫婦のために冷凍してとっておこう、とかってしかねないな。
じゃ、ひとりでしか食べられないように、一人分のステーキ肉をあげるっていうのはどうかしら、と思いつく。
そんなことをあれやこれや考えているうちに、
「そうだ!クリスマスお一人様セットというのは!!」
と思いつく。
ちょうど、家には頂き物だけれど、お一人様用のシャンパンと、おそらく節子さんが食べたことの無いような種類のチーズがある。
これに、パンやオードブル、お肉、ケーキをセッティングすれば立派なディナーになるじゃないか!!
と、すっかりプランができあがった。
そして、25日。
お昼休みにデパ地下へ出向いて、パン、オードブル、お肉などを調達し、箱にセッティングした。
退社時間に、
「ご主人と一緒に、クリスマスを楽しんでくださいね。」と一気に渡した。
そして翌26日は、節子さんが定休日で今日の「びっくりした~」のひとことになったわけである。
子どもの頃から、現在に至るまで、クリスマスプレゼントなんてほとんどもらったことなど無いという。
クリスマスの夜、ご主人がいる仏壇の前に、私からのクリスマスプレゼントを並べて、泣きながら食べてくれたらしい。
その話を聞いて、私まで泣いてしまった。
人のために何かをしてあげてばかりで、自分が誰かから何かをしてもらったことのない節子さん。
たまには、誰かから自分のために、というプレゼントを受け取るっていうのもいいもんでしょ。
今年も一年、走り続けた節子さんが、少しでもゆったりとして、暖かく感じる夜になったなら、贈ったものはたいしたものでなくても、本当のプレゼントになったかも、と私も暖かな気持ちで満たされた。
最近自分で自分にプレゼントをすることが多い(それもどうかと思いますが・苦笑)ハリー☆です。
人にプレゼントするのは大好きです。
あれこれ考えたり調べたりするのも楽しみなんですよね。
このお話を読んで、私、もらい泣きしそうになりましたよ。
喜んでもらえて本当によかったですね!
「ご主人といっしょに・・・」って、
CITROENさんの気持ちがいっぱい詰まったプレゼント、
節子さん嬉しかっただろうなあ。
贈り物ってすごくいいな。
私ももらい泣きです。
私もハリー☆さんと一緒で、誰かにプレゼントするのって大好き!
ハリー☆さんがおっしゃるように、そのひとのことを考えながら、あれがいいかな?これがいいかな?って選ぶ時間も楽しいんですよね!
節子さんは、時々びっくりすることもありますが、根がとっても優しいひとだし、ものすごい苦労人なので
ちょっとでも幸せになってもらえればなぁ、って思うんです。
naccoさんもプレゼントするの好きそうですね
それも、とっても可愛くてセンスのあるものを選びそうだなあ。
節子さん、とってもいいひとなのに、それが全然報われない人生を送っているので、そばで見たり、聞いたりしているだけで、常にもらい泣き状態
泣くほど喜んでもらえるとは思ってもみませんでしたが、そんなに喜んでもらえたことは、私にとっても嬉しいことでした。
読んでてすっかり、節子さんの気持ちになってしまいました。すごくすごく嬉しかったでしょうね。
頂いたものが嬉しいこと以上に、自分のことをこんな風に思ってくれてたんだなあ・・・ってことで、胸がいっぱいですね。シャンパン、涙でしょっぱくなっちゃいますね。
最近なんだか、勝つとか負けるとか、損とか得とか、そんな話を聞くことが多くて、大人ってしんどい・・・と思うことが多かったのですけれど、やっぱり生きるには優しい気持ちが一番大事・・・と思いました。
私、結構ハードな性格なんだけど、根がやさしいひとには自分ができる範囲で、なにかできないかなぁ、っておもっちゃうんだわ。
反対にずるい人とか、意地悪な人には
そうだねぇ、大人になればなるほど、ずるく、したたかになっていくような気がしなくもないけど、根本的にピュアな部分って誰もがきっと持っているはず。
それを失わずに、臆することなく出せるかどうかってことが大事なんじゃないかなぁ。
まぁ、いろいろあらーな、ですわ。