ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

インドアでアウトドア

2012-10-04 | 砂時計
立派な松茸をいただいた。
こんな立派な松茸を目にし、口にするのは生まれて初めてかもしれない。
ちょうど折りしも、辰巳芳子さんの料理本を借りてきていた私は、グッドタイミング!とばかりに舞い上がる。
焼き松茸でしょ、土瓶むしでしょ、炊き込みご飯でしょ・・と。
焼き松茸もどうせならば、遠赤外線、直火の遠火で焼きたいな・・
そう思って、前々からちょっとほしいな~と思っていた素焼きのコンロが一気にほしくなってしまった。
会社帰りに寄れそうなところで売っている所、といえば大きなSCか、街のコアな金物やさんくらい。
まずは大きなSCに聞くと取り扱いはないという。
では・・と街の金物やさんに聞くと、一台だけ残っているのがあるという。
さっそく自転車を飛ばしてそのお店に・・

思ったより大きな代物に、ちょっと引きつつ、お値段を聞いてみた。
在庫処分にするからと、ネットで検索したときに出てきた一人用コンロと変わらないお値段にしてくれるというではないか。
しかも、中国産ではなく飛騨コンロ。
これはもう、買うしかないでしょ。っていうことでお買い上げ。

いそいそと箱をあけ、準備にかかる。
松茸は石突をこそげとり、ガーゼで汚れを拭い取る。
本を開いて、焼き松茸の作り方を熟読する。
軸は切り取り、傘の白い部分から焼き始める、とある。
お!そうそう、部屋の空気清浄用に備長炭があった!
これは絶対炭焼きでしょう・・とそれもスタンバイ。
夫の帰りを待って、まずは固形燃料に点火。
炎が強いので上に備長炭を置く。

まではよかった。
が、待てど暮らせど炭は熾らない。
こんな時に限って、松茸の傘はまるでどんこ椎茸のごとく肉厚である。
あれ~・・・・・
こんなはずではなかったんだけどなぁ。
仕方がないので土瓶蒸しを先にいただく。
こちらも松茸の香りというより、だしの鰹のほうが香りがたっている。

業を煮やし、炭をガスの直火に炙って熾そうとするが、堅い備長炭のことなかなか熾るものではない。

結局。
煮ても焼いても食えない状態で、松茸の刺身状態を食べることに・・
形は立派だが香りのないこの松茸。大きな声じゃいえないが外国産なのかも・・
今宵の食事で一番おいしかったのは、土瓶蒸しのだしで作った雑炊。
夫がぼそりと
「やっぱりちびまるこちゃんは正しかったな。」

大昔、息子とみた漫画ちびまる子で、松茸ご飯を食べたまるちゃん一家
お父さんのヒロシが、高級な食べ物であることを強調して、ありがたくいただくように家族に宣言する中
「このご飯、全然おいしくないよ。ふりかけかけて食べた方がずっとおいしいじゃん」
てなことを言って、ふりかけをかけておいしく松茸ご飯を食べるまるちゃんと友蔵。
あの一話は、我が家で伝説の一話となっている。
私たちのような貧乏舌には、インスタントのお吸い物の人工的な香りのほうが、松茸を感じられるのかも。。

それにしても、アウトドアに興味のない私たち夫婦が、インドアでアウトドアを楽しむことになろうとは。
この歳にして炭の熾し方を研究しなければならない。

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2 コメント

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ひと騒動でしたね~ (nanahaha)
2012-10-05 19:33:49
読んでて引き込まれちゃいました(*^_^*)

某大新聞に「作家の口福」っていう輪番コラムがあったけど あそこに載ってても「おもしろいっ!!」って読んでたと思います。

なんせ私も特上の「貧乏舌」を一枚持ってますから
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そのコラム (CITROEN)
2012-10-06 14:55:36
私も楽しみに読んでいました。

いやぁ、高級品っていうのはなかなか普段口にすることがないので、どれがおいしくてどれがまずいのやらもよくわかりません。
一昨日、いただいてすぐにこの調理を試みたときには香りを感じられなかったのが、昨夜炊き込みご飯にしようと包丁を入れたとたん、あの松茸特有の馥郁とした香りが漂いました。
多少の熟成期間が必要だったってことかもしれません。
もちろん、おいしく頂けたことは言うまでもないのですが。
nanahahaさん、丹波まで足を伸ばして松茸狩りをするのもいいかもしれませんね
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