美人もつらいよ

息子が小学校でお世話になった先生に会った。
会ったといっても、気ぜわしい夕方のスーパーですれ違っただけなのだが。
この先生には、5年、6年と小学校では大事な時期に受け持っていただいた。
女ながら、びしびし、はきはきしていて、頭の回転もよいキレものである。
学校の先生で、切れ者、となれば美人ではないことが多いのだが、この先生はかなりの美人でもあった。
目がおっきくて、鼻が高い。顔もすっきりと小顔なので、垢抜けてさえいればなかなかのものである。
年齢は、まわりからの情報によれば私と同い年くらいだという。

で、この先生を見かけるのは本当に久しぶりのことで、咄嗟にわからなかった。
というのも、あまりに老けて見えたから。
仕事帰りのスーパーで、隙のないメイク顔の先生もどうなんだか、と思うのだがほとんどすっぴんに近い状態にメイクが剥げ落ちて、疲れが滲み出ていたせいもある。
それより、私が感じたのは目の下のしわ。
私のように退化したような遠慮がちの小さな目の持ち主ならば、年をとればまぶたが落ち窪むか、むくむかのどちらかなのだが、目がぱっちりした美人タイプのひとは、目が大きい分目の下の筋肉が衰えると、目を支える力が落ちしわが多く入ってしまうのだ、ということに気がついた。
そういえば、女優さんなんかでもおっきな目をしたひとほど、老化が激しい気がする。

うーむ。
美貌も維持し続けるのは大変なことなんだな。
私が年齢より若く見られることが多いのは、やはり美人顔じゃないってことの裏返しだったのだと改めて確信したのだった。