おててつないで

団塊の世代の退職者が増えたからなのか。
街中で、６０くらいの夫婦連れをちょくちょく見かけるようになった。
私が街をうろつくのは、お昼休みか、夕方の帰路でのことだから、買い物に出かけている夫婦か、ウォーキングの夫婦ってところだろうか。
時折気づくのは、手をつないだ夫婦。
今日も、帰り道で一組の手をつないだ夫婦を見かけた。

そういえば、昨日節子さんが言ってたっけ・・
「私がいつも新聞を配っているところで、朝に散歩をしている人がいるんだけど。６０代くらいの夫婦だとおもうんやけど、いっつも手をつないで散歩してるんや。なんか、若い子達が手をつないでいるより、ええ感じやなぁと思った。」

うーん。。
どうなんだろうか。
私たち夫婦は、若いころから手をつないで歩いたことがない。
「柄じゃない」っていうのがひとつ。
そして、なにより夫が手をつなぐのが嫌いなのだ。
驚いたことに、幼稚園時代に母親と手をつなぐのでさえ、
「かっこわるーて、恥ずかしかった」と言うのだ。
姑は、お人形さんや、ぬいぐるみなど子どもっぽい、可愛いものが大好きな人だ。
赤ちゃんや、小さい子も大好き。
そんな姑が、自分の息子から手をつなぐことを拒否されていたなんて、なんて可哀相な。
人形遊びに興味がなかった私でさえ、自分の息子の小さいころは、手をつなぐのが大好きだったというのに。

そんな夫なので、自分から手をつないだりしようとするはずはない。
私もオナジク。
それぞれが適当な距離で淡々と歩く方が好きだ。

年配の夫婦の手つなぎは、今までご主人が先に立って走り続けてきたために開いてしまった、奥さんとの距離を埋めるためのものなのかもしれない。
歳をとってからのスキンシップってそんなものなのかなぁ。