良妻賢母の天敵

このところパソコンに向かう時間が減っている。
仕事で一日７時間はずっと画面に張り付いていることもあり、ドライアイ状態がひどくなっているため。
それと、もうひとつは「こたつ」である。

前の家は１階だったので、かなり底冷えがしていたが、ここは上層階なので下からの暖かい空気のせいで、そんなに寒さは感じない。
だが、鍋物をかこむとなると、なんとなくこたつのほうが気分がでる、ということもあってホットカーペット、こたつ、という冬の風物詩をだしてみた。
そうなると超寒がりの私は、根が生えてきて一歩も、そこから動かなくなってしまうのだ。
おまけに足がぽかぽかとぬくもり始めると、一気に睡魔が襲ってくる。
夫の実家でも、平気でぐぅぐぅ寝る嫁なので、自分の家ならなおのこと。
至福のときを、いともたやすく手に入れてしまう。

夫も、息子も、そんな私にかなりあきれている。
自分のなかで、それをよしとしているわけではなく、できればまめに動き、細やかな心配りをそこここに見せる「良妻賢母」でありたいと思うのだが、このぬくもりの魅力には抗えない。
息子は早ければあと２年、遅くとも３年先にはこの家を出て行く。
夫との時間にしても、どちらかの命が燃え尽きるまで夫が一緒にいてくれるという保証はない。今のように、マイペースで我儘に手を抜いた生活を続けていれば、ある日突然三行半を突きつけられても仕方がないな、と思ってしまう。

だけど、だけど。
こたつライフからは足抜けできないな、克己心のない私。