2012/05/12 16:36
ポストセブン
ドラマ「クレオパトラな女たち」の美容外科手術のシーンは生々しさ、リアルさが演出され、「グロいから見たくない」という視聴者もいるかもしれない。だが、ここは大切なポイントと語るのは、作家で五感生活所の山下柚実氏だ。以下は、山下氏の解説だ。
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美容外科にやってくる患者と医者をテーマにした、日テレのドラマ「クレオパトラな女たち」(毎週水曜日夜10時)。
佐藤隆太演じる主人公の青年医師は、借金返済のために、美容外科クリニックに勤めることになる。この医師は、病気でもない身体にメスを入れることに対して、多少の心理的な抵抗感を持っている、という設定です。
最初は、単なる風俗として、簡単に美容整形をする女たちを素材にしているのかと思いましたが……。
どうやらこのドラマ、美容整形の肯定的な面だけを強調したり当然のものとして扱うスタンスとは、少し違うようです。「人にとって顔・外見とは何なのか」という永遠のテーマを問いたいのかもしれません。
手術のシーンは生々しさ、リアルさを意図的に演出しているようです。「グロいから見たくない」という視聴者もいるでしょうが、ここは大切なポイント。
皮膚を切ったり縫ったりすることは、化粧とは決定的に違う行為。美容整形には、身体を扱う「重さ」が含まれる。ドラマの作り手も、そのあたりのことを意識しての演出でしょうか。