キレる・引きこもる…韓国にネット中毒専門外来
読売新聞 5月27日(金)20時18分配信
韓国中部・公州(コンジュ)市の病院に、過度のインターネット利用により、突然逆上したり、引きこもりになったりした「インターネット中毒」の人を治療する専門の診療科が設置された。
韓国では若年層の1割強がネット中毒と推定され、「ネット中毒診療科」は今後、増える可能性がある。
韓国でネット中毒は正式な疾病として認定されてはいないが、国家情報化基本法は「ネット依存により身体、精神、社会的な機能障害を負った状態」と定義する。
公州の病院ではまず、来院者にアンケートを行う。「インターネットをしていない時にも、ネットのことを考えている」といった全20問の設問に該当する割合が高いと、ネット中毒になっている危険性が高い。
病院では治療として、集団で楽器をひいたり、せっけんを作ったりする作業を通して、対人関係改善の契機を作ると同時に、磁気をあてて脳を局所的に刺激して脳波の安定を図る。本来はうつ病に使われる治療法で、欧米ではすでに広く用いられているが、韓国では珍しく、効果が期待される。
診療科の李在元(イチェウォン)部長によると、ネット上で文章を送り合って会話する「チャット」を頻繁に行う女性にネット中毒者が多い欧米と異なり、高速大容量回線が整備された「IT先進国」韓国では、ネットゲームに熱中する男性に中毒者は多い。
韓国では、キャラクターを育成するゲームを好む余り、引きこもるになるタイプと、敵を倒すゲームにはまって周囲に攻撃的になるタイプに二分される傾向があるという。