書名 QRコードの奇跡: モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ
著者 小川 進
発行社 東洋経済新報社
発行年 2020年2月27日
頁数 213頁
価格 1,800円 + 税
誕生25周年。トヨタの工場から世界中のスマートフォンへ。
日本発で国際標準になった稀有なイノベーション、50年の記録。
QRコードは1970年代初頭、トヨタの生産現場での「かんばん」の
電子化をめざしてデンソーで研究・開発がスタートした。
さまざまな技術的障壁や現場からの反発を乗り越え、1994年に完成する。
その後の周辺技術、国際標準化への取り組み、オープンソース化、
利用現場の開拓など、次々に主導する人物が交代しては進めていった。
その後、セブン-イレブンや携帯電話、全日空、銀行ATM、駅のホームドアでの導入など、
2000年代に入って利用者が用途を開発し、爆発的に普及していく。
圧倒的な情報量(バーコードの350倍)、読み取り速度(Quick Response)と
エラー回避、セキュリティ、小さい面積とデザインの自由度などもあって、
他のコードを凌駕している。
今や中国をはじめ、世界中の主要な電子決済手段にもなっている。
2014年には、欧州特許庁が主催する「欧州発明家賞」を日本で初めて受賞した。
本書は、関係者への取材を丹念なもとにQRコードの今日に至るストーリーと読み解きながら、
トヨタ生産方式、スクラム型開発、両利きの経営、ユーザーイノベーションなどを同時に行った、
日本発のイノベーションの稀有な事例として描き出すものである。
・「迷ったら手を動かす。行動し続けていれば、
たとえ失敗してもヒントが得られ次のステップにつながる」
・「蒔かぬ種は、生えぬ」