永崎士道の建設業徒然なるままに、時々国防とグルメも

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融通手形ならぬ融通国債の怪(その1)

2013-02-24 | 超入門経済学

リフレ、債務者(社)への死刑宣告(その1)!』、『リフレ、債務者(社)への死刑宣告(その2)!』で書いたように、日本の金融緩和で世界中の名目金利の上昇が始まったように見えた。 安倍首相が『大胆な緩和』を唱えた去年の11月から、各国の国債金利は上昇。 米国債は1.6%からわずか2か月で2.0%を越えた。 カナダもほぼ同様、仏は1.9から2.3%、独は1.3から1.7%越え、日本も0.69から0.84%へ、各国一気に20%以上も上昇している。 

ところが、日本だけが1月に入って突然急降下、現在0.72%あたりでふらついている。

実は2008年のリーマンショック後、各国で金利は低下している。 2008年に米国債は約4%あったが2012年11月には1.6%、仏は4.5から2.3%、独は4.5から1.5%、日本は1.6から0.69%へ、どの国も半分以下までさがった。 

理論的には、金融緩和は国債金利を上昇させる。 なぜなら、お金の価値が低下するから、緩和前と同じ金利では、国債を買う魅力が減じてしまうからだ。 では、なぜ金利は低下してきたのか。

すべての通貨が下落していれば、金利上昇は必須だった。 ところが、準基軸通貨と呼んでよい経済大国の主要通貨が、逆に価値を上昇させていた。 円である。 円高デフレは、ユーロ・ドルが安くなっていく中、世界の金融関係者(国債を発行する政府、投資家、銀行)にとって唯一、安心して買うことができる通貨だった。 結果として、金融市場で国債の暴落(金利急騰)や通貨安戦争(近隣窮乏化策)のようなパニックを防ぐことができた。

だから、安倍首相が日本も積極的に緩和を行うを発言した時、私は先述のブログを書いたのだ。 だが、日本国債の金利だけが現在0.72%あたりまで下がり、キャットウォークを続けている。

考えられる理由は、日米政府、中央銀行、金融機関、輸出関連企業らによる官製談合、国債の融通手形化である。

今日も読了ありがとうございました。 おやすみなさい。

 

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