すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

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森林・林業・林産業活性化推進議員連盟県外調査②(香美森林組合)

2013年04月16日 | 日記

 森林・林業・林産業活性化推進議員連盟の県外調査の2日目は、香美森林組合にお邪魔しました。 

 

 まず、野島常稔組合長=下の写真右=からお話を伺いました。

 植えて育てる時期を迎えたのに外材に押されて、木材価格が低落して厳しい時代になった。平成2年に職員から組合長になった。集約化、小規模で分散していたものを協力して、作業を効率化しないことには立ちゆかない。道をつけ、機械を入れて、団地化して、コストを下げるしかない。そこで、平成8年から初めて、試行錯誤を続けている。日本の経済は高度成長を過ぎてから停滞しているが、林業のコストが上がってきた。日本の木材需給の8割は外材。森の工場をつくるしかない。道をつけ、機械を入れて、団地化するということ。県も支援いただいている。国の森林再生プラン、これは10分の10の補助率で、全国で5地区の応募だったが、手を挙げて採用された。それで、ヨーロッパを学ぶことにして、見学にいった。

 怪我がない。安全に使えるうえ、能率がいいのがいい機械。ドイツ、オーストリアの森林官が3人来てくれている。これらの国は3000ヘクタールに1人配置している。空からまず、地域を見て貰ったら、「山の頂上まで植林しているのはすごい」と驚かれた。それだけの労力をかけてのだから、しっかり経営していかねばと指摘された。課題はいくつかある。お父さん、おじいさんが植えたが、子供は街へ出て行き、後継者がなくなったということがある。組合が中心になって間伐を主体にしている。3万ヘクタールの大部分だが、50人の組合員では世話できない。森林所有者が山に入って間伐するのが一番いい。戦後直ぐ植えた木が今、伐期を迎えている。これをしっかり産出していきたい。

 続いて三谷参事=上の写真中央=が話されました。

ドイツ、オーストリアでは3000ヘクタールに1人の森林官を配置している。産業と林業を両立できているのがすごい、安全の靴や服は経営者が揃えるのが義務で徹底されている。私は道路の担当だが、轍がない道作りを学んだ。採石で舗装されていて、雨が降っても、次の日には入れるが、日本では4,5日は水がたまってだめ。道に5㎜くらいの砕石を屋根型に敷き詰めることで、それが可能になっている。

 最後は森本業務課長=写真左=が話されました。

 フィンランドに行かせてもらったが、日本は10年以上遅れていると思った。想定以上の重さや力がかかったら、ランプが警告し、機械が止まるような安全の仕組みができている。森林の学校があって人材育成も徹底している。チェンソーも日本では1日で免許が取れるが、向こうは1週間くらいかかる。安全教育が徹底している。

タワーヤーダ、ダブルウインチ、オートチョーカーなど高性能機械の作業状況を動画で見せていただきました。

 

 野島組合長が「高性能機械のメンテナンスができるのだろうかと組合で議論になった。オーストラリアの企業から、1週間専門官と通訳を派遣してくれ、職員が向こうの学校にも1週間行って学んで稼働させた。その後、導入以来1年になるが、大きなトラブルはない。通訳の方は日本に居て、その方が間に入ってくれて、機械をパパッと写真で取って、メールで送って、対応してくれている」と補足いただきました。

 質疑にも丁寧に応えていただきました。

Q 林道整備の課題、特に補助金との関係は

A 基幹作業道に近い作業道がほとんどなので、タワーヤーダは10トン対応の道路が必要。林道では3メートルを超えると補助対象外になるし、急峻な山地では基幹道ではR12は取れなく基準外となる。Q

Q タワーヤーダは皆伐用か? それとも間伐用か?

A いずれにも使える。無間伐の木もあり、かかり木処理に時間がかかるが、その場合は効率があがる。

Q 採算は

A 小さな林業家は採算は無理。数字を計算すると難しいものがあるが補助金を入れていただいている。機械は稼働率で採算が決まる。森林組合として事業地をどう確保していくか。ランニングコストを下げるために組合職員に資格を取って頂いている。やはり、日本製の安い機械が普及することが一番。どういった機械を使うにしろ、きちんと道をつけていくことが大事だ。道は木の生長が悪い、頂上に付けるがその方が作業効率も高い。昔は頂上ではなく、裾の方が作業がしやすく、人気があり土地の値段も高かった。今では逆になった。

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