皆さんは 教育委員長と教育長の違いをご存知ですか。教育委員長は教育委員会のトップです。教育長は教育委員の1人であり、教育委員会事務局のトップです。橋本徹・大阪市長が教育委員会制度について、様々、議論を提起されていますが、その当否は別として、やはり、教育行政は教育委員長をトップとして動きべきだと思っていますので、私は教育委員長と議論することにしています。鳥取県の教育委員長は鳥の劇場を主宰する中島さんですので、議論が深まると思っています。
○副議長(前田八壽彦君)中島教育委員会委員長
○教育委員会委員長(中島諒人君)食育について、まず私がどう考えるかという御質問だったと思います。
思いますと食育という言葉というのがいつごろから話題に上るようになってきたかなと思うと、大体ここ10年ぐらいなのではないかなと思うのですね。それで私などが子供のころは、衣食住ということで衣も食も住も大事だというふうに習ったかと思うのですが、衣育もないし、住育という言葉もないけれども、しかし、食育だけは何か自立してきたと。それはやはり食べるものこそが私たちの体をつくっていくのだと。やはり食べるということが、別にほかが重要ではないということではないけれども、際立って重要だという意識の大きな変化ではないかなと思います。それでそれは家庭の変化でありますとか、社会の変化、あるいは最近は国際環境の変化というようなことがその危機意識を強くしているのではないかなと思います。
それで食育の意味ということについて私なりに考えてみたのですが、一つは、やはり飽食とも言われるような時代の中で脂肪だとか、あるいは何か肉ばかり食べるだとか、野菜が少ないとか、そういう意味での自己管理のためという部分が一つと、それから今も話にも出ていますが、企業の利潤追求ですとか輸入食品などTPPなどの問題もあると思いますが、などとの関係の中での自己防衛をどうしていくのかというようなこと、それからもう一つは文化の問題ですね。やはり日本の食文化というものがややもすると消えていくのではないかということの中でこれらをどう守っていくか。それから食文化と似たところはありますけれども、地産地消ということをどう考えていくかというようなことの中で食育のメニューが考えていかれるべきことなのだろうなと思います。
それで議員御指摘の教科書の例示ということで、私も少し調べてみました。まず、両論併記ということだったのですけれども、鳥取県東部の中学校で使用されている開隆堂の教科書、これを恐らく議員はごらんになったのではないかと思うのですが、この中では話し合ってみようというコラムのような場面の中で食品添加物についてあなたはどう考えますか、それはなぜですかということに対して、保存のために最小限使うのは仕方ないけれども、見た目をよくするだけの着色はやめてほしいねとか、食品添加物は安全性をきちんと確認して使っているから大丈夫だというような賛成意見とか、なるべく新しいうちに食べるから保存料のないものがいいやとか、健康への影響が心配だからなるべく入っていないものを買うねとか、それこそ両論併記の形で書いてあります。それから中・西部で使っている東京書籍の教科書ですと、できるだけ食品添加物の少ないものを選ぶようにしましょうという書き方がしてあります。
これは高校です。高校はいろいろですけれども、これは県内10校で使っている教科書ですけれども、この中では加工食品のうちパックなどに包装されているものには名称、原材料、食品添加物、アレルギー物質、遺伝子組みかえ食品を含む内容量、消費期限、また賞味期限、保存方法、製造者などが表示されている。その他マークなども確認して購入したいというふうに割とニュートラルな書き方がしてあります。
両論併記というのは、私も個人的には若干でもリスクがあるならば使わないほうがいいのではないかと率直に言って思うところはあります。実際自分が物を買うときでもやはり選んで買います。もう何行にもわたって確かに添加物とかが入っていて、これはどういうことなのだと思うところもあります。やはり大事なことは、議員もおっしゃるとおり自分で考える力を養うというところだと思います。
現場の先生方の一つの実践を御紹介したいのですけれども、例えば手づくりプリンと市販のプリンを比較するというような実験とか、卵を使っているかどうかとか、それから本物のイクラとコピー商品のイクラを比較するとか、あるいは軟化剤が添加された肉と使っていない肉について実際に子供たちに目の前でやってみせて比較してもらうというようなことをやっている、こういう実例もございまして、なるべくこういう実践例をふやしていく中で、大事なことは、やはり子供たちが自分で考えるということだと思うのですね。幾らこういう添加物は危ないですよと言っても、こういうのはどうせ日進月歩でどんどん新しいもの、いろんな加工方法等が出てきますし、いろんな意味で法の目をかいくぐるような形ででもいろんなことというのは起きてきますので、とにかく子供たちに考える力をつくっていく、つけさせていく。そして私たちは、消費者として例えば厚労省の基準がどうのこうのとかというようなことでどこか人任せにせざるを得ない部分もあるかなと思いがちなのですけれども、しかし、私たちは圧倒的に買うか買わないかということで選別ができるのだと思うのですね。そういう選べる知識を子供たちにつけてもらうということを子供たちに目標として教育をやっていくというふうにしなければいけないし、実際今もそういう試みは行われていますので、現場を私たちもどんどん支援していくということにしていきたいなと思っております。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます