東京新聞の16日朝刊は、驚くべき内容を報じています。長文ですが、引用しますので、ご一読ください。
自民党は同党の改憲草案で、憲法9条を変更して自衛隊を「国防軍」にすることを掲げた。
それに伴い、国防軍に「審判所」という現行憲法では禁じられている軍法会議(軍事法廷)の設置を盛り込んでいる。防衛相の経験もある同党の石破茂幹事長は4月に出演したテレビ番組で、審判所設置に強い意気込みを見せた。「死刑」「懲役300年」など不穏な単語も飛び出した石破氏の発言とは-。
(小倉貞俊記者)
「軍事法廷とは何か。すべて軍の規律を維持するためのものです」。4月21日放映の「週刊BS-TBS報道部」。憲法改正を問うというテーマで招かれた石破氏は持論を展開した。
国防軍になると、具体的に何が変わるのかと問われた石破氏はまず、「(改憲草案に)軍事裁判所的なものを創設する規定がある」と述べた。
改憲案9条2の5項には「軍人その他の公務員が職務の実施に伴う罪か国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、国防軍に審判所を置く」とある。
続けて石破氏は、現在の自衛隊で隊員が上官の命令に従わない場合は、自衛隊法で最高でも懲役7年が上限であることを説明し、こう語った。
「『これは国家の独立を守るためだ。出動せよ』と言われたときに、いや行くと死ぬかもしれないし、行きたくないなと思う人がいないという保証はどこにもない。だから(国防軍になったとき)それに従えと。それに従わなければ、その国における最高刑に死刑がある国なら死刑。無期懲役なら無期懲役。懲役300年なら300年。そんな目に遭うくらいなら、出動命令に従おうっていう。人を信じないのかと言われるけれど、やっぱり人間性の本質から目を背けちゃいけない」
こうした重罰を科すために審判所は必要で、石破氏は「公開の法廷ではない」と付け加えた。
自民党のホームページある「日本国憲法改正草案Q&A」でも、国防軍審判所を「いわゆる軍法会議のこと」と説明、設置理由を「軍事秘密を保護する必要があり、迅速な裁判の実施が望まれるため」と解説する。裁判官や検察、弁護側を軍人から選ぶことを想定。審判所が一審制か二審制なのかは「立法政策による」と記され、上訴ができるか否かは不透明だ。
この発言について、山口大の纐纈厚教授(歴史学)は「戦前の軍隊の在り方自体を否定すすることから戦後日本は出発し、現行憲法がつくられた。石破発言は平和国家日本のありようを根底から覆して、戦前と同様の軍事組織の立ち上げを意図している。歴史の教訓を反故にするもの」と話す。
早稲田大の水島朝穂教授(憲法学)も「戦争体験世代の政治家にあった抑制は皆無。戦前の反省はどこへいったのか」と批判し、「審判所」という表現に注目する。 「現行憲法も自民改憲草案も、76条2項で『特別裁判所』の設置を禁じている。軍法会議はこの特別裁判所にあたるため、通常の行政機関を装った『審判所』という名にしたのではないか」
皆様、どう思いますか。私は纐纈先生や水島の言われることの方が正論だと思います。憲法9条の平和主義は守るべき憲法の三大原則だと私は思います。理想主義者と揶揄されようと、それは私の信念です。皆さん、どう思われますか。
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