事務所の中で、こんな会話がよく交わされます。
「あの候補は何回も家に来たぞ。砂場君も回らんといかんぞ」
「はい。で、家に来て、どんな政策を訴えていましたか」
「政策など何も言わん。県議選ではよろしくお願いします。私に投票してくださいと言って頭を下げただけやで」
「頭を下げただけですか?」
「それでいいんや。選挙は何回頭を下げたかだぞ」
「政策を述べれば政治活動という言い訳も立ちますが、これではまんまの投票依頼ですよ」
「そんなこと言っているから、いつまでも選挙に通らないだよ。もう記者じゃなく、政治家にならないといけないよ」
でも本当に、これでいいんでしょうか。事前運動も、戸別訪問も、公職選挙法が禁止している違法行為です。
表現の自由にかかわる政治活動は高度の保護を与えられています。そうならば、なおさら投票依頼は慎むべきなんでしょう。
そして、候補者の政治姿勢や政策ではなく、何回来たかという点で評価されるとしたら、とても悲しい思いがします。
何回来たかでは、どれだけ当選したいかの熱意を計ることはできても、その候補者がどれだけ鳥取を良くしたいかという熱意を計るものではないからです。
私はこれまで、選挙では選挙公報やホームページ、街頭演説を聴いて判断をしていました。
それは選挙権を大切に行使したいと思ったからです。この問題、皆さんはどうお考えですか?
「~記者でなく政治家にならないと」・・・なんだかショックで情けない意見に思えるのは私だけでしょうか・・・
いろいろご紹介を受け、できるだけたくさんの有権者とお会いし、直接思いを聴いていただき、そして、皆さんの悩み、苦しみを聴いていますが、何といっても、一番の悩みは雇用のようですね。
そして、新聞記者も、政治家も、強気をきじき、弱気を助けるのが商売。根っこは同じと思っています。
新聞記者とか、政治家という前に、地域で暮らす人間としてどうあるべきかを考えたいと思います。