いつもの様に夕方に、いつもの犬の散歩道。めっきり秋めいて、枯葉の道を歩みます。踏みしめるとかさかさと葉っぱの音
が響きます。妻と二人で思い出を、語りながら歩きます。もちろん未来のことも語らいます。夕暮れが早くなってきて
薄暗くなった散歩道。狭い遊歩道に差し掛かる。落ち葉の音と一緒に進む。なーんか後ろからついてくる。何だろう。
暗い山道なんで、熊や、イノシシ、出てもおかしくない。ひたひたと迫る後ろの音。ばしゃばしゃばしゃ。つかず離れず
ついてくる。どちらかというと幽霊。少し広まった道に来た瞬間。その幽霊が追い越した。ぎゃー。ギャオスみたいな声
だしてびっくりしたぞ、驚いた。その声にまた驚いた妻。おほほほ。お前は肝が据わってる。幽霊の正体見たり枯れ尾花。
自転車でした。おまけに全身真っ黒で、そりゃ👿だと思います。犬のリードが邪魔をして、後ろからずっとついてきた。
ベルがあるだろう。ベルが。鳴らせよ、どくからびっくりだ。一目散に去っていく。おほほ。お前さっきから笑いすぎ。
熊だったらどうするの。それはくまった。洒落言ってる場合か。あたりはどんどん暗くなる。見上げるとふくらみ気味の
レモンのようなお月様。飛び交う鳥が珍しい。馬鹿ね。蝙蝠よ。こないだ知り合いの家の壁の中に巣くってた。よなかに
幽霊のように騒いだらしい。びっくりよ。でも小さいな。まだ小さいクリは食べません。ビックリになってから。なんて
ほんとかどうか。ギャー。わたしの声に同調し、集まってこれしギャオスちゃん。かわいいもんです。