ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

24-4 そんな事言ってると、だんなが牢屋にぶち込まれますよ!

2021年09月19日 | 第24話 悲運の商人アントニオと20個の卵の物語
  


 ノアイラさん、
前話ラストページに出て来た
マリア・アントニア皇女様が
王太子妃マリー・アントワネット様として、
15年後には、おフランスへとやって来るなんて
まだ知りません。

 そんな訳で、
少年時代のモーツァルトとのエピソードを
「可愛いもんじゃないの❤️」
なんて、上から目線で言ってられましたけど、
20年後には「首飾り事件」が起っていますし、
その噂がパリから伝わって来たら、
娘のリュシエンヌや近所の奥さん達や
おばあちゃん達と怒りプンプンなんじゃ
ないですかね?!

 で、革命の前年、国の借金は45億リーブルと
「ベルサイユのばら」にあって、
国王ルイ16世は大臣達からそれを聞いてビックリ
してるのですが、
アントワネット様は
「税金をもっと増やせばいいじゃない」
何て言ってるのでした。
「高等法院からの許可が必要だし、
これ以上の増税は国民の反発がある」
との反論には、


   


「納税は臣民の義務」
「税収が無いと王室は破産する」
…というような内容を
仰せです。

 この場面、そのままスキャナ撮りして転載すると
問題があるので、
こちらの物語の前編 第6話 7・8ページ、第10・11話、15話に登場する、

ジェイン姫にアングルも変えて
モノマネ演技をしてもらいました。


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  レースは自社製品、
  イヤリングはシドニー社、
  衣装はブラウン商会からの
  提供でした。
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 しかし、何か違う。
本物の気品にはかなわない…。

 ジェイン姫だってハプスブルク家なんて
メじゃない位の古い家系の出身
なのに。
何てったって、初代の御先祖様は
アリマタヤのヨセフの義兄弟
だったりするのにね?!

 やっぱり、
姉妹のせいで実家の伯爵家から追い出されて、
女社長もしてたりして、苦労性だからでしょうか?

 ちなみにハリソンさんがしているモノマネは、
アヴィニヨンに住んでいた事もあるイタリアの中世文人、
ペトラルカの肖像画らしいです。


今日の続きは9月24日(金)

24-3 旅行者じゃ当然のルールです はぁ?

2021年09月15日 | 第24話 悲運の商人アントニオと20個の卵の物語
  


 18世紀フランスで
旅行する場合の謎ルール
の中の3つ。

宿泊施設の経営者は、
宿泊者の情報を
到着から24時間以内に
警察に届けなくては
ならない。

スイス人と
スコットランド人
以外の外国人旅行者が
死亡したら、
荷物は没収されて
王様の物になってしまう。

パリから馬車で行く場合、
途中で乗り物を
変えたくなったら、
現地点から2駅先までの
通行税を前払いした後に
出発する。

 ハリソンさんは
最後の件に前の旅行で
引っかかってしまいました。
しかも該当したのが
王家直轄区間だったので、
2倍の金額を払わされた
のです。

 今回は馬車のみで行くと
決めたのですが、


  


 第15話「トリシャン・コード」
のリヨンで出会った
ブラウン商会支店長、
フレディ君が「トリストラム・
シャンディ」7巻33〜36章の
事を思い出して、
通行料等でイヤな目に
遭わないように、
その他にも色々出費は
あるだろうからと、
お餞別のお金をくれたの
でした。

 そういう事もあって、
ハリソンさんは帰国後、
田舎で居住する村周辺の
道路整備と料金所設置の
準備委員会に駆り出され
るのを断れなくなるの
でした。 

 ハリソンさんが空想の中で
振っている旗の文句、

Harrison and Freedom

は、
1763年に新聞で英国王を
批判して投獄された
下院議員のジョン・
ウィルクスをヒーロー視
した民衆が、
政治運動のスローガンと
した言葉
「ウィルクスと自由」
パクっています。


続きは9月19日(日)




24-2 脱税ゲームの途中ですが、割り込みますよ!

2021年09月12日 | 第24話 悲運の商人アントニオと20個の卵の物語
    


 マルセルとクレールの
会話部分は、
第21話2P目
「無花果欲しいが卵はいらん」
の最後のコマと繋がります。
クレールさん、
結構策士だったりしますね〜。

 アントニオは
本社がF市内にある
商社の社長で、
社員の中にはフランドル
(現在のベルギー)や
南仏にまで取引に
行っている者もいました。

 グイードはアントニオの
自宅の方の召使いで、
主人外出の際には同行し、
身の回りの世話を
していました。


  


  主人の言葉にどう思いましたか?


  

 
 グイード君、
口を閉じていれば、
なかなかのイケメン。
真面目なストーリーの
勇者にだってなれるかも
しれないのに。

 主人がこんなんな上、
当人も「天然の気」が
あったために、
脱税ゲームの「おバカキャラ」
なってしまいます。


続きは9月15日(水)
ハリソンさんの
税金への恨みが炸裂!


24-1 敢えて波乱が有りそうな方に挑んでみますか?

2021年09月08日 | 第24話 悲運の商人アントニオと20個の卵の物語
  


 ハリソンさんは
1763年の夏、
プロヴァンスで鶏卵と
無花果を売る
農家の婦人と出会い、
買おうかどうか迷う
というエピソードが、
第21話冒頭にあります。

 その事と「トリストラム・
シャンディ」7巻43章との間には
関係が有りそうです。
そして、この中世コントとも
何か繋がりが出て来そうです。
 



 
召使いの青年グイード君には何と言いますか?






 上を選んだ場合、
その後も順調に行く
可能性が高く、
「アントニオとグイードは
無事に家へと辿り着き
家族皆で晩餐に
美味しい卵料理を
食べました。」
となりそうですが、
フツーのプチ旅じゃんよ〜!

街にペストが発生し、
ロックダウンします。


とか、
盗賊からの

おいコラ、金を出せ。 

の分岐でも出て来なければね。

 が、上記のように、
下を選んでしまった場合は
一体どうなるのでしょうか?


続きは9月12日(日)


第24話 「悲運の商人アントニオと20個の卵の物語」開幕への前奏曲

2021年09月07日 | 第24話 悲運の商人アントニオと20個の卵の物語


 
これから始まる話は、
14世紀イタリアで本当にあった事件が
脚色されたものです。

 その実話は、
当事者本人と家族は望みもしないのに、
尾ひれが付いて変形し、海を越え、
古くから往来があったアヴィニヨンに到達。
イタリアよりも先に
印刷・書籍化されてしまいました。

 そしてそれは、
ハリソンさんが隠そうとする
ある失敗談を
暴いてしまいそうになるのです。

18世紀イタリア風の前奏曲
(原曲はヘンデル作曲のオペラ
「フラービオ」の中のアリア)
が終わり、第24話が開幕です。
続きは明日。