ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

28-4 何でもかんでも think so Vs 英語版ある種のおじさん構文?

2024年01月30日 | 第28話 スパイとインボウ論とシュン画と親子ゲンカ



 最後のコマは25話9ページから
引っ張って来ました。
デジタルだとこういうのが楽。

 マルセルは
talking about と think soを
上手い事使い回して短文。
ハリソンさんから話を
引き出しています。

 …が、ハリソンさんの文が長い。
そしてコンマが多いという
点ではある種のおじさん構文?

 まぁ、これはまだマシな方ですけどね。


【そして訳文例】





 日本語では
そんなにこんがらがってる感じが
しない
けどなー?

 ハリソンさんや
マルセルらの一般人からは
貴族はベルサイユか
パリや地方領地の屋敷が
生息地と思っているので、
「民衆の中に交じるのは
偵察だろう」

なってしまうのです。

 最後のコマ、
後ろ向きはエクトル氏だとして、
高貴な方々の真ん中は国王陛下。
右は王太子か側近、
左側はポンパドール夫人か
その後釜の寵姫って
所でしようか。





28-3 talking aboutで何とかなる

2024年01月21日 | 第28話 スパイとインボウ論とシュン画と親子ゲンカ


 マルセル 何の話ですか?
 ハリソン 彼はルイ15世のスパイさ。
 マルセル 誰が?
 ハリソン エクトル氏だ!
      あの男は大変な危険人物
      なのさ。

 と、ここまでは(正しい文かは別として)
中学生の教科書や参考書にも
出て来る文法っぽいです。

 (しつこいですが)仮に
正しい文では無かったとしても
意味は取れると思います。

 しかし、
次ページからは少なくとも
高校までの教科書と
消えるフィルター付き
中間・期末テスト対策用の
参考書には決して出て来ない、

こんがらかりハリソン構文が
出て来ます。

 talking about
よく英米(特にハリウッド)映画の
字幕版を映画館へと見に行っていた頃、
頻繁に聞こえて来た言葉でした。

 コロナ大流行期以降は
マスクしてるのが苦痛で
映画館へは行かなくなって
しまいましたが。

 ハリソンさんのエクトル氏への
評価ですが、
英国18世紀60年代のお騒がせ人物、
トリストラム・シャンディ氏の
陰謀の片棒担いでるなら、
アンタだって相当な危険人物
でしようが?!



 

28-2 疑問詞6連発、させたい主人としたくない従者

2024年01月18日 | 第28話 スパイとインボウ論とシュン画と親子ゲンカ



 ハリソンさんの発想の飛躍に
マルセルはちんぷんかんぷん。

つい、疑問詞を連発して
しまいました。

 そこに食い付いて来た
ハリソンさん。
もしそのまんまそのノリに
付いて行ったら
絶対話が逸れてく事を
知ってるので止めたい
マルセル。

 ハリソンさんは
前半の1話9ページと3話7ページで
「英語を教えるので覚えてほしい」
というのを雇用条件の1つと
していました。

 なので、
疑問の解消を兼ねた
「英語のレッスンと言うなら
まぁいいか?」という
事になったようです。


28-1 当たらずとも遠からじ

2024年01月13日 | 第28話 スパイとインボウ論とシュン画と親子ゲンカ


 ハリソンさんは
25話の9ページで
エクトル氏がフランス国王
ルイ15世直属の御庭番だと
疑っています。

 その時は
自分の心の中だけに
納めていましたが、
遂に自分以外の人にも
打ち明けるタイミングが来た!

と思ったようです。

 エクトル氏が貴族である事は
とっくにバレてますが
何してる貴族か
ハッキリしてません。

 でも、
この物語が完全完結した時には
前半の段階でもう既に
堂々公表されてた
というのが
きっと分かる事でしよう。


登場人物紹介と今までのあらすじ

2024年01月09日 | 第28話 スパイとインボウ論とシュン画と親子ゲンカ



 1765年の秋、
英国の冴えないノベライズ作家
ハリソン氏は起死回生の
旅行記を書くために
イタリアへと旅立ち、
フランスでマルセルが
従者として加わります。

 旅の途中では当時の
英国の人気作家トリストラム・
シャンディ氏の正体を知りたがる
人々が知ってるかもしれない
ハリソン氏に次々と
近付いて来ます。

 アヴィニョンまで辿り着いた
一行はホテルの主人一家や
彼らの友人クレールと
親しくなります。
他にもホテルにはクレールの
元恋人で実はべルサイユ
貴族のエクトル氏が
宿泊しています。

 クレールに振られて
心荒むエクトル氏は
クレール擁護派の
ハリソン氏やマルセルへと
好戦的な態度を取り、
ホテル内が一気に
険悪な雰囲気に。

 そんな場所へと
更にはホテルの主人の弟や
孤児院の子供達とその
世話役の修道士達と神父が
翌日の聖マルタンの祝日を
一緒に祝うために
やって来ます。

 その夜、ホテルの中では
様々な人間模様が
繰り広げられるのでした。
 

 ※「トリストラム・シャンディ」は
  18世紀英国の作家
  ローレンス・スターン
  (1713〜68)が書いた
  実在の小説ですが、
  この物語はそれをもとにした
  フィクションです。



  本編開始は今週内の予定です。