ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

31-17 そうですね、確かにそうでした!

2024年10月29日 | 第31話 闇祓いの聖戦士マルティヌス THE FRAGMENT
  


 天使さん達とは
27話冒頭でローラン師を
先頭に行列組んで
やって来た孤児院の
子供達の事。

 この子供達と
サン・フランソワ
小さき兄弟黎明会の
人々との関係は
この物語全体の最後で
ハリソンさんにも
大きな影響を与える
力となるのです。

 ここでまた
聖マルティヌスの話、
別バージョンが浮上
して来ました。

 暗黒の中世は
ファンタジーや
フィクションの中だけの
世界となりつつあった
18世紀中頃。

 商工業や科学と技術、
文化が目まぐるしく
発展して行く最中に
生きる人々にとって、
理不尽かつ過酷な
だけで終わる物語は
受け入れがたいもの

なっていました。

 聖書が原作の
芸術作品でさえ
結末が変わって、
主要人物が生贄となり
悲劇に終わる筈が
特例で命を救われる
という筋に
書き換えられた
例までもあったのです。

 なので、
聖マルティヌスの奇跡劇
ハッピーエンド・
バージョンもあり得る

のではないでしょうか?


 ⛪ 続きは何日か後。
4人のもとにあと1人、
仲間が合流。



31-16 精神 (こころ) の子孫

2024年10月24日 | 第31話 闇祓いの聖戦士マルティヌス THE FRAGMENT
  


 ローラン師の決意、
アントワン助祭の苦悩、
アダン氏の
自己実現への道のり、
リュシアン君の
やっと得る事が
できた静穏。

 これらを知ったら
リュシエンヌ・
デノワお嬢の言ってる
事なんぞは!


 27-4では
「茶色いオジさんちは
始めからどうでもいい」

26-16では
ハッキリ
「ダサい」

 ーーとか言ってますけど
ひど過ぎやしません?!

 女の子らしさが
過ぎるのも残虐なのでは?


 …女性も昔から
いろいろ差別して来てます。
とっても、
とぅおーっても巧妙に。
一方的に差別され続けて
来たのでは無い

と思えるのですが。



 ⛪ 続きは何日か後。
ローラン神父の心温まる
お言葉。


 

31-15 それぞれ波乱万丈

2024年10月14日 | 第31話 闇祓いの聖戦士マルティヌス THE FRAGMENT
  


 アントワン助祭さん、
相当に長生きを
するのですが、
フランス革命後には
意外な場所で案外
夢は叶ったのかな?
…な晩年送ってます。
そして、
何でか
あのエクトル氏を
えらく称賛して
いるのです。


 アダン氏は同じオテルに
泊まっている孤児らの
OBですが、
文才があったので
孤児院を出て
文筆活動をしています。
そして、時々古巣に
戻って来ては皆と
仲良くしているの
でした。

 ローラン神父は
貴族や富裕層から
庇護されてる
旅回りの演劇一家の出身。
なので、
この人とアダン氏は
生まれも育ちも平民。

 リュシアン君は
貴族の四男で
妾腹の生まれでしたが、
実母は幼児の時に
亡くなり、
父親の正妻が子供好き
だったので実子と
同じように可愛がられて
育ちました。

 でも、
変わった事を話すので
育ての母から
「そういう事は人前で
話してはいけない」

言われ続けていると
心が内向きになって行き、
次第に人を避ける
ようになりました。

 とはいえ、
19世紀に宗教の
力が極度に弱まり、
とある事柄を
大っぴらに表出
できるように
なる頃
には
大変貌を遂げて
いるのです。


 ⛪ 続きは何日か後。



31-14 本当はどこかに婿入りしたかった人

2024年10月12日 | 第31話 闇祓いの聖戦士マルティヌス THE FRAGMENT
  


 英国では爵位や
家長の継承順位が
長男からと決まっていて、
財産も相続者独占でしたが、
兄弟皆で分割となってる
国もありました。

 なので、
上の兄弟の取り分を
多くするために
デノワ氏をはじめ
アントワン助祭や
リュシアン君は
私有財産放棄の
誓いを立てさせられる
修道院に押し込まれ
ていたのです。

 当時はこんなの
フツーでした。
女性だけが差別
されてた訳では
ありません。

 雄牛の象徴的
意味については、

🐂 家族や地域の人々
との繋がり
🐃 誠実かつ地道な
努力と忍耐の積み重ね
による成功
🦬 豊穣と繁栄
🐄 安定した平和
🐮 地に足の着いた幸福

 なのですが、
それを得てサスティナブル
させるための主たる+
古典的なSDGsとして

男女の性の結合が
絡んで来る事を想起
させるため、
20世紀になっても
象徴と現実の事象の
対応と一致については、
フロイト医師を先頭に
心理学者らがハレンチもんと
ボッコボコにされていました。


  


  「人類のミッション失敗者」🖕
とされたトゥビー叔父さんも、
雄牛の象徴と繋げられて
永遠の笑われ者に
されてしまいますが、
1765年11月10日の時点では
まだこの箇所は書かれて
いません。

 悪魔はアルノさんに
「雄牛様からの
直々のお仕置きを受けて
一旦死んでやり直す
んだな!」

――とか?
言ったんでしようか?
「絶命するまで
少々(3分か?) 待ってやる。
その間にキリスト教から
元の土着信仰 (ドルイド?)
に戻りゃ転生できるぜ!
ハッハッハ 😈😈😈」
…とかシッカリ皮肉まで
追け加えたりして?🤔


 ⛪ 続きは明日か明後日。


31-13 私も「光も影も描く派」だぜ!

2024年10月09日 | 第31話 闇祓いの聖戦士マルティヌス THE FRAGMENT
  


 多分
スルピキウス・
セウェルス氏の
「聖者マルティヌスの
生涯」の文全体の
雰囲気からすると
大真面目に書いている
と思われますが、
アダン氏の言い方では
「すっとぼけ&
突き放した感じで
言ってる」

印象を与えかねない
のでした。

 それから
農夫が悪魔の犠牲に
なった件について、
セウェルス氏の
解釈としては
マルティヌスの
しくじりとは全く
捉えておらず、

「事件が起こる前に
常に察知でき、
弟子達にもその都度
教えていた」と
絶賛している
位なのです。

 刑事ドラマに
例えたとしたら、
凶悪犯の毒牙から
部下を守れずに
死なせてしまった
ようなもの

なんじゃ…?

 更には
何故以て神様は
全能ながらも
悪魔君を瞬殺できず
野放しにしてるのか?

①いい人ばかりでも
世の中機能不全に
陥る?↓
②なので必要悪として
存在を黙認?↓
③マルティヌス個人とも
表裏一体の存在として
無くてはならない?


 そういった疑問が
沸々湧いて来ながらも、
セウェルス氏は全体の
バランスも考えて
あえて読み手側に
アンサーを託したのか?

 それとも
やはり話しづらい
分野に入り込む
危険を察知して

回避したかったからか?

 ともかくも、
セウェルス氏が
「今を時めく
マルティヌス様に
会いたい一心で

長旅にも耐え、
本人や周囲の人から
徹底取材して書いた
「推し伝」との事なので、
当然ながら
「絶対本人に都合が
悪くなるような
書き方はしない」

というコンセプトが
全体を貫いているのでした。


 ⛪ 続きは今週末頃。
私はききょう(清少納言)の
「光だけ描く」よりも
まひろ(紫式部)寄りの考えで
「光も影も描く派」だぜ!