ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

26-4 突然の求婚者の出現

2022年10月26日 | 第26話 婿になった修道士
   


 未来のデノワ氏が
「純愛と信仰の狭間で
どーのこーの」

などというのは、
まだここでは描かれません。

 一方、
未来のおかみさん
(当時28歳) の元へは、
ある日突然の縁談が
もたらされます。

 「街のなんでも屋さん」
は口入れ業もしていて、
デノワ家には労働者の
紹介をしていました。

 ロンヴィル家の
跡取りとも親しいようで、
共通の知人として
仲立ちを引き受けた
ようです。

 もし、
ここでロンヴィル氏と
未来のデノワ氏が
同一人物でないとしたら、
話が相当こじれて
厄介な事になりそう。

 悪徳聖職者や
パワハラ貴族、
その他全くもって
ドSな皆さん達
が現れて、
ウォルポールさんの
後継者のA.ラドクリフ夫人や
M.G.ルイス氏のような
ゴシック展開
ならなければいいの
ですがー。


🍁 続きは出来次第。


26-3 遠ざかる卵とイチジクの謎の解明

2022年10月22日 | 第26話 婿になった修道士



 もし
アントワン・デノワ氏が
卵を第24話の
アントニオ某氏のように
持ち帰ろうとしていたら、

離婚どころか、
そもそも出会いの時点で
キモがられて出禁扱い。
成婚には至っていない筈。
 
 マルセルは
ハリソンが前に南仏に来た時、
卵とイチジクを買ったか
買わなかったのか?
買ったのならどうしたのか?
肝心な所を隠しているので、

デノワ氏の話からも
ヒントを掴もうと
していました。

 が、
クレールさんにハリソンへと
連れの犬を見せてもらえるか
聞きに行ってたノアイラさん。
戻って報告しようとしてたら
夫の話が聞こえて来たので、
割り込んでしまいました。

 清貧×貞潔=神への従順
を誓った青年と
なかなか婿のなり手が
見つからない娘。

バッド・エンドにも
なりそうな組み合わせですが、
1765年の時点で
ハリソンさんが呆れまくって
いるぐらいの仲良し夫婦。
どういう奇跡の大逆転が
あったんでしょうか?


🍁 続きは出来次第。


26-2 小心者が外国で悪態をつく時

2022年10月18日 | 第26話 婿になった修道士
  


 この英国の牧師さん、
実は小心者なので
英語で悪態ついてます。

 ヴェルサイユですら
英語を理解している人が
ほとんどいないような
時代だったので、
地方なら更に大丈夫
と思ったのか?
単純に自国語での方が
言いやすかっただけなのか?

 内容としては
修道会創始者
サン・フランソワ
(北条義時と同じ頃の人)
にまつわる有名伝説と
制服の色に引っ掛けたもの。
あまりの凄まじさに
所々というか、
ほとんど伏字にせざるを
得ませんでした。

 当時、
英国で聖職者になるのは
良家の次男以降か、
富裕層では無いけれど
家運上昇を望む家に
秀才の男の子が
誕生した場合でした。

 牧師さん、
父親はとある良家の
次男で軍人でしたが、
亡くなってしまったので、
親戚の情けで大学を卒業し、
英国国教会聖職禄をGet。
上品なお嬢様と結婚
しました。

 ところがお嬢様は
大層プライドが高くて
気難しい上、
病気がちでお金もかかる
人でした。
仕事も何かと煩わしい事が
多かったのです。

 特別休暇を取り、
一人娘も連れて海外旅行に
出たのですが、
妻とホテルでケンカになり、
気晴らしに一人で街へ
繰り出そうかとしている
所でした。

 いつもは他者が
話を飛ばすのに対して
不満なマルセルが
例外的に話しの流れを
変えようとしています。

 修道士さんが卵を
受け取ったのか?
受け取れたとしたら
どうしたのか?
修道会の会則と
当時の風紀や食文化を
すり合わせて推理する
しかありません。


🍁 続きは今週末

 
 

26-1 托鉢ってした事ありますか?

2022年10月16日 | 第26話 婿になった修道士
  


 Qui non laborat ,non manduce

 英国の牧師が
サン・フランソワ会
制服姿のお兄さん
(とは言え童顔ながら
30歳超えてる)
にイヤ味ったらしく、

働かざる者食うべからず
ですよね?


 ラテン語理解るよね?
新教旧教と違うけど、
お互い教会に一般人より
深く関わる者だからね?!

…と言っているのでした。

 「修道士」と聞くと
例えが悪いですが、
現代でもオタクニート集団の
一種類というイメージを
持たれている事があります。
(関係者の皆さんには至極
残念無念な話でしょうが…)

 お兄さん(未来のデノワ氏)、
ホテルには托鉢以外の
ボランティアで来た帰りに、
後ろから玄関を出て来た
牧師へと振り返って
敬意で挨拶した所、
牧師には他にも何かと
鬱憤が溜まっていて爆発。
どうやら

ユニフォームデザイン
=托鉢僧
=自分にもタカろうとしている!

と解釈したようです。

 ところで
「托鉢」ってした事ありますか?
私、実はあります。
仏教の寒行ですが。
会社の行事で。

 真冬の極寒期。
しかもその寺がある県の
屈指の低温地域を
お坊さん達の後に付いて
「南無妙法蓮華経」のみ
繰り返し唱え、

市内を回るってのでした。

 市内の人達は
毎年の事で慣れてる様子。
念仏が聞こえると
外に出て来て手を合わせ、
先頭のお坊さんの
お鉢の中に何か入れて
くれていました。

 会社の人達から
毎年恒例のこの行事を
聞いた時、
正直

やっべー会社入っちゃったな

と思いました。

 が、経験者は
「終わった後は爽快な気分になる」
とみんな揃って言います。

 確かにその通りでした。
浄化感ハンパないって感じで、
明日も行ってもいいと
思ったくらいでした。

 寒行の終いの方には、
お坊さん達と参加者の声の
ハーモニーが素晴らしく、
お坊さん達の声はまるで
ミュージカルスターみたい
でしたよ!


 🍁 続きは明日

 

登場人物紹介と今までのあらすじ

2022年10月15日 | 第26話 婿になった修道士


 1765年秋、英国人フランシス・ハリソン氏は
イタリア旅行に出発します。
フランスのカレー市でマルセルが従者として
旅に加わりました。

 ハリソンの文筆家としての評価はイマイチ。
けれども当時の英国の人気覆面作家
トリストラム・シャンディ氏の創作活動に
何らかの関与をしていたのです。
そんなこんなにイヤ気が差し、
新展開を求めての旅立ちでした。

 それなのにシャンディ氏の正体を知ろうと
行く先々で様々な人達がハリソンに近付き、
謎を掛け、探りを入れて来ます。

 こうしてアヴィニョンまで辿り着いた
ハリソンとマルセルは、
ホテルの主人一家や彼らの友人クレールと
親しくなるのですがー。


※「トリストラム・シャンディ」は
18世紀英国の作家ローレンス・スターン
(1713〜68)が書いた実在の小説ですが、
この物語はそれをもとにしたフィクションです。



本編開始は明日の予定です。