ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

25-11 全ては遥かどこかで繋がっているから…

2022年02月05日 | 第25話 貴族になれない私達


 ハリソンさん、
そんな事言って白ワンに会いに行ったばっかりに、
クレールさんとエクトル氏の
込み入り話に巻き込まれ、
とどのつまりには、
ハリソンさん自身のもう知ったこっちゃ無い所で、
二人の遠い親戚にされてしまう運命となるのでした。

 ノアイラさんの手、
実際は話に合わせて折耳をピクピク口をパクパクさせて
いますが、静止画だと危ないジェスチャーに
似ていなくも無い。

 マルセルは、ハリソンさんがロバを可愛がっているのを
見た事があるのでしょうか?
それとも他に理由があるんでしょうか?

 そういえば、トリストラム・シャンディ氏も7巻32章で
可哀想なロバと出会っていて、
その部分を英語の会でデュポン先生から
学んでいたのでした。

 それと関係しているんでしょうか?

 私、個人的には、ロバはdonkeyって
言う方が好きなんですけど、
シャンディ氏が原文でassと書いているので、
揃えました。

 英語の辞書でassは

①動物のロバ
②バカタレ

――と、高校生ぐらいまでが使われる辞書には
載っています。

 その他の使い方については、
大人向けの手が脱臼しそうな程、
分厚くて重い辞書にしか載っていませんが、
映画のタイトル「キック・アス」と同じです。

 「花子とアン」で村岡花子さんが愛用していた
大きな辞書には載っていたのでしょうか?


❄️ 25話はこれで終わり。
また本編は、しばらくの間お休みとなります。

各話末エッセイは18世紀の小説で見つけた
「今だったら公になれば絶対許されない、
父から娘への凄い暴言ベスト・ワン」で、
出来次第公開です。


25-10 彼女は白い護衛犬と一緒に、ここへ来た

2022年01月08日 | 第25話 貴族になれない私達



 ハリソンさん、
何だかいかにもスパイっぽい返答を
期待していたようですが、
エクトル氏の答えがフツー過ぎて
ガッカリとは行かないまでも
「つまんねー」とは思ったようです。

 宿の主人、
破戒僧に片足突っ込んでた
人生の危機は遥か遠くに去り、
今では一人遊び用の小型ボードゲームしながら
日々、オテル・コンシェルジュをしてます。

 夫婦共々、とても呑気そうですが、
何気に市門の職員に宣伝のお願いをしてたりして、
これでなかなか、抜け目が無いのかもしれません。

 ハリソンさん、
クレールさんの白わんこの話に
食い付いて来ましたが、
居候先の白い飼い猫と仲良しだし、
白モフ好きなんでしょうか?

❄️ 次回は第25話最終回
1月11日/火曜日



 
 

25-9 僕、貴族 (=`ェ´=)ピャーの人スパイ説

2022年01月06日 | 第25話 貴族になれない私達


 ハリソンさん、
この人からはクレールさんへの情熱も
大して感じ取れないし、やってる事からすると
王のスパイかも…なんて妄想が広がって行きます。

 ひょっとしたらエクトル氏は、
ハリソンさんとは違ってギャーギャー騒いだり、
周りに自分から触れ回ったりするような
タイプじゃ無いからかもしれないのに。

 この後、ハリソンさん、マルセル相手に
「国家存亡にも関わるかもしれない陰謀論」
を展開させ、マルセルを呆れさせますが、
その一方で、ある点については救われたような
気にもさせるのでした。

 人々の中に紛れて言動を探るために、
お偉いさんが街に放ったスパイが当時本当に
いたようです。

 ベートーべンに至っては
皇帝や貴族の悪口、
政治へのいちゃもんが警察を通して
全部バレちゃってたとの事。

 耳がよく聞こえないために、
筆談相手に対して大声で答えるので、
遠くからでもスパイには
彼の言っている事が丸聞こえだったのだそうです。

 それでも、しょっぴかれ無かったのは、
「彼を庇護する貴族達がいたからだった」というのは
皮肉な話です。

❄️ 続きは1月10日/土曜日
またハリソンさんのせいで話が別の所へと飛んでしまいます。




25-8 慇懃無礼とあからさまな無礼

2022年01月03日 | 第25話 貴族になれない私達


 ハリソンさんとマルセルの
お偉いさんへの基本的態度。
ハリソンさんは「慇懃(無礼)」
マルセルは「あからさまな無礼」 
です。

 しかしマルセルに至っては、
まだこんなのマシな方です。
第2部 イタリア編になると
ナポリ王家ゆかりの人物に向かって、
「この●●オヤジ!」「★ーゲ!!」
と叫んでしまうのでした。

…公開時には伏せ字にしなくてもいい事を祈ります。

 ま、言われた相手は言われても
仕方が無いだけの事はしてますけどね。😑




          ▲
 でも、こういうんじゃ「ぽくない」ですよね?

 この絵、前半にも載っていて、
それは上記のように手描きだったんですけど、
これをもとにペン描きした線画をスキャナで取り込み、
ベタ塗り&ぼかし&スクリーントーンは
アイビスペイントで清書してみたのがこちら。
           ▼



 エクトル氏の本名、ジャン・ジョゼフ・メルディエ・
エティエンヌ・イゼシェル・デクターニュ、長過ぎです。
ヨハネ、ヨセフ、ステパノ、エゼキエルと
聖書の中の人物との繋がりを求め過ぎています。

 デクターニュは貴族に付く「ド」の次のエクターニュ
が母音で始まるので縮まったという所です。
ちなみに「ド」は平民の場合でも、
相手の冷酷さを皮肉る意味で、
苗字の前にワザとらしく付ける使い方もあったようです。

 メルディエが気になる所で、
ひょっとしたら海(mer)に関係するのかもしれませんが、
merde(●野郎/下らないヤツ)や、
merdier (大混乱/乱脈)の方が、
この物語の展開的には、ご縁があるのかもしれません。

 …だとすると、ごた混ぜ野郎のハリソンさんとは、
いい勝負になりそうです。

❄️ 続きは1月6日/木曜日

 


25-7 どうせなら、ストラディヴァリウスやワインの見分け方の話でもしてて欲しい

2022年01月01日 | 第25話 貴族になれない私達


 エクトル氏、マルセルには「何あの人?」
なんて聞いていますが、 
ハリソンさんの身元を察すると
途端に丁寧な態度になっています。

 ハリソンさんはハリソンさんで、
相手が本当に貴族だったんなら、
ヴェルサイユ勤めの剣貴族( =先祖代々からの貴族。
何らかの功績が認められ、位が授けられたり等して
貴族になった場合は法服貴族という)なのに、
ただのエゲレスのド田舎地主の息子の分際で、
ハリソンさんの方がずい分とエラっそーな
態度を取っています。

 しかしどっちにした所で、
フレンチ・ノーブルとイングリッシュ・
ジェントルマンの会話と言うより、
語学の教科書の最初の方のページっぽいです。

 どうせなら「芸能人格付けチェック」等の
バラエティ番組で時々見かける、
ストラディヴァリウスとそれ以外のヴァイオリンとの
見分け方や、ワインの見分け方でも
話し合っていてくれてたらいいのにと思います。

 エクトル氏はワインの名産地の地域内に
領地とお城があるんだろうし、ハリソンさんは
クレモナ製のヴァイオリンを持っている筈だからです。

 ちなみに前代の作者によると、
ストラディヴァリウスの見分け方は、
高音域の違いで分かるそうです。

 簡単に言うと
バロック楽器と現代に作られたモダン楽器とでは、
モダン楽器の方がキラキラした感じで聞こえて来るらしく、
図書館で「モーツァルト交響曲全集」の
復元楽器を使用している合奏団版と
●●●●フィル等の現代楽器のオーケストラが
演奏している版の両方を借りて、
聴き比べていると的中率を上げられるとの事でした。

 今晩これからの「芸能人格付けチェック」で
私、これを試してみるつもりでいます。

 ちなみに「芸能人格付けチェック」のバックで、
ヘンデルのオルガン協奏曲の中の
「カッコウとナイチンゲール」がかかってますよね?
これ、前代からこの話の続きを描く代わりに受け取った
遺産の中にCDがあったから分かったぞ!


❄️ 続きは1月3日/月曜日