Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

ハザ掛け2016⑥

2016-10-04 23:42:59 | 農村環境

ハザ掛け2016⑤より

豊丘村河野(2016.9.30)

 

 なかなか日差しが訪れない中、ハザに掛けられた稲の穂が膨らんでいるなんていう話も聞くが、実はこの状態が続くと発芽するということをあまり知らない人も多いよう。「ハザ掛け米は美味しい」なんていうフレーズも、今年に限って言えばあまり言えないかもしれない。

 豊丘村の河野で写真のようなハザを見た。通常は矩形の水田の長辺に沿ってハザが作られるが、ここではどちらかというと逆の短辺方向に作られている。というか、短辺に対しても斜になっているから正確には中間的と言えるが、ハザを刻んでいくつも作っているから短辺方向と言っても差し支えないのだろう。ときおりこんな感じに短辺に対して斜に刻んだハザを見ることはあるが滅多にない。長辺が北西から南西という方向になるから、ハザは真東と真西を面にしていることになる。逆方向に斜にすれば南向きの面はよく陽が当たるのだろうが、背面が逆に陽当りが悪くなるから、こうした方がまんべんなく陽が当たるということなんだろうが、むしろ通常の長辺方向にハザを作れば、片面は西陽も当たってよく乾くということになるが、その意図はどんなことだったのだろう。風向きを考慮しているのだろうか。確かに天竜川に対して並行だから、風通しはよいかもしれないが、いっぽうで両サイドの水田が長辺方向にハザを作っていると風が阻まれる可能性もある。いまだすべてを刈り終えていないなか、まだまだこのハザはしばらく野に残ることになる。

 ところで今年は盛んにこんな感じのハザを目にする。ようは竿1本に稲を2段に重ねて掛けるタイプのもの。その多くが天端にブルーシートを掛けない。今年はこの季節にあまり多くの地域を歩いていないためにその印象が強いのかもしれない。豊丘村や、天竜川対岸の高森町など、多くはこのタイプのハザである。

続く


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