地元北北条区の社中が他区が揃ったかどうか確認を始める
最初に今年の当番区である丸田区から確認する
北北条以外の4区を順次確認していく
丸田区はおそろいになりましたか
丸田区はそろいました
大久保区はおそろいになりましたか
大久保区はそろいました
上立田区はおそろいになりましたか
上立田区はそろいました
下立田区はおそろいになりましたか
下立田区はそろいました
4区おそろいになりましたか(ここのあたりよく聞こえなかった)、挨拶をねがいます
こんばんは、おめでとう
先例により、お先、ごめん
・・・
あれ、「おい、おい」
「お通りくださいがねーだろー」
当番の丸田区がざわつく。「やりなおしだー」と怒号が飛び交うが、相対していた立田区の社中はすでに自分たちのブテンの方に戻り始めていた。
大宮熱田神社のある辻にブテンが全地区から揃う午後9時半、辻において挨拶が始まる。地元の北北条以外の4つの区が揃ったかどうかを地元区が確認し、「こんばんは、おめでとう」となるのだ。
昭和49年に発行された『信州の芸能』(信濃毎日新聞社)に当時の北北条区の氏子総代だった方の次のコメントが紹介されている。「何しろ先例がものをいうんでしょ。あいさつに“お”ひとつ付けたのつけないのってけんかになるんだから。何だかんだと遅くなって、最後の手打ち式は明け方ですよ」と。何といっても、ここの祭りの見せ場とも言えるのだろう、それが「挨拶」なのである。確かに夜遅くなるこのあとの獅子舞の際よりも、この挨拶を見にやってくる氏子の人たちが多いのかもしれない。
今年も挨拶からわかるように、最後のところで「お通りください」がないといって、当番区の丸田区から怒号が飛んだ。どうも「お通りください」と言ったのだが、丸田区のいたところまで聞こえなかったようだ。結局途中まで戻ってやり直すことで、丸田区は了承した。「しきたり」が厳しいとして知られるここのお祭りらしい光景で、独特な雰囲気を醸し出す。挨拶前の一瞬の緊張、そして大声を張り上げて「おそろいになりましたか」に対して担当区は「そろいました」と返事をする。大宮熱田神社祭礼の特徴的な場面である。
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