Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

忙しい日々

2017-09-22 23:09:15 | つぶやき

完成した木偶

 

 

 義母が亡くなった翌日に重柳に入っているし、母の亡くなった3日後にも重柳に入っていて、本来なら神社にも足を踏み入れているから良いことではない。重柳で聞いても、保存会員の家に不幸があれば、関わるのを避けるという。準備には手を出したとしても、祭りには行かないという。基本的に趣味で行っているわけではなく(とはいえ現地で聞くことはわたしの意図に沿っているから趣味的ではあるが)、仕事で行っていると割り切っている。そう言える根拠は、「保存会員よりいるね」と言われるほどここ数日は重柳に足を運ぶ事になる。そんななか昨日も記したように稲刈りが気になるところから、今日は午前中に稲刈りをし(わたしでなければできないハザ作りをするために)、午後は提出期限になっている仕事を整理し、その後重柳へ向かった、というように仕事が忙しいのに行かなくてはならないという義務感にある。ということで今日はお船に木偶を載せて仕上げをするというお船製作の最終日。子どもたちの笛の練習も今日が最後となる。重柳には一緒に調査に入っている大学院生のSさんとともにお邪魔した。

 その年のお船の飾りつけは、保存会の飾り付け班の班長さんの意図に任されている。したがって班長さんのイメージしたもので仕上げられる。今年の題材は〝独眼竜〟である。もちろん主役は伊達政宗。既存にある人形(元は穂高の人形師に頼んで作ってもらったもの)を工夫してそれらしく細工していく。この1ヶ月ほどかけて少しずつ準備がされてきた。相対するのは史実はともかくとして真田幸村。今年は2体の木偶で表現される。よそでは穂高の人形師に頼んで場面に応じた人形を用意するところも多いが、ここでは自分たちで工夫して場面を作り上げる。だから近くで見ればとても素人っぽいのだが、少し離れて見ればそれらしくちゃんと見える。舞台張りが製作した船の上に、馬と木偶2体という具合に乗せて行くのだが、祭りの本番では船を煽るため、木偶が落ちないように固定するのに時間がかかる。そして何といっても木偶の持ちのものだ。刀を高く振り上げる伊達政宗の持つ刀が振り落とされないように固定するのに苦労する。年によっては午前零時を過ぎることもあるという木偶乗せは、この日のうちに終えなくてはならない。宵祭りの朝からは「披露」ということになるからだという。乗せた木偶の周囲のあらを隠すように細工する最終段階を終えて、午後10時半にはお船の前で飾り付け班の人たち全員で記念撮影をして作業を終えた。

 既に暦も変わろうかという時間も迫っていたのでお暇しようとしたら、会長さんたちから「ラーメンを食べてって」とお誘いが。班の方たちは仕事を終えたということでこれから慰労会をされる。ということでせっかく声を掛けて頂いたので遠慮なくいただくことに。この日子どもたちの笛の練習も最終日だったということもあって、子どもたちにもラーメンが振舞われた。このラーメンを作っていただける方たちは、保存会の中でも「催事班」というまったくの雑用係。昔はなかった班だというが、こういう場面を支える人たちも必要だということで、近年設けられた班だとか。それぞれが分担して、この大掛かりな祭りが成り立っていることをあらためて感じたわけである。

 終電のなくなったSさんを松本市内まで送り届けて、わたしは家に向かった。既に暦は変わろうとしていたが、明日の朝は再び午前8時からの舞台作りにとんぼ返りすることになる。


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