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ある日の午前中、いつも通り神明駅に入ると、バスについて駅員に尋ねている方がいた。
浜に下りたい(※)そうだが、神明駅から越前海岸へ行くバスは、その時間帯(9~11時台)で全く無い。直接越前海岸へ行く「かれい崎」行きのバスは、昼の3時過ぎまで待たねばならない。
※「浜」はこの辺りで越前海岸を指す。地元では越前海岸に行く事を「浜に行く」「浜に下りる」と言う。
早く浜に下りる方法として、駅員からは
1. 神明から「織田(おた)」行きで西田中まで行き、「かれい崎」行きバスに乗り換える
2.武生新で「越前海岸線」に乗る
の2つの方法しかないと案内していた。ただ、前者は西田中で1時間半待たねばならない(全行程で3時間以上)。後者の場合は、福鉄電車で移動する必要があるが、昼1時前に直接浜へ向かう「かれい崎」行きのバスがある(浜までは1~2時間かかる)。
しばらくして田原町行きの電車が来たため、その後どういう結論に至ったかは分からない。が、10年ほど前に比べて、バスの路線や便数もずいぶん減り、不便になったと感じる。これは福鉄バスに限らず、京福バスなど他の路線バス会社でも同様である。
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不採算路線として路線バスが廃止となり、その後コミュニティバスが充てられる例は多い。鯖江市の場合も、市東部の河和田線(かわだせん)が廃止となり、その後コミュニティバスみらい21(現:つつじバス)が創設されたという経緯がある。しかし、コミュニティバスはあくまで各自治体の中でしか運行することができず、市や町をまたぐ路線の設定はできない。
福井鉄道では現在、国や沿線自治体の支援を受け、電車福武線の再生に向けた取り組みを続けている。具体的には、線路などの設備改修やパークアンドライド(P&R)駐車場の設置、様々なイベント・サービスの取り組みが行われている。今秋からは、要望の多かった終電時間の繰り下げや、新駅(全4駅)の順次設置などが行われる。
しかし、福武線の利便性をいくら向上したとしても、2次交通としてのバスが半端で不便なままでは、公共交通としての役割が十分に果たせるとは思えない。電車とバスの時刻がほぼリンクしていることに関しては問題ないが、バスの便数がまばらでは、電車沿線からでしか電車の利用増加が見込めない。一方、福鉄バスの場合、不採算路線を整理してきたこともあり、鉄道よりも高い収益を上げている。自治体補助も受け、市町をまたぐ路線は一応存続しているものの、会社再建の流れの中で、単独での路線・便数増加は難しいかもしれない。ただ、やはりこのままでは路線バスの存続は難しく、福武線と連携した増便が求められる。
とはいえ、公共交通の充実だけでは、利用者は増えない。日常的には電車・バス路線周辺の住民による一定の理解と利用が必要であるし、また公共交通での移動を促進する要素(運賃・便数、地域にある史跡・施設(観光)の整備と路線設定、イベントなどでの臨時運行)の見直し、掘り起こしが必要だろう。えち鉄や越美北線などを見ると、福鉄に関してはまだまだ、地域側の取り組みが必要と感じる。
地域の活性化が公共交通を育てる、この意識を持って事業者・自治体・住民が連携することが求められる。何よりも、自治体・住民がどれだけ自分の地域と公共交通に愛着を持てるか、これにかかっていると感じる。
浜に下りたい(※)そうだが、神明駅から越前海岸へ行くバスは、その時間帯(9~11時台)で全く無い。直接越前海岸へ行く「かれい崎」行きのバスは、昼の3時過ぎまで待たねばならない。
※「浜」はこの辺りで越前海岸を指す。地元では越前海岸に行く事を「浜に行く」「浜に下りる」と言う。
早く浜に下りる方法として、駅員からは
1. 神明から「織田(おた)」行きで西田中まで行き、「かれい崎」行きバスに乗り換える
2.武生新で「越前海岸線」に乗る
の2つの方法しかないと案内していた。ただ、前者は西田中で1時間半待たねばならない(全行程で3時間以上)。後者の場合は、福鉄電車で移動する必要があるが、昼1時前に直接浜へ向かう「かれい崎」行きのバスがある(浜までは1~2時間かかる)。
しばらくして田原町行きの電車が来たため、その後どういう結論に至ったかは分からない。が、10年ほど前に比べて、バスの路線や便数もずいぶん減り、不便になったと感じる。これは福鉄バスに限らず、京福バスなど他の路線バス会社でも同様である。
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不採算路線として路線バスが廃止となり、その後コミュニティバスが充てられる例は多い。鯖江市の場合も、市東部の河和田線(かわだせん)が廃止となり、その後コミュニティバスみらい21(現:つつじバス)が創設されたという経緯がある。しかし、コミュニティバスはあくまで各自治体の中でしか運行することができず、市や町をまたぐ路線の設定はできない。
福井鉄道では現在、国や沿線自治体の支援を受け、電車福武線の再生に向けた取り組みを続けている。具体的には、線路などの設備改修やパークアンドライド(P&R)駐車場の設置、様々なイベント・サービスの取り組みが行われている。今秋からは、要望の多かった終電時間の繰り下げや、新駅(全4駅)の順次設置などが行われる。
しかし、福武線の利便性をいくら向上したとしても、2次交通としてのバスが半端で不便なままでは、公共交通としての役割が十分に果たせるとは思えない。電車とバスの時刻がほぼリンクしていることに関しては問題ないが、バスの便数がまばらでは、電車沿線からでしか電車の利用増加が見込めない。一方、福鉄バスの場合、不採算路線を整理してきたこともあり、鉄道よりも高い収益を上げている。自治体補助も受け、市町をまたぐ路線は一応存続しているものの、会社再建の流れの中で、単独での路線・便数増加は難しいかもしれない。ただ、やはりこのままでは路線バスの存続は難しく、福武線と連携した増便が求められる。
とはいえ、公共交通の充実だけでは、利用者は増えない。日常的には電車・バス路線周辺の住民による一定の理解と利用が必要であるし、また公共交通での移動を促進する要素(運賃・便数、地域にある史跡・施設(観光)の整備と路線設定、イベントなどでの臨時運行)の見直し、掘り起こしが必要だろう。えち鉄や越美北線などを見ると、福鉄に関してはまだまだ、地域側の取り組みが必要と感じる。
地域の活性化が公共交通を育てる、この意識を持って事業者・自治体・住民が連携することが求められる。何よりも、自治体・住民がどれだけ自分の地域と公共交通に愛着を持てるか、これにかかっていると感じる。