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詩と物語を紡ぎます

想い出

2017-12-20 20:30:00 | daily tsukasa
   想いで



ある光景が鮮やかに甦る。

濃い緑の其処此処と花が紅い、山茶花の生け垣だ。花も葉もこんもり、雪をかぶって月光を浴びていた。

緑、赤、白。
雪・月・花。

ひと際綺麗に明滅した後、それは唐突に消えてそれっきりだった。

還らない日のアルバムは、いつも不意に開き、不意に断ち切れる。


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2017/12/20
16:01 pm
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つとめて

2017-12-20 05:00:00 | uta
     つとめて

  四年目の父祥月命日に寄す


三十分置きに眠りの破られて完全覚醒せし午前四時
さんじつぷん おきにねむりの やぶられて かんぜんかくせい せしごぜんよじ


洗顔し水汲みて居間に戻りたる我が眼の端に揺らめきし影
せんがんし みづくみてゐまに もどりたる わがめのはしに ゆらめきしかげ


耳の奥擬音喩ふる能はざる心の支へ頽るる音
みみのおく ぎおんたとふる あたはざる こころのささへ くづほるるおと


四年目の祥月命日線香をあげ涙ぐむ冬のつとめて
よねんめの しやうつきめいにち せんかうを あげなみだぐむ ふゆのつとめて


一頻り偲び溢せし涙眼に仙人掌由縁の緑優しき
ひとしきり しのびこぼせし なみだめに さぼてんゆかりの みどりやさしき


その時を慮れど導なし身罷りし事実重く背負いて
そのときを おもんぱかれど しるべなし みまかりしじじつ おもくせおひて


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written:2017/12/20
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