2006 No.13 12/16-12/21
作者:アガサ・クリスティー(早川書房 クリスティー文庫)
評価・・・★★★☆ 3.5
クリスティーが存命の頃、“クリスマスにはクリスティーを”というキャッチフレーズにのせて、クリスマスシーズンに新作が刊行されていたそうです。
クリスティーが亡くなったのは1976年1月。その頃私は母親の胎内にいたので、当然クリスティーの新刊を待ちわびた経験などないのですが、クリスマスシーズンになると決まってクリスティーが読みたくなっちゃうんですよね。
ということで今回選んだのがこの『書斎の死体』。クリスティーが生み出した名探偵のうちの1人で、ポワロと人気を二分するといわれるミス・マープルの登場する作品です。
ちなみに私はポワロ派! ミス・マープルは短編作品の方が好きです。ちなみに一番好きなミス・マープルの登場作品は、連作短編集という形式をとる『火曜クラブ』。オススメですよ~
少々、話が脱線してしまいましたが・・・
この作品を選んだのには理由があって、この小説を読もうと決めた少し前に、NHKのBS-2で放送されていたドラマ版『書斎の死体』が設定を変えられてしまっているのに激怒したせいなのです。
小説がドラマ化されたり映画化されたりすると、主人公やその周りの登場人物の設定が変更されるというのはよくある話ですが、この変更は許せなかったー!!!!!
クリスティーが聞いたらビックリして怒りにふるえたと思う。ひょっとしたら気絶しちゃったかも!?
犯人が全く別の人物に変えられていて(境遇は似ていなくもないですが)、おまけにその恋人の設定と来たら・・・
クリスティーのファンでない人は、当然クリスティーがした設定だと思うだろうから、その衝撃を狙ってしたとしか思えない設定変更。
ネタ晴れになるのであまり書けないのが残念です。
タイトルどおり、ある朝書斎で見ず知らずの女性の死体が発見されることから物語は展開します。なぜ、そのような奇妙なことが起こったのか? そしてそのような事件を引き起こしてしまったものとは?
なかなかよく書けている作品ではありますが、クリスティーの作品では珍しく、少女が犠牲になるので、その点がかなり後味が悪いので評価が低めになりました・・・