ここでは人間の筋肉のストレッチの基本中の基本の話を書いていきます。すべて、私が今までに教わった数人のインストラクター諸氏から教わった事ですが、誤りがあったらちゃんと訂正していきますので、ご指摘などよろしくお願いいたします。腱についても近い事が言えるのですが、ちょっと違うので、ここでは筋肉に限定します。応用は効くと思います。
そもそも人間は自身の持つ筋肉の全てをコントロールできていません。意識的に使い続ける事により、それぞれの筋肉を使うことが出来ます。更に、徐々に筋肉に(元々備わっていた)神経が通うようになり、特定の筋肉だけを動かしたり、どうゆう状態かを感じることが出来るようになります。ここでは、いわゆる筋力増強とは異なる話になります。
ストレッチと言っても多様なものがあり、ここでは自重だけ(自分の逆の手で補助したりはします)を使った軽めのストレッチだけを扱います。バリエーションとして、
・反動を利用(結構、危険)
・ヨガマットでヨガ
・ストレッチポールで寝る
・バランスボールに座る
・坂になったお尻を置く台に乗る
・ゴムバンドみたいなやつ、等ジムのストレッチスペースの隅に多数置いてあります。
普通によく見る筋トレマシーン達も負荷を小さくしてストレッチに使える場合もありますし、有酸素運動マシーンもストレッチ前の準備運動に使えます。つまり、本番はストレッチである、という考え方です。ダンベル(重さは使い分けます)を利用したストレッチも存在しますが、以上のこれらは全て、ちゃんとした指導の元で行わないと非常に危険なので、ここでは触れません。しかし、威力は絶大でして、きっと誰しもが驚くと思います。結局、インストがどんな人かが一番重要だと思います。
「ストレッチとは何か」ですが、これは詳しくは検索をお願いします。筋肉や腱の柔軟性を高める事で可動域を増やして、怪我を減らし、今まで出来なかった体の動きが出来るようになること全般、でしょうか。治療や予防にも使われます。
【誰でもできる超基本編】
入浴中、湯舟の中で深呼吸を繰り返してください。同時に色々な体の部分を動かしてみてください。無理にボキボキはしないでください。自ら動かす感じです。立位と坐位がありますので両方しましょう。徐々にで構いませんので、以下を目指していきましょう。
・吸う時にたくさん吸う、この時はリラックス状態。
・筋肉を伸ばしながら息を吐く。伸ばす筋肉に精神を集中させる。今、自分はどの筋肉を使っているのか? これが後々、徐々に効いてきます。
・吐くときは限界まで吐いてから、更に最後にひと絞りふた絞り吐き出す。これをさせたインストは鬼でした。が役に立ちます。
・興味を持った方は「腹式呼吸」や「ドローイン」を検索してみてください。要はへその下です。逆の「ドローアウト」もあります。
・気になる筋肉の逆側も行います。左肩が気になる方は右肩も、という感じです。結構「逆」というのはキーワードです。
・気になる筋肉を伸ばす時は、裏側に付いている筋肉の収縮で行います。筋肉は収縮するだけですので。
・一通り終わったら、立位で体の各所を動かしてみてください。最終チェックですね。ポキって鳴ったり、軽くなったりしている場所が日々、増えていきます。
・なお、立位の前には十分に体をお湯で温めてからをお勧めします。効果が全然違いますので。
・お忙しい方は上記の一部、前半部分だけでも習慣にすると良いと思います。湯舟に入っている五分くらいでも毎日したら変化してきます。
【さらなる進歩】
上記を続けていると、お風呂以外でもやりたくなってきます。湯舟での成果が目に見えるようになったら、更に深く始めてみるのも良いと思います。筋肉が自在に動かせるようになってきます。これはどの筋肉かの認識も出来るようになってきます。筋肉の名称は別に覚えなくていいですが、「この筋肉はいくつの筋肉から出来ているか、長さはどれくらいか」くらいは図で見ておくと良いと思います。
上で軽く触れた「ドローイン」について、軽く触れておきます。
まず、ヨガマット等はお持ちでないと思うので、適当な床の上に仰向けに寝ます。両足を三角に立てます。あごは常に引きます。これ重要。すると腰の下に高さが指1~2本くらいの隙間があると思います。普通の人はあります。で、それをゼロにしてください。へその下が持ち上がるように息を吸い、ゆっくり吐きながら腰の下の隙間を無くしていきます。その際、へその下を思いっきりへこませます。限界が来ても、もう一息二息くらいは出ますので出します。声楽家やジュディマリのユキさんとかなら一発でできるでしょうけど、普通の人は、多分二週間から二か月くらいで出来るようになります。
これは基本なので、できないと有効なストレッチができないのですが、まあ、なんとなくやる分には「深く吸ってリラックス、吐きながらポジを深めていって、限界点で深く吐き切る」で【とりあえずは】十分だと思います。そのうち効果を実感しだすと、欲が出てきますので(笑)。
以下、首の後ろの筋肉を例に少しお話したいと思います。
左後ろ部分、七時半の方向に問題点があると仮定します。ここの筋肉を伸ばすわけですから、縮むのは逆側の一時半周辺にある筋肉です。リラックス状態からへその下を膨らませながら深く息を吸い、へその下をへこませながらゆっくり息を吐きつつ七時半の筋肉を伸ばしていきます。お勧めなのは、基本ポジションで一旦、息継ぎをすることです。基本ポジションてなんや?となりますが、適度に心地よい伸びを感じるポイントです。そのうち分かります。で再度へその下をへこませながら吐き続け、より深いポジションをゆっくりと探っていきます。すると、引っ掛かりがあり、不快感が出る寸前で止め、そこで息を吐き切ります。限界まで吐いた後、更にもう一息二息吐きます。へその下はしっかりへっこみましたか。この流れを覚えてください。これを、
・逆位置である四時半に
・中間位置である六時に
・大きな肩の腱のある三時と九時に、以上について行います。
加えて、三時から九時の往復回転があります。三時スタートだと基本ポジで回していって九時で深く探ります。逆だと三時で深く探ります。
人体には無数の筋肉があり、伸ばす方向を加えるともう訳が分かりません。でも、メジャーなものは動画とかになっていますので、上記のような視点で観なおしてみると、その合理性に納得すると思います。
本文を書くきっかけとなったのは、とある友人の某SNSでのコメントでした。本人には直接伝えます。(まだ伝えていないどころか、返事もしていませんw)。それと私の油断から来た、症状の再発、これらが同時期に来て、まとめてみよう、とおもったのです。
写真は、死蔵しているヨガマット、ストレッチポール、バランスボールです。今回の件を反省して、使おうかな。
【おまけ】
ジムでは、なんとなく良さげだな、というトレーナーさんに個人レッスンをつけてもらいましょう。一回30分~60分で、4000円から8000円くらい? 四回ほどやったら十分で、後はその人が当番をしている時に、ちょっとだけ教えてもらいます。ということは特別講師ではなく、普段から居る人を選ぶ必要があります。経験豊富な人が良いとは限らず、体育大出たてで、しっかりと体系的に理解している人はいます。ただ、一人、思い出に残るヨガ・インストラクターの方が居て、週一コマだけ函館で担当しているので札幌からやってくる、という人で、珍しくも男性、60歳前後、と、ここまで言えばわかる人にはわかりますよね。その人は凄かったです。バラバラだった経験が知識としてカシャーンと形になりました