サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

アキレス最後の戦い

2005年03月17日 02時00分42秒 | 洋楽
今更ながらブラッド・ピット主演の大作「トロイ」をDVDで観ました。
この映画、面白かったなぁ。恋愛映画やホラーは嫌いだけど、
こういう文芸作品というか歴史の作品は大好きです。
最後のトロイ人の、死ぬのが分かってるけど
「戦おう!」とか「華々しく散ろう」とかそういうのが、
すっごいぐっとくる。それからやっぱり「愛」。
ベタだけど、世の中それにつきるなと思うことがある。
兎に角この映画を楽しんだわけです。

さてこの映画の主人公は、ブラッド・ピット演じる「アキレス」。
「アキレス」と聞いてゼップの後期の名盤「プレゼンス」収録の
これまた名曲「アキレス・ラスト・スタンド(アキレス最後の戦い)」を
思い浮かべた人も少なくない筈(?)
DVDを見終わったあと、久しぶりに聞きました。

うん、いつ聞いてもこの曲は凄い!
10分の大曲ながら長さを感じさせない疾走感溢れる
ジミー・ペイジのギターとボンゾのドラム。
そしてロバート・プラントの詩的な歌詞が絡んで。
更にお得意のペイジのギターとプラントの声も絡んで。
(ジョンジーも勿論凄い)
ギターを何本も重ね録りして、構成もまるでプログレで。
よくこんな曲を作りあげたものだと聞く度に感心してしまうが、
一番凄いのはなんといってもボンゾのドラムだろう。

あまりドラムに関してはあまり詳しくないので語彙が見つからないけど、
初期のボンゾはドラムを壊さんばかりに勢い任せに叩いていたのが、
中期や後期はアクションはおとなしくなるものの、
その分洗練され変拍子を絡めた複雑なリズムをいとも簡単に繰り出す様になる。
その様子は二枚組みのDVD「レッドツェッペリンDVD」で見ることが出来る。
ロイヤルアルバートホールの時とアールズコートの時を見比べてみたら一目瞭然。
バスドラだけ聞いてても驚異としか言いようがない。

しかしキース・ムーンといいボンゾといいコージーパウエルといい
素晴らしいドラマーが亡くなったのは、ロック界にとってホントに惜しい。
彼らが今ドラムを叩いたらどんなにか凄いドラムを叩いただろうか。

それにしても79年のネブワースでのアキレスは、
というか79年の彼ら自体、ちょっと見たくない。
パンクムーブメントが台頭する中で、ロックジャイアンツの威厳を示す彼ら。
でもロバートは声が全く出てないし、ジミーペイジもプレイにキレがないし、
服装ダサいし(笑)、あのパフォーマンスにしてもキレがなくこれまたダサい(笑)
ブートで聞ける77年の音源は格好良いんですけどね。