児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

生徒指導の取説 3

2024-12-20 10:31:06 | 学校での活動について
 いつもお世話様です。生徒指導について続けてみます。

 生徒指導の意義や目標は相手の子どもの自立と自律の生活を促すことでした。これは何度も繰り返していますが、忘れることはできない基本的な考え方です。
 現実の学校では、この基本的なことが十分に意識されないままに「生徒指導」と言う言葉だけが先走りしてしまって、生徒指導は、生徒を校則や規則に従われせるための活動ととらえられてしまって、こわもての権威主義的な人が行う活動のようになってしまっているのが現実かと思われます。この点から、学校現場でのいろいろな指導者による問題も多く起こってしまっているようです。
 規則等を守る指導も、大切な指導ではありますが、それが生徒指導の中心的な活動になってしまっては、生徒指導の理念も十分に生かせない、偏った指導になると思います。日本の国は、伝統的に権威主義的な要素が強く残っていますので、そうなること多くあると思われます。
 生徒指導は「ガイダンス」の考え方が浸透して、様々な基本的理論の側面や知識・技術がもっと重視されると、個々の生徒を本来的に伸ばせる学校教育になると思われますが、現実は残念な部分が多いようにも思われます。
 生徒指導の内容、すなわちもっと理論的に的確に生徒の伸張を図る方法等がはっきりしていませんので、何をやれば本来的なガイダンスとしての生徒指導になるのか、学校全体での共通理解もあまりありませんので、曖昧模糊とした規律指導に終始するという形になっていると思われます。

 さて、最も簡単に、生徒指導の意味について記してみたいと思います。これは学校ばかりではありませんが、いろいろな組織で、社会生活の中で、例えば二人の人間が相互にかかわって、例えばそれが年長者と年少者の関係であれば、このかかわり、人間関係の中、ふれあいの中で年少者がさらに意欲的になり、前向きに生活するようになり、その年少者の能力を伸ばすような活動ができたとしたら、それは一番良い生徒指導の活動であると思います。
 学校の中には、いろいろな生徒がいますから、例えば問題行動の多い生徒、意欲の低い生徒、発達系の障害も持っていると思われる生徒などに対して、それぞれの生徒との人間関係を積み重ねることで、生徒の伸張を図ることができたら、それは生徒指導の基本的な目標を達成したといってもよいと考えられます。
 但し、子どもは発達過程の中にいますので、次の課題もすぐに表れてきますので、継続的に生徒指導を行うというのが基本になると思います。

 先生・支援者と接することで、対象の生徒が元気になり、それまで以上に前向きに正しい方向に活動しようとするようになり、それこそ、自分の考えと足で活動していくようになれば生徒指導の実践として素晴らしい活動と言えるとおもいます。 
 但し、この活動は学校の中で目立たず、あまり取り立てて取り上げられることもなく、その活動を行っている人が賞賛されるわけでもなく、普通に進んでいくのが現実です。でもこの活動が一番大切な活動だと思われます。
 非行の生徒が立ち直っていく、不登校の生徒が再登校するようになる、意欲の低い子がその子なりに学習に取り組むようになる。これらの裏側には、よく見ると必ず、本来の生徒指導を着実に行っている人がいるのを見つけることができると思います。権威主義の人が感情的に怒ったり、大声を出したりしていることが生徒指導の進展につながっているというわけでもないと思われます。

 子どもがよい方に向かっていく活動に着目して、何をどのように行っていることが結果につながっているかを明らかにすれば、自然に生徒指導の内容が明らかになると思われます。
 それを明確化・理論化して、それぞれの現場で着実に実践していくことが子どもを伸ばす原動力になると思われます。一番大切なのは、支援者・教職員の人間関係能力だと思われます。それぞれの生徒との間に信頼関係を作り、適切に子どもと言葉を交流し、その中から、子ども自身が大切なことに気づき、自己の目標を設定することができ、その目標の実現に向かって意欲的に歩む過程を作り出せることが生徒指導の能力であると考えられます。
 このような過程を形成するための活動が生徒指導ではないかと考えているところです。

 今回はここまでにさせていただきます。次回以降も生徒指導のもろもろに触れながら何をどのように行うかについて記してみたいと思います。また、人間関係能力のことにも触れてみたいと思います。またみていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。では、また。
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生徒指導の取説 2

2024-12-12 17:44:13 | 学校での活動について
今回もよろしくお願いします。
先日の生徒指導の取説は、多くの人に見ていただきました。ありがとうございました。
今回も続けてUPしてみたいと思います。

 生徒指導は、生徒の自立と自律を促す活動が中心と思います。
 この点について、少しの思いを記してみます。
 ここでは、学校を中心に行われる活動を取り上げていますので、生徒指導と言う言葉で代替して表現していますが、大人間の関係、例えば組織における人間関係でも、家庭における親子関係でも、その他の人間関係でも、自分がかかわる相手の人が、かかわりの中で、不安や不満、怒り、憤りの感情等が少なくなり、一方で、心の落ち着きが図られ、情緒が安定し、今の生活に意欲を持って積極的に取り組めるようになり、前向きな生活が続くことで、その個人の能力が一層高く発揮できるようになれば、そのかかわりは生徒指導のかかわり、生徒指導の活動と言ってよいのではないかと思います。

 人間関係の中で、気持ちが落ち着き、意欲が高くなり、いろいろと経験して、あるいは話の中で新たな大切なことに気づき、その気づきを実際の活動の中に生かすようになり、より積極的な前向きの生活が営まれるようになること、これが生徒指導の中心的な成果と考えられます。

 少し口説くなったかもしれませんが、人と人がかかわっていく中で、成長の方向に生きていくことができるようになることが生徒指導の本質的な目標と考えられます。
 この観点では、生徒指導は人間関係論的な成長促進の活動と言えるかと思います。支援者と生徒が触れ合う中で、生徒が自然に意欲化され、一層成長するようになれば、それは本当に素晴らしい生徒指導であると思います。
 ただし、その技法には、留意が必要な点もあると思われます。どのようなやり方であっても、相手が意欲化すればよいとの考えでは、ある意味、時々問題が生じる事例もある、いわゆるスパルタ式の指導も生徒指導とされてしまう危険性があると思います。
 やり方を問わず、意欲化を最優先にすると、支援者の思惑や思い込み、経験主義的な技法で生徒指導を行うことにもつながってしまいます。そのようなやり方は、相手がその支援をどのように受け止めるかわかりませんし、年齢的・発達的な特性で、誤っていることも受け入れてしまうことがありますので、それは注意する必要があると思われます。
 単純な思考、経験だけで判断して行うものではなく、きちんとした理論的な背景のある考え方や技術に基づいて行われる必要があると思われます。
 高校のスポーツなどで、高校在学時は意欲的に取り組んで素晴らしい成果を得ていたが、上級のレベルに行くとほとんど活躍もできず、意欲的な活動もできないで終わってしまう例も多くあります。そして、ただ過去を懐かしんでいるばかり、自分に正しい自己評価もできない状態になってしまう、このような例では、適切に生徒指導が行われたとは言いにくいでしょう。
 その場、その場で必要な前向きの生活ができるようになること、自立と自律ができて適切な生徒指導が行われたことになるかと思われます。

 学習指導でも、生活指導でも、進路指導の中でも、生徒指導はどの場面でも行われる必要がある活動です。かかわりの中で相手を生かす、伸ばす活動だと思われます。
 生かすこと、伸ばすことは、究極的には相手を意欲化することと考えてよいと思われます。生徒と支援者・教職員のかかわりの中で、生徒が伸びて行ったらそれが本当の意味での生徒指導と言ってよいと思われます。

 今回は理念的な言葉が多くなりましたが、次回は、相手を伸ばす人間関係の作り方やその技術について記してみたいと思います。
 生徒指導の中心になる人間関係論です。よろしくお願いします。その次は、今後の生徒に必要とされる生活技術とその身につけ方等の指導についてなどを記してみる予定でいます。今後もよろしくお願いいたします。他の方に紹介していただけると幸いです。では、また。

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生徒指導の取説

2024-12-10 11:14:01 | 学校での活動について
当方の多用で、12月の活動3は投稿できませんでしたので中断します。内容は、3年生の精神的安定と進路実現への支援をどのようにするかでしたので、1年と2年の部分を読んでいただいて援用することでよろしいかと思っています。
何事につけ、教育の活動は、支援者・教職員と生徒の関係が一番影響がありますので、その部分をどのように作って継続と深化を図るようにすることが大切と思っています。

今回は、生徒指導の部分に戻って、また投稿してみたいと思っています。よろしくお願いいたします。

生徒指導の定義と言いますか、意義や目的ですが、前にも触れましたが、生徒指導は児童生徒の自立と自律をめざした活動です。これは変わりません。自立は自分の足で立つということですから、それぞれの本人が誰かに必要以上に依存している状態ではなく、年齢に応じて自分の力で生活して行けるということです。
自立は、本人が自分の生活を自分の力で統制できる(コントロールできる)と言うことですから、適応的な行動を自分の考えや力で実践できるということと考えてよいと思います。

自立や自律の力を伸ばしてやることが生徒指導の活動です。とは言え、これだけですと行うことの具体的な内容は提示されていませんので、何を行ったらよいかわからなくなって、支援者集団における共通の理解もなくなって、実際には本当に必要なことが何も行われずに、「問題が起こらなければよし」の状態になって、生徒の自立や自律を一層促す活動は見られなくなり、多くの学校で行われているような、規則を守らせる活動、行動を規制する活動、罰と反省を促すだけの活動等が中心の活動だけになってしまっているようにも思われます。
これらも生徒指導のいちぶではあり必要な活動ではあるのですが、こればかりになってしまうと本来的な生徒指導は行われにくいものになってしまうと思われます。

けっこう生徒指導はあいまいな部分があり、しかも内容も奥深いので、本当に必要なことに気づき、それを実行するための手法の勉強も必要なので、多忙な学校生活の中ではその部分の勉強・研修が不十分になると思われます。
またさらに、生徒指導の理論と言うようなきちんとした体系がないのも研修を難しくしているように思われます。

生徒指導が適切にきちんとできる支援者・教職員は優れた支援者だと思います。でも実践はけっこう難しい部分があるとも思われます。
教員になるための、大学等における課程でも生徒指導の理論はありませんので、それもあいまいさの一因かと思われます。
自学・自己研修にゆだねられている生徒指導ですが、今日における学問研究分野の進展によって、ある程度の内容と範囲をほどほど明確にできるのではないかと思っています。

児童生徒が社会生活を営んでいくうえで必要となる考え方や生活上の技術等を抽出して、その内容を学校教育上の生徒に教えるのが望ましいと考えられる部分、それを知り身につけることで生徒の自立と自律を促す内容を実践可能な教育内容としてまとめていくことで、具体的に使えて生徒を育てることのできる手立てが作れるのだはないかと考えられます。

今回はここまでとして、次回から生徒の自立と自律に役立つと思われる具体的な内容について考えてみたいと思います。



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