児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

便り 10 心が救われる時と場の大切さについて

2024-10-14 10:16:16 | 学校での活動について
またUPしてみたいと思います。
今回で、この年の一年分が終わります。
保護者の方々にお伝えしたいことの一応の基礎は記してきたつもりでおります。
やはり基本的なことがもっとも大切と思われます。
心がどのように扱われるか、どのように扱うか、で子どもも大人もふだんの生活が大きく変わってくると思います。
学校でも、家庭でも、企業や組織でも大切にしたいところだと思われます。


   スクールカウンセラーだより №10   保護者用

 立春の季節となりましたが、まだまだ寒い日が続いています。保護者の皆さまには変わ
らずご健勝のことと存じます。前回は、かかわり日誌の勧めということで書いてみました
が、今回は「心の居場所」について触れてみたいと思います。よろしくお願い致します。

◎「心の居場所」の意味について
 不登校やいじめの問題等、教育にかかわる問題の発生の中で、文科省も、「心の居場所」
の大切さに触れています。
 「心の居場所」とは、簡潔に表現すれば、心が休まる場所、心が落ち着く場所と考えて
よいと思います。また、特定の場所をさすだけでなく、気持ちの安定する人間関係、安心
できる人間関係と考えてもよいと思われます。さまざまなストレスにさらされる現代の社
会においては、気持ちの休まる場所や関係があることは、とても大切なことと思われます。

◎中学生たちは今
 現代という時代は、日々の変化が早く大きく、高度で複雑に発達した時代です。このよ
うな時代の中で、生徒たちも大きな影響を受けています。学習も高度になっています。人
間関係も複雑です。中学生になると、本格的な思春期となり、乗り越えるべき発達上の課
題もたくさん出てきます。
 場合によると、適応することが大変になって、ストレスを感じることもあると思います。
学校と家庭の連携を強化しながら、生徒の実態に即して援助の活動を行っていくことが大
切になると思います。

◎家庭における人間関係
 保護者の皆さんも、いろいろと工夫等をしながら、ストレスに対応していることが多い
と思います。しかし、子どもの場合、具体的な対応と言っても難しいのが現実です。場合
によると、通常では認められない方法でストレス解消を目指す例も起こってしまうことも
あります。
 子どもが、家の人と話すことやかかわりを持ってもらうことで、いろいろな対処法に気
づいたり、新たな気持ちになれたりして、ストレスの軽減や解消につながれば、それが本
人にも周囲にとっても、害のない良い方法だと思われます。
 家庭内における子どもとの関係について、ふだんから振り返って見ることが大切と思わ
れます。

◎大変さへの共感とサポート
 「心の居場所」があまりなく、つらい状態が続くと意欲が低下してくることがあります。
まず、心が落ち着いて、ゆとりを持って考えられる場所や人間関係が必要です。心が落ち
着くのは、思っていることを表現できて、理解してもらえたときだと思われます。
 子どもの心に目を向け、理解を示しながら、必要に応じて励ます等の活動が大切だと思
われます。

10月の活動 3

2024-10-08 08:11:35 | 教育相談
前々回、前回に引き続いて3年生の部分を記してみます。
1、2年の活動についてはすでに記しました。

3年生の活動
 中学でも高校でも、この時期になると受験に向けての活動が本格化します。中学では進学先選びが中心になるでしょうし、高校では推薦入試等の具体的な活動が始まるでしょう。
 中学でも高校選びとともに、それぞれの高校に適した面接技術等を学ばせることが必要です。これは当然です。面接時に大切なことは、姿勢と態度だと思っています。またはっきりとした言葉の使い方も重要です。見る面接官から見たらどのように見えるかを想像できるようになるよう、習熟することが大切です。明朗、快活、はきはき、 これらが概ね必要なことと思われます。それに一つ加えるとすれば、生徒本人が自分の良さを自覚できていること、自分の生かせる部分、アピールポイントをはっきりと持っていることが強みになるかと思われます。
 高校では、推薦入試等も始まっているでしょうが、改めて、面接技術や自己表現スキルの大切さが指摘されるでしょう。姿勢や態度は中学と同じだと思いますが、それに加えて、高校生では、将来への明確なビジョンが持てているか、先のことをきちんとイメージできているかが求められるでしょう。
 10年後の自分のこと等まで意識できているかが大切です。そして、それに向かって自主的・積極的・意欲的に向かおうとする意識を持てているかが問われることになるでしょう。これらは外せないポイントだと思っています。

 面接の練習では、二人程度の教職員と生徒一人で行うことが多いと思いますが、その時、その場の目立たない所に他の生徒も立ち会わせて見聞きできるようにしておくとすごく相互に役立つようです。やってみる価値はあります。プライバシーの尊重は事前に言っておきます。

 今まで学習が思うように勧められなかった生徒、今現在実際に進んでいない生徒は焦りや不安な気持ちになることがあります。学習に集中できない場合等は、個別指導が必要です。声掛けや短時間でも面接を行う等が必要です。いつも着させてもらう「情緒の安定」を図ることです。
 学級や学年全体で、SGE(構成的グループエンカウンター)等のグループ活動を行うと、生徒間の交流も図れて、孤立感や孤独感等が軽減されるかもしれません。試してみる価値はあると思います。行うことでのマイナス効果はないと思います。
 個や集団の状況を観察しながら、自律訓練法の実施法を教えたり(無理に行わせない)、グループでの相談を実施することも効果がある。可能であれば、スクールカウンセラーの援助・協力を得ることも考えてみたい。


 時期や状態に応じた柔軟な活動が必要と思いますし、それぞれの時期に生徒がどのような状態になりやすいかは、想像しておいて、その対策活動もあらかじめ考えておく必要があると思われます。
 支援者の考え方や具体的積極的な活動が、生徒の問題の予防や治療的活動につながると思います。そして開発的な活動も可能になると思われます。

 今回は、ここまでにさせていただきます。次回はまた生徒指導の活動について触れてみたいと思います。さらに、11月の活動も記してみたいと思っています。
 今後ともよろしくお願いいたします。できましたらコメント等もいただけると幸いです。




 推薦入試等への手続きを確実に行わせ、面接技術を学ばせる。入試の現実が近くなって、学習に集中できない生徒もいるので、個別指導を強化したり、学年全体でSGE等を行い気持ちを支える活動を行う。自律訓練法
を教えたり、グループ相談の実施も効果的である。

10月の活動 続き

2024-10-07 10:09:09 | 学校での活動について
10月の活動について、前回不十分な部分がありましたので、継続したいと思います。

2年生の活動について補充します。

2年
 中学でも高校でも、学校生活の後半を意識させ、毎日の日常的な生活の充実について考えさせる。この時期になると、これまでと同様に順調に伸び続けることができる生徒と、何となく停滞を示す生徒、明らかに停滞から低下の方向に進みかねない生徒とわかれてくることがある。順調に伸びていける生徒は、心身が安定していて、悩みや不安が少なく、自己の持っている力を十分に活用できる生徒である。
目標についても、ある程度明確に意識できている場合が多いのが特徴である。これらの生徒が多くなれば、学級の良い雰囲気も保たれやすくなる。目標のさらなる具体化も支援のポイントである。例えば受験の場合には、受験先の検討、受験先の学校情報のきちんとした収集などを行うことが必要であることを考えさせ、その対策にも触れて考えることができるようにすることが大切と考えられる。進路指導の考え方を活用して支援を行うことが大切である。

注意するのは、成績が伸びている生徒の中には、成績だけにこだわっている生徒も存在することである。これらの生徒は他の活動が不十分になることもあるので、結果的に総合的な成長は遅れかねない危険もある。3年生になって伸び悩むかもしれない可能性をはらんでいるので、各種の経験、例えば学校での行事等にも意識を持って取り組むように考えさせ支援することが必要である。

 日常生活を見て、一応学校での生活に適応できている生徒もいる。この層の生徒が一番多いのが現実である。これらの生徒は心身の状態においても、学習状況においても、その他の部分においても普通的であり、その意味では問題・課題のない生徒である。
 一方で、問題なく目立たないので、そのままの状態で進んでしまう傾向がある。支援者のポイントはこれらの生徒にどのような働きかけや支援を具体的にするかである。
 以前から他の部分で触れていることがあるように、対象の生徒や人の人的成長、能力の伸張を促すのは、支援者の相手へのかかわり方や人間関係の在り方である。
 人間関係の質と内容が成長を促すポイントである。2年のこれらの生徒に関しては、いかにして、先への関心を強めるかであると思われる。現在の生き方はある程度できているので、将来に目を向けての生き方をどの程度持たせることができるかがポイントであると考えられる。
 共に歩むという言葉があり、別の記事で触れたが、人生のコーチになるという言葉がある。本人が何に着目して何をすること、目指していくことが大切であるかを、時と場を選んで共に考えることが大切である。この意味では、支援者が生徒の先を共に切り開いていこうとする明確な意識を持ってふだんの生活を送り具体的に動くことが大切であると考えられる。
 カウンセリングでのかかわり技法や言葉のやり取りでの適切な方法を意識していただく等で、相手の意識を先に向けた明確な活動にしていくように努めることが必要と考えられる。積極的、継続的にかかわりを持ちながら、相手の言葉を受け入れる応答をしながら、そこからどうするかを考えて意識化することが大切であることを伝えていくことが必要なことと考えられる。

 普通の生徒の中にも、停滞や低下に向かいそうな生徒もいる。これらの生徒は、何かはわからないけれど、心の中に何らかの課題を持っていることが多い。それは本人にも自覚しにくいことである場合が多い。何となくその気にならない、何となくやる気が起きない、やり始めても集中できないし続かない、等々である。
 人は、成長の過程で自分に取り込んだことを使いながら成長していくのがふつうである。その意味では、本人は自覚できないけれども、成長の過程で、本人にとってはありがたくない刺激や経験を得たのかもしれない、特にそれが親からの場合では、毎日毎日少しずつ継続的に与えられるので、心に沁みついてしまうことが多くなりやすい。あるいは、本人が嫌と思っても、反論・反抗等がでいない状態で来た場合には、心の中に多くのよどみみたいなもの、澱(おり、沈殿物)等が蓄積されて、それが意欲化を阻害することも多いのが現実である。
 この場合は、その状態が著しい場合には、カウンセリングや教育相談を受けて、その存在を意識でき明確にして乗り越えられるようにすることが最も効果があると考えられるが、現状、そのような機会を生徒が得ることは難しいし、得られたとしても、成長の過程では明確には意識化できない場合が多いとも考えられる。
 このような場合は、その心的課題に直接向かうのではなく、その代わりに何か十分に気持ちを向かわせることができるもの、あるいは安定した落ち着いた人間関係を経験できて、気持ちを安定的に保てるようにすること等で、課題はありながらもそれほど気にすることもなく生活できるようにすることができると考えられる。
 支援者と生徒の間でも、生徒間の人間関係でも、よい人間関係を持てていることが強い停滞や低下を予防し良い方に向かうことができる一番大切なポイントであると考えられる。この点から支援者の意識の持ち方とかかわり等の具体的な活動が大切であると考えられる。この部分が支援者が行うべきポイントである。

 著しい停滞や低下を今の状態で示している生徒等への対応については、今までに記してきたことを参照していただきながら、一人の支援者ではなく、組織内の連携を図って対応していくことが求められる。
 一人で行う場合は、個別指導が大切と思いますが、やはり集団での対応が必要で楽かと思われます。停滞状態の生徒がクラスの中に生じてしまうのが現実なので、これらのタイプへの対応がある程度できるようになっておくことが支援者の必須事項と思われます。
 学級の中には、どうしても障害的な要素を持っているように思われる生徒がいます。その障害も各種多様ですが、やはり障害の種類や基本的対応のしかたにについて知っておきできるようにしておくことが現在の学校では大切なことと思われます。 
 対応は、校内、校外等必要な機関との連携も大切になると思われます。


3年
 推薦入試等への手続きを確実に行わせ、面接技術を学ばせる。入試の現実が近くなって、学習に集中できない生徒もいるので、個別指導を強化したり、学年全体でSGE等を行い気持ちを支える活動を行う。自律訓練法
を教えたり、グループ相談の実施も効果的である。


3年への対応につきましては、次回にさせていただきたいと思います。1年、2年の部分も参照しながら活動を行っていただければと思います。
今回は、ここまでといたします。またよろしくお願いいたします。コメント等もよろしくお願いいたします。



10月の活動について

2024-10-05 14:46:14 | 学校での活動について
 こんにちは。いつもありがとうございます。

今回は、10月の活動についてという表題でUpさせていただきます。

最近は、進路指導や生徒指導について触れてきましたが、肝心の10月の活動については触れてこなかったことに気づきました。
すでに10月になってしまいましたが、遅ればせながら、10月の活動について触れてみます。

二学期は、一年の中心で、季節的にもある程度安定しますので様々な活動が行いやすくなると思います。事実各種の行事も組み込まれていて、生徒が自主的に活動する機会も多いと思います。
そのような中での今月の活動について、心理学的な側面を活用しながら見てみようと思います。


1年

 入学、進級からの本格的な活動の時期ですので、以下のような点に気づけるように支援をします。
 発達課題としての今の自己の課題について、何をどのように行うことが課題であるか、どのように取り組んだらよいのかについて意識をきちんと持てるように支援します。
 自己の課題に自力で着実に取り組むことが自立の第一のポイントですから、これをきちんと意識させることが大切と思います。
 学習が学校生活の中心的な部分ですから、それに対して、効率的・能率的な学習の仕方を考えさせること、あるいは場合によっては教えることも必要になると思います。
 その時に、一方的に教え込むのではなく、自分の学習の仕方や時間の使い方について、自己の状態を振り返らせること、セルフ・モニタリングさせること等で、学習の準備、目的性、計画性、持続性、創造性等の分野をそれぞれ明確にすることが大切である。自分で自分の学習体制を作り上げる意識を育てることが必要である。そうしないと依存的な状態になり、自主性が育たない。

 1年では、学習と部活の両立も一つの課題である。部活も本格化して、1年も中心に近づくので、学習との両立もしにくくなる可能性がある。やはりこの点の両立を図ることができるように、生活を見直して継続的に両立できる体制を発見させることが大切と考えられる。

 学級や学年のうちに、孤立的な生徒がいないかどうか確認をする。生徒間の人間関係は、生徒の学校生活の充実に大きな影響を持っているので、よく見ておくことが大切である。それは、各種の問題の予防的な活動としても大きなポイントである。孤立的な生徒に対しては、支援者がまずは近寄り働きかけを行うことが必要である。孤立している生徒の内面的な状況には特別な感情世界があることが多く、そのことで、人に近づきにくくなっていることがあるので、支援者が外套の生徒の内面的な世界を把握できるように近づいて、人間関係を作ることが必要である。
 近づくことで、人間関係が安全・安心であることを実感することができれば、そのことが他者への近づきを促すことにつながると考えられる。孤立的な生徒を少なくするように努めることが支援者の大きな役目である。
 友人関係ができている場合には、その深化についても考えさせることである。行事の機会等を利用しながら、生徒間のの自然な交流を増やすように努力していくと、関係の深化が実現されると思われる。
交流が進化すると、生徒は相互に学ぶようになるので、その学びを元にして、自主的に活動できるようになる。相互の自然な交流ができるようになると、学級は自然に融和的・親和的になり、良い雰囲気になって、学びの空間として適した状態になる。自然に学習体制がよくなるので、学習成果も自然に高まる可能性が多い。

 また、不登校校も本格化しやすいのもこの時期である。不登校は、その背景に複雑な要因を擁していることが多く、一面的な見方はできないので、注意が必要である。生徒本人の資質、家庭の状況・人間関係。学級の状況、あえて言えば、支援者の特性も影響することがある。
 多様な要因があり、根深い問題を抱えているケースもあるので、注意をしながら支援を進めることが大切である。特にSCやSSW等との連携による支援が必要な場合も多い。校外の関係機関とも連携する必要があることも多い。
 不登校で一番避ける必要があるのは、本人や家庭と学校・学級との関係が疎遠になってしまうことである。こうなると、本人の回復と再登校まで多くの時間がかかってしまう。そうならないようにしていくことがとても大切である。

2年
 中学でも高校でも、学校生活の後半を意識させ、毎日の日常的な生活の充実について考えさせる。順調に伸長する生徒と停滞を示す生徒に分かれやすいので、個別指導を充実させる。学習セルフ・モニタリング等の実施によって、自己の学習法について改めて考えさせる。引き続き集団活動で生徒を育てる。

3年
 推薦入試等への手続きを確実に行わせ、面接技術を学ばせる。入試の現実が近くなって、学習に集中できない生徒もいるので、個別指導を強化したり、学年全体でSGE等を行い気持ちを支える活動を行う。自律訓練法
を教えたり、グループ相談の実施も効果的である。


2年、3年への対応が不足になってしまいましたが、1年の部分も参照しながら活動を行っていくことが大切と考えられます。内容の細かな点については、次回以降に触れてみたいと思います。
今回は、ここまでといたします。またよろしくお願いいたします。コメント等もよろしくお願いいたします。




生徒指導の活動 続き

2024-10-03 16:44:35 | 学校での活動について
こんにちは。
前回は生徒指導について、ガイダンスの活動であることを中心に考えてきました。
今回もその続きとして、生徒指導の考え方と具体的にどうするのか等について考えてみたいと思います。

学校は、教務部、進路指導部、生徒指導部等々の組織編成で活動していることが多いと思います。最近は、部の範囲をなるべく幅広く考えて総合的に活動するところも存在しているかと思います。例えば、進路指導部と生徒指導部の垣根を取り払ってしまって、ガイダンス部あるいはガイダンス係として活動しているところもあるかと思います。進路指導はキャリアガイダンスですからガイダンス活動の一種です。生徒指導は文字通り、ガイダンスの活動ですので、両方ともガイダンスの活動であることは明白なことと思います。
各種の方法を用いて、なるべく科学的なエビデンスに基づいて行う活動ですから、行う内容と行う方法があるわけです。
従来の学校は、経験主義的な考え方が強くて、以前に行っていた方法をそのまま継続的に行うことによって教育活動を進めるという側面が大変強い状態でした。
そのため、学校の行うことは、以前から行っていたことがいつまでも同様に続くというような状態になり、社会の変化や児童生徒、学生の変化に柔軟に応じることができなくなり、その結果、多様な問題を抱えることになってしまいました。しかも、その解決方法を従来的な方法に頼って行ったために、いつしか問題・課題がとても複雑にしかも深くなってしまいました。
そして、そのままの状態が続くようになり、現在でも苦しみながら、きしみながら何とか活動を続けているというのが現実ではないかと思われます。
最近になって、ようやく、特に都市部の学校等、私立の学校等を中心に、科学的なエビデンスを持つと思われる方法で教育活動を展開しようとする学校も現れてきて、ようやく少しずつ変化がみられるかとも思われます。
しかし、全体的には、従来の方法が強くて、問題を抱えたままになっているのが現実かと思われます。課題に適切に対応できる方法もあるようにも思われるのですが、なかなか学校の中に浸透していかない部分があるように思われます。
これらの点を何とか考えていかないと、児童生徒も、それを指導支援する先生も、双方ともに苦しい状況が続くと思われるのですが、教育界の保守性が強いためか、変化が起きないようです。
教育心理学、学習心理学、臨床心理学、社会心理学等々の学問や知識がどんどんと学校の中に入っていくような状況にならないかなと思い、それを望んでいるところです。

話が少しずれたかと思いますので、生徒指導について戻りたいと思います。
ガイダンスとしての生徒指導について、何をどのようにするかについて考えてみます。ガイダンスは、導く活動ですから、何をどのようにして導くかを考える必要があると思います。

何をの部分についていえば、児童生徒の人間的な成長を実現するように導くことであると思います。時代が多様な内容を含みますので、児童生徒も多様な状態です。それらの状態や一人一人の状況に着目しながら、個の良さを一層発揮させていくことが大切なことと思われます。個の人間的な成長を促すことが、何をの部分かと思います。
どのようにしての部分について考えてみれば、了解しやすいのは、同じガイダンスの活動である進路指導の内容を見てみることが参考になるかと思います。
進路指導の6つの活動の最初に出てくるのは、児童生徒の理解でした。それぞれの生徒の特性、実情、知識や能力をきちんと把握することでした。
生徒指導も、進路指導と同様に、各個の生徒の現実的実情をきちんと理解することが導くことの前提になると思われます。特に成長期、青年期の場合には、心理的な実情を知ることなしに導くことはできないと思います。知らずにすることは支援者の思い込みになることがあり、効果的な活動にはなりにくいと思われます。

個を知るための方法等につきましては次回以降にさせていただきまして、今回はここまでにさせていただきます。