児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

自立 自律した子どもを育てる 生徒指導の考え方

2024-09-26 15:26:45 | 学校での活動について
 こんにちは。
 少し時間があいてしまいましたが、また続けたいと思います。
学校での生徒指導のことを中心にしていきます。また、これは家庭でも同様かと思われますし、企業や組織でも、下の人を育てようとしたら同様の考えになるかと思われます。
 何か参考になりそうな部分がありましたら、生かしていただけると幸いです。
 よろしくお願いいたします。

 振り返りみたいですが、少し前は、主に進路指導のことについて触れてきました。進路指導の目的は、人が将来の自分の生活の在り方をイメージし明確化したり、生き方をはっきりさせる活動でした。
 進路指導は、キャリア・ガイダンスと言います。キャリアとは簡単に表現すれば、その人の生きてきた中で経験したことすべてのことを言うと思います。特に経験してできるようになったことやわかったことが中心になると思います。キャリア試験というと、試験を受けて合格すると、合格することで仕事に必要とされるキャリア(経験、体験、できること)が満たされているということかと思います。
 進路指導、キャリアガイダンスは、先に必要になることを身につけられるように導く活動と言えると思います。経験を積み重ねることができるように導き、先の在り方を考えられるようにすることを進路指導と言うと思います。
 具体的な中身は、以前に触れましたので省略させていただきます。

 さて、自立と自律した生活を営むことができるようにする活動が生徒指導です。これが本当に意味でガイダンスですね。人が自分の足で立って、自立して、しかも自分の人生を自分の適切な正しい判断で生活して行けるように導くことが生徒指導ですね。自律はセルフコントロールができるという意味ですから、自己を自分の力で統制することができるという意味です。

 子どもでも、大人でも、それぞれの環境の中で、自立的、自律的に生活できればそれはすばらしいことと思います。
子どもの場合には、学校や地域で正しく適切な生活ができること、例えば学校の中では、その人なりに意欲的に前向きに学ぶことができ、周囲から孤立したりせずに必要な協調的交流ができることが自立でしょうし、大人の場合も、組織や環境の中で、必要な行動ができることが自立・自律かと思われます。

 これらの能力を身につけることができるように導く活動が生徒指導の本来の活動と思います。生徒への指導、生徒に対する指導のみと言うことではなく、対象の生徒にさまざまな経験を持たせて、考える機会や感じる機会を持たせて、その中で必要なことに気づき学ぶ機会を与える活動が生徒指導と言うことかと思います。

 上に記してきたことから考えれば、子どもたちが学校の中で経験するさまざまなたくさんの活動が理解や気づきの機会ですから、日常の活動そのものが生徒指導の機会であることもまた当然のことと思います。
 中学校以降に始まる生徒会活動や部活動も、さまざまな活動をする中で、生徒の経験や気づきの機会になるわけですから、充実して行われることがとても大切なことと思われます。
 受験の状況が著しく重視されるようになってきていて、学校での各種の活動がなかなか十分に行いにくい状況になっていることが生徒指導の機会の不十分さにつながっているようにも思われることもあるようです。

 生徒指導の各種の方法があると思いますが、それに気づかないでいると、生徒指導は生徒への指導の観点ばかりが強くなってしまって、活動として不十分なものになる危険性があると思われます。
 生徒への指導と言う観点では、何を目標に何をしなければならないかがはっきりと決まっているわけではないので、してもしなくてもわからないので、結果的に何もしないで、生徒に対する厳しい対応だけをすることが生徒指導と受け取られてしまっているのが現実と思われます。
 そのようなことから、生徒指導は一部の厳しい先生等が行うものとなってしまっていて、学校全体の、生徒を導くガイダンスの活動としての生徒指導が少なくなってしまっているのが現実かなと思われる部分です。
 ガイダンスの目標や方法についての知見が必要になり、学校全体として、適切な理解のもとに行われることが大切と考えられます。

 今回はここまでに致します。次回以降はガイダンスの目標や方法について触れてみたいと考えています。





子どもの能力を育てる方法

2024-09-15 14:12:20 | 学校での活動について
 こんにちは。しばらく間が空きましたが、また投稿してみたいと思います。よろしくお願いします。

 これまで、けっこう長く進路指導について記してきましたが、今度は、生徒指導について考えてみたいと思います。

 以下の文章は、文部科学省の資料から、生徒指導に関する部分を引き出したものです。文章は、公的な機関が出しているものらしく、どこからも過不足を指摘されないように、いろいろな要素を一文に盛り込んでいます。そのため、少しわかりにくいように感じられます。でも必要な内容はすべて網羅されているということでしょうか。
 
 「生徒指導とは、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して行われる教育活動のことです。すなわち、生徒指導は、すべての児童生徒のそれぞれの人格のよりよき発達を目指すとともに、学校生活がすべての児童生徒にとって有意義で興味深く、充実したものになることを目指しています。
生徒指導は学校の教育目標を達成するうえで重要な機能を果たすものであり、学習指導と並んで学校教育において重要な意義を持つものと言えます。」

 上の文章について筆者なりに簡潔に説明したいと思います。
「児童生徒の人格を尊重し」とは、それぞれの子どもの人間性を大切にするということです。人間性に反する指導の活動はやってはいけないことと思います。
 「個性の伸長を図りながら」は、それぞれの子どもの持つ特性、特に良さを伸ばすようにしながらですね。
 「社会的資質や行動力を高める」は、社会に適合して生きる力や適切に行動できる力を育てることです。
 本人が自分らしく、自分にとって良い生き方ができることです。
 学校生活の中で、充実した生活ができ、その人らしく生活できるようにするための活動を行うことですね。

 その意味では、生徒指導は、人がその人らしく生活し、「自分の力で立って、自律的に生活していく能力を育てる活動」と端的に表現してよいかなと思っています。
 人が自分の年齢や環境等の様々な条件の中で、自立してしかも自律的に生活していければ、それが素晴らしいことで最終的な目標と思います。そのことに必要ないろいろな知識や技術を教えたり、引き出したり、自ら気づくことができるようにする活動が生徒指導と考えています。

 最も端的に表現すれば、「自己指導能力」や「自己統制力」(セルフコントロールする力)を育てる活動と言えるかと思われます。自分で自分を指導できる、セルフコントロールして行動できるようにすることが大切と思っています。

 ここで、少し話が変わりますが、「生徒指導」という言葉の意味について記しておきたいと思います。そうしないと生徒指導の本当の意味を理解できないかなと思われます。
 生徒指導は、生徒への指導とか、生徒に対する指導とか、指導を行うという意味ではありません。本来は。「ガイダンス」の言葉を訳したものです。生徒指導という言葉の本来の意味は「ガイダンス」ということです。
 ガイダンスは「導く」という意味を持っています。一方的に生徒に対して、ああしなさい、こうしなさい、これはしてはダメ等と「指導する」のではなく、いろいろな場面や方法を用いて、生徒が自分の力で適切な行動をとることができるように導く、あるいは、適切なあり方について気づく機会を与えて導く、という意味です。
 生徒が主体になっているわけです。支援者指導者は、相手を尊重しながら相手が自身でわかって行動できるように導く、あるいは促すことを行うということです。

 我が国の教育では生徒指導というと、教員から生徒への一方的な生徒への指導が生徒指導とされていることが多すぎるようです。生徒指導がガイダンスであることを理解しないで進められていて、時には、指導と称して体罰が行われるような状況になってしまっているようです。
 教育の活動が極めて経験主義になってしまっていて、教職員になった時、あるいは自分が生徒であった時に、教員から行われたようなことを引き継いで同様に行ってしまっているようです。
 本当に、学問的な科学的な側面はほとんど見られず知られずに生徒指導が行われているようです。本来、ガイダンスの意味を持つ生徒指導には、たくさんの科学的な知見や方法があると思われるのですが、そのような方法等はほとんど取り入れられずに無視されて行われているのが我が国の生徒指導かと思われます。

 このような状態では、いつまでたっても自立的で自律的な生徒、人間を育てることはできずに、人からの指示や命令、その場の様子や大勢を見て行動することしかできない大人になっているのではないかと思われてしまいます。

 今回はここまでにさせていただいて、次回からガイダンスである生徒指導の実施方法等について触れてみたいと思います。

 今回は、表題を子どもの能力を育てる方法としていて、ブログの中身と違うとの指摘を受けそうですが、その点お許しください。
 これから、子どもを元気に活力のある、しかも行動できる力を育てることについて触れていきたいと思いますので、今回はまだそこまでいきませんがお許しください。
 意欲的に前向きに行動できる力を育てる活動について今後触れていきたいと思います。
 では、また。







問題の解決法 事例研究の大切さとやり方

2024-09-06 11:16:51 | 学校での活動について
こんにちは
また、よろしくお願いします。

今日は、前に記しました事例研究の仕方について補充的に触れてみたいと思います。

 事例研究の手順はある程度一定の手順が考案されています。その手順については、以前の投稿を見ていただければ幸いです。
 ここでは、事例研究の簡単な方法、筆者は自分では簡便法と言っています。いつでもどこでも、誰でも、一人でもグループでも集団でも、どのような課題を対象にしても、事例研究的な探求をできる方法という意味で言っています。

 この方法は、ある時、ある人の講演を聞いているときに、こんな方法もあるではないかと思って、いろいろなケース、場面で、個人でもグループでもやってみたらそれなりに機能して、しかも参加する人の負担も少ないし、日常的なこと、課題もすぐに検討できるので、本当にやりやすいと思ってやっていることです。

 個人としては、普段の生活の中で解決が必要な状況が生じたときにもこれに従って解決法を見つけるようにしていますし、職場でも、その他の場所でも工夫しながら使っています。
 簡便法による事例研究の手順は以下のとおりです。
1 個人でも集団でも、誰かが持っている課題を他の人に提示します。他の人とは一人の人でも周りの同職あるいは異なる職種のグループでも構わないと思います。とにかく課題になっていること、問題になっていることを提示します。相談しますといってもよいでしょう。
 学校なら、ぜんぜん勉強しようとしない子がいるのだけれどどう思う?や、休みがちになってる子が出たのだけれどどうしたらよいでしょうか、等でよいと思います。
 医療であれば、咳が止まらない患者がいるとか、熱がいつまでも下がらないでも、何でもよいでしょうし、もっと重症な場合もあると思います。
 他の組織であれば、組織内の日常的な課題でもその他でもよいかと思います。

2 これらを聞いた人は、はじめは、これは何の問題だろうか、何が問題だろうかと考えます。
 例えば休みがちな子のことであれば、休みが多くなってるということが問題と考えられます。
 勉強しないは学習意欲が下がってしまっているが問題かと思います。同様に他の職場等でも課題、問題を抽出できると思います。参加の人たちがいろいろと意見を出し合っていけば、問題・課題は見つけ出せると思います。特に専門職が集まっている所ではある程度簡単にできると思います。ここでは、解決すべき問題・課題をはっきりさせることが一番の目標です。問題の明確化という作業ですね。
 問題が明確化できれば、その解決に向けての活動が、個人でも集団・グループでも、相互理解・共通理解のもとに動きやすくなると思われますので、活動が一段階進むことにつながりやすいと思われます。
 ただし、この段階では、なぜその問題・課題が生じているのか、課題の背景に何が横たわっているのかはわかりません。問題を生じさせている条件、問題を継続させている事情が分かりませんので、具体的な活動はしにくいです。
 例えば、学習意欲の低下の例では、なぜ学習意欲が低下しているのか、背景がわかりませんので有効な手が打ちにくいと思われます。もともと知的能力が低く学習についていけないのか、先生の教え方が本人に合っていないのか、あるいは学校では見えないけれど、家庭で虐待的な状態に置かれているのか、大きくなれば家庭の経済状況の影響とか、様々な事情が影響していると考えられますので、検討に参加している人々が、自由に自分の感想や感じたこと、過去の事例で経験したこと等まで、表明を行います。
 すると、その子をめぐる学校内の事情や、分かる範囲ではありますが家庭的な事情等、様々な事情が明らかになってくると思います。
 これらの中から、背景要因の大きい部分が抽出されてくると思われます。専門職の集団では、検討の中で同じような意見や判断が多く出されることが多いと思います。そして、ある程度の要員を明確化できると思います。要因は一つではなく、重なっている場合の方が多いと思いますので、それはきちんと受け止める必要があると思います。子どもの意欲低下をすべて家庭の影響というようにしてしまうことはどうかなと思われます。家庭の要因が一番大きそうなのは経験的にも理解できそうなことですが、本人要因、学校要因もある場合はあると思いますので、そこは注意する必要があると思います。

 少し話がずれますが、事例研究を行うときに一番注意する必要があるのは、事例の提供者にいやな思いをさせないことだと思います。忙しい中で事例を出したのに、指導者・支援者が悪いのだとされたら、二度と事例研究は行わないということになるでしょう。
 事例をまとめて出していただいてありがたい、課題を考える貴重な機会になった、同様な事例の解決へのヒントになった、行動指針を得ることができた、等の感謝を表明することが本当に大切と思います。ただし「おべっか」ではなく、本当に自分が感じた素直な気持ちを肯定的に表現することが大切と思われます。

3 上記と重なる部分がありますが、問題の背景要因が明らかになったら、簡単に言えば、こうなっている事情、こうなっている理由がはっきりしてきたら、ではどうしたらよいかを考える、「第3の段階」になります。問題がはっきりすれば、状態を生み出している理由がはっきりしてきたのですから、対応は、状態を生み出す理由になっている行動をしないで、
 例の学習意欲の場合には、もともと本人の知的能力があまり高くなかった、集団内での指導は難しいかもしれない、家庭は、お母さんが一人で子育てしていて経済的にも大変なので、子どもにかかわる時間が少なかった、いわゆる子どもの承認欲求等が満たされていなかった等が明らかになるかもしれません。
 現実の中ではよくありそうな事例かと思われます。良くありそうな例ですが、それではこの問題に対する対応策を考える段階ですが、このようなありがちな問題・課題への対策を考えて行動するのはけっこう難しい面があります。
 担当者として、学校として、親としてできることをなるべく手順を追って、地道に行っていくしかないのが現実かと思われてしまいます。
 学校は、校内連携が一番大切かと思います。いわゆる「チーム学校」としての活動ですね。担当者・支援者、スクールカウンセラー、管理職等々が力を合わせるのが一番効果的と思われます。と言っても忙しい中での行動ですから、可能な限りでと言うしかないとは思われます。

 他の職場、組織でも同様なことが現状と思われます。現実は只々忙しくて、あたふたと時間が過ぎていくようです。組織の協力体制が保たれていれば、多少の安心感、安定感、精神的ゆとり等は得られると思われますので、それらの部分がポイントかと思われます。

まとめですが、
課題・問題が生じたら、何が問題だろう、何の問題だろう、何を解決すべきなのだろうと、まず考えてみる。

次に、なぜこのような状態、課題・問題が生じたのだろうか、生じているのだろうかと考えてみる。

つぎに、上のことを考えながら、何ができるだろうか、何をしたらよいだろうか、考えてみて、それを行ってみる。しばらくやって解決・改善につながらない場合は、再度検討してみる。

これらの過程をとると、考えやすく、動きやすくなると思います。
個人でも集団でも行えると思いますので、よろしかったら活用してみてください、

ブログを見ていただいてありがとうございます。今後も可能な限り継続してみたいと思っています。多くの方に見ていただくのが励みになります。
よろしくお願いいたします。では、また。






進路指導と進路相談 2

2024-09-02 14:33:28 | 学校での活動について
こんにちは。また続けようと思います。
前回アップしたものの最後の部分に私の備忘や余分な文が残されてしまいました。おかしなことになってしまってすみませんでした。

今回は本当に進路指導の一区切りにしようと思います。
進路相談は個人や集団を対象にして、進路指導の全体を行うことと同じであることを記してみました。
しかし、相手の実態に即して、その全部の活動を必要としない場合もあることは当然です。また、相談というのは、支援者、例えば教員等が一方的に行うことではなく、相手との適切な会話の中で相互に高めていくようにするものですので、対話の主導権は相手にあることも当然です。
但し、この分野の相談の場合は、相手の経験不足や認識力の不足等から、支援者からの適切な、時期に応じたアドバイスも多少は行われることも必要とも思われています。
例えば対話の中から相手の良さや特性を引き出して明確化し、それを相手に伝えていくことで、相手が新しい経験をして、新しい考えや気づきを得るということも十分にあり、そのことで改めて自分の特性に気づき、進路を具体的に考えやすくなるということも十分に起こりえることだと思っています。
やはり対話の中のバランスや、支援者が何とか相手を生かそうとする真剣なまなざしや姿勢が、相手の変容を促すものだと思っています。
この部分は普通のカウンセリングと全く変わらないことであると思います。

さてさて、進路相談の全体について、もう少し補足的に記してみたいことに触れてみます。
何度も言うように、進路相談は、相手の自己理解を促すものであること、自己理解に基づき、将来の具体的な生活の指針を探し出すこと、すなわち短期の目標の具体化、中期、長期の目標のイメージ化とできる限りの具体化を行うことが目標であると考えてきました。

したがって、進路相談をすることで、自分の今の環境の中で、自分らしい生活の仕方を自覚できることが大切であるということかと思います。
将来の生活への意欲化、具体的な行動を行うこと、取り組みを促すことが必要なことであり、これは他の教育活動とも共通するポイントです。
教育のポイントは、相手の生徒や学生の活力の高進、意欲化というところに最終的な目標がありそうだと思われます。

進路指導について、まだ触れていないいくつかの活動を挙げておきたいと思います。
進路に関する情報を得させる活動は、ある程度は現実の教育活動の中で行われていると思います。進学に関するもろもろの情報、上級学校に関する具体的な情報、等々、各種の情報をそろえておくことが必要です。
学校によっては、ガイダンスセンターというような名称の部や課を置いて、積極的に情報の収集と提供を行っている学校があります。また、ここでは希望する生徒に、(職業)適性検査等を行ったり、進路相談を専門的に行ったりすることもあります。
就職に関しても進学と同様で、情報は極めて大切と思われます。
学校は社会と離れているところが多くあり、学校の先生や支援者も、一般社会の情報をあまり多く持っていない面もあるようです。
大学を卒業して、他の職業や社会生活を経験しないで教職員になった場合には、それは悪いことではありませんが、社会・企業・組織に関する経験的な情報が少なくなってしまうのはやむを得ないかもしれません。

私見ですが、学校も社会の中にある情報機関と適切な関係で連携していく必要があるようにも思われます。また、教員や支援者がより幅広く情報を得ることができる機会を持てることも大切で必要なことと思います。

啓発的な経験を得させる活動は、例えば、職場体験や上級学校体験などが含まれます。この活動もすでに行われていると思います。生徒は学校内では得にくい活動を実際に体験できることで進路を考える良い機会になっていると思われます。

進路指導は、最後は自己決定の指導ですね。進学にしても就職にしても、最後は一つの進路先にしか進めないわけですから、本人が自分で決めることが最も大切なことと思われます。
その時に、その時点で本人がある程度のきちんとした自覚を持って決められることがもっと大切なことと思います。
迷いながらの決定も当然あるわけですし、この時点で決定したからと言って、それでそこに進めるとも限りません。第二、第三の道も当然考えておく必要もあるわけです。これらから逃避しないで、自主的に決められるような指導を行うことが最終的な進路指導と思われます。
就職、進学の手続きの指導、面接・作文等への各種の対策指導も当然この中に含まれます。面接では自己表現能力が求められるでしょうから、その指導も広い意味では進路指導の一つです。
また、これは生徒指導の大きな一つの分野でもあります。二つの分野が重なっている部分かと思います。その意味で学校全体で取り組むべき課題と思われます。

最後に追指導があります。よく合格した生徒とこれから受験を迎える生徒が混在しているととても活動がしにくいなどと言われますが、確かに緊張の場面にいる生徒と、緊張感が持ちにくい生徒がいるのでは指導はやりにくくなるかもしれません。
このような時期に進路指導をどのように展開していくかも課題の一つかと思われます。
また、卒業後の進路指導、例えば進んだところをすぐにやめてしまった等の場合も、必要に応じて追指導を行うことも生じてくるかと思われます。これも進路指導の一つの課題ではあります。
特に事件や事故等に関連している場合は、いろいろと難しい側面もあるように思います。
可能な範囲でにはなると思われますが、追指導としての活動も必要かもしれませんし、別の社会的な組織が担うことになるのかもしれません。自演、事故等にならないような指導も追指導かもしれません。

以上、進路指導に触れてきましたが、今回で一区切りにして、次からは、生徒指導の活動について、その意義や役割について考えてみたいと思います。
今回はここまでにしたいと思います。また、今後もよろしくお願いいたします。
より多くの人に見ていただけると嬉しいので、可能であれば他にご紹介をいただければ幸いです。感想やコメントもよろしくお願いいたします。
 



進路指導と進路相談

2024-09-01 16:04:06 | 学校での活動について
今回もよろしくお願いします。
最近は進路指導のことを多くアップしてきましたが、ある程度アップしましたので、今回で一区切りにしたいと思います。

今回は、進路相談のことに触れながら、進路指導の全体的な活動についてまとめてみたいと思います。

進路相談というと、進路に関する悩みや不安への対応を考えることと思うかもしれません。確かにその側面が一番多いかもしれませんが、それだけではありません。進路指導の活動の全体を相談という形で行うことと変わりないと思っています。
というのも進路に悩む生徒、中学生や高校生、専門学校生、大学生、いずれの生徒や学生も自分の特性についてきちんと把握していないということが多いからです。
この場合には、生徒が自己特性を理解する、能力適性、趣味や志向、特に将来どのような生活をしたいと思っているかを、ある程度把握していないと進路は決定できないし、希望する進路の実現に向かって取り組むこともできないわけです。
ですから、進路の相談としては、まず、生徒の自己理解を進めることが大切なわけです。しかし、自己理解の必要性のことも、自己理解の仕方も、何もわかっていない場合が多い。これまでにも先のことなど考えたこともない、あるいは考えようとする力も気力もない、ただ日常を漫然と過ごしているだけ、ということでは進路を考えようとする前に、必要なことがたくさん出てきてしまうわけです。
本人のエネルギーが失われてしまっていて、(その原因はある程度分かっているが、本人の年齢・現状ではどうすることもできない状況に置かれている場合等)動けないことには、進路の相談も何もありえないと思われます。
このような場合には、本人のエネルギー回復のための手立ての方が優先されるべきことでしょう。
こんなケースでは進路相談と言いながら、中身はカウンセリングになってしまうでしょう。進路相談もカウンセリングの一分野なので、それも悪いことではなくより必要なことでしょう。

また、本人の状態がそれほど停滞したものではなく、ある程度の進路意欲を持っていても、自分の適性に気づけるような状態になければ、支援者が相手との会話を繰り返して、加えて観察も十分に行い、本人の良さや生かせるところ、リソースを見つけ出して相手に伝える活動が必要になるでしょう。

この観点では、単発の一回限りの面接では進路相談を有効に進めるのは難しくなり、当然ですが、対話を繰り返すことが必要となると思われます。

学校の先生や、学校内にいる進路相談の支援者は、本人と何度も会えるので、リソースを見つけ出すのはできるかもしれません。但し、先生や支援者がふだんから相手をきちんと適切に観察して、見続けていることがとても大切なことになるでしょう。意識してきちんと観察していないと、リソース、生かせる部分を見つけるのは難しいと思います。
但し、一定の学校、例えば高校、専門学校、大学等の場合には、その組織に特有の特性がある場合があると思いますので、その学校にいる生徒に多く共通する特性として、リソースを探すことはできるかと思います。

生徒・学生の自己理解を促す活動は進路指導の中心的な活動であり、進路に悩む生徒が面接に来た場合もこの活動を行う必要があります。
先生も生徒・学生の特性を理解するための活動を日常的に行っておくことが必須の活動になりますね。
上の二つは、進路指導の6つの活動の中の第一番目の活動に含まれるものです。しかも進路相談でも一番大切な部分ですね。

進路相談は簡単そうに見えるのですが、本当はとても難しい活動だと思っています。先生、支援者、カウンセラー、相談員、等と呼ばれる支援者にとっては相当に難しい活動だとも思われます。ある意味、実力を問われますね。気軽にはできない相談です。他の種類の相談も同様とも思われますが・・・。

少し話が前後した部分があるのですが、進路を考えるということは、(以前にも記したことですが)、将来の自分の生き方、生活の仕方を考えてみるということですね。
10年後に、何をしていてどのような生活をしているかを考えてみることです。これを言い換えてみれば、将来の自分の目標を考えてみるということでもあると思われます。
今の生活もあやふやで、行っていることに十分には取り組めないで生活している状態では進路を考えることは本当に難しいと思います。
この観点で考えると、相手が自分の今の生活にある程度意欲的に取り組める、あるいは取り組めている状態にあることが進路を考える前提にあるわけです。ですから、情緒的に安定していて、生活に意欲を持って取り組めていることが一番大切なことです。

そんな風に考えていくと、普段の生活の中に、本人なりに目標を見出すことができる、できていることが進路相談の目標にもなると思います。
当面の短期の目標、数年後までの中期の目標、それ以上10年くらいの目標を考えて設定できることが進路の目標になることと思われます。
目標を設定できることが、生徒・学生の将来を具体的に考えることに大きく影響していると思われます。

青年を対象にした面接でも、大人を対象にした面接でも、上司が部下を育てるときにも、目標の設定を支援することがとても大切な活動と思われます。
自己特性の理解も目標設定に大いに影響していると思われます。

ここまでのところが進路相談の基礎部分だと思っています。これらの部分に、学校としての活動として、あるいは個別の進路相談としての活動に、さらに何を加えていくことが必要かがあると思いますが、今回は、文字数も多くなってしまいましたので、ここまでにしたいと思います。今回で終了するつもりで記し始めたのですが、もう少し触れようかと思う部分もありますので、すみませんが次回に続けようかと思います。ご了承をお願いします。
では、また。






して何か悩んでいる生徒を対象にした活動と考えられてしまうかもしれません。確かにその意味が強いかもしれませんが、実際にはそのようなことだけでありません。
進路相談は、下に書いてあります6つの活動をすべて行うことと考えてよいと思います。

進路相談の中では、生徒が自分の能力や特性、興味や関心の対象をきちんと把握することであり、


まず先に進路指導の6つの活動について、ある程度具体化して考えてみようと思います。
 以前に記しましたように「進路指導の6つの活動」は以下の通りです。

1 個人資料に基づいて生徒理解を深める活動と、生徒に正しい自己理解を得させる活動
2 進路に関する情報を得させる活動
3 啓発的経験を得させる活動
4 進路に関する相談の機会を与える活動
5 小食や進学に関する指導援助の活動
6 卒業者の追指導に関する活動