山すそには、彼岸花が咲きススキがゆらゆらと揺れる。
海には、いつもより空高く風のスピードに身を任せゆらゆらと飛ぶ、うみねこ。
ふいに聞こえてくる祭囃子の音色に。
窓を少し開けて、能登島曲町の町並みの一番高い山に大きな旗を見つけた。数えるほどの旗が目に留まる。
そうか、能登島の秋祭りなんだ。
だんだん囃子の音が近くになる。
奥の部屋にいた、孫のそうたがそわそわしだしてきた。
「ばーちゃん 祭りやね 見てこぅ」
そやな そやけど 店閉められん ばーちゃんいかれんよ
「そうた一人で行ってくる」
よっぽど、祭りに興味を示したのだろう・・・
ふと、つい三週間前に、来店した先生(長女・次女の母校)の
言っていたことを思い浮かべた。
ここは(海とオルゴール)学校の(旧能登島小学校)の通学路(寄り道)だった。懐かしいなぁ~
そうたを、祭りに参加したらどうだろう。曲(まがり)の子供たちに混ざることも大切じゃないかな~・・・
一人さみしそうな顔をして戻ってきた孫のそうたの表情から
今日教わった・・・
どーやった まつり~
「うん ○○くんもおったし ○○くんもおったよ」
時計の針が夜の7:00を過ぎた頃、囃子の音が賑やかになってきて、その音に誘われるように、花代を握った。
一軒の家の灯りが目に留まった。
集落の人々が集まって、神輿に神主さんに、笛や太鼓に獅子舞に、皆が一致団結し、踊る。
なにも出来ない自分が嫌になった。
気づかされたことがあります。
大切なことを・・・我が子供たちの恩師が伝えてくれた大切なことを・・・来年は忘れないで、孫のそうたくんも祭りの仲間に入れてあげたい。
今も残されている大切な集落の秋祭りに、人間愛に触れた一日でした。
ついつい・・・忙しさに追われて・・・大切な人と人との交わりが遠くなることが哀しかった。
ごめん そうたくん。。。