雑記帳

日常の楽しみや感動を写真や絵で表現したい

高村薫 - 土の記 -

2017-05-26 09:24:56 | 
本 高村薫さんの「土の記」
 
イメージ 1
 
本 高村薫さんと言えば『レディージョーカー』
  『マークス の山』と言った本を読んでいた私は
  この新作を手にして、驚きました。

本 主人公「伊佐夫」は電機会社のシャープをリタイアし
  奈良県の宇陀で田畑を耕し余生を送っている72歳の男性。
  妻「昭代」の生家に入婿として暮らし、生き、そして
  老いていく様子が書かれています。
 
  棚田が広がり森がある里山で、主人公が米づくりに真摯に
  向きあう日々や茶畑の世話などに勤しむ姿が何とも愛しい。
 (営々として生きることの尊さに畏敬を感じ胸が熱くなりました)
 
  16年前にダンプに轢かれた妻。その妻を介護し
  その妻が亡くなると、色んな場面で妻との幻想や
  過酷の記憶が断片的に浮かんでは消えていく様子が
  少しエロチックに書かれている。
 
  共同作業や冠婚葬祭などを通じての近所付き合いや
  遠く米国で暮らす娘や孫のことを心配する親の複雑な心境も
  織り込まれ、物語に引き込みます。
 
  また、ひょんな事から世話することになったプードル犬と
  花子と名付けたナマズとの出会いと餌取り、そして妻昭代の
  妹の久代との大人の付き合いにも期待感を持たせる巧さも。。
 
本 最後は晩夏に大規模な土石流が発生し・・the end。
 
 
 とても読ませる本、期待が無かった分感動も深かった~~デス
 
 

原田マハ - デトロイト美術館の奇跡 etc -

2017-05-21 08:50:02 | 
最近、原田マハさんの本を4冊読みました。
 
今日はその中の「デトロイト美術館の奇跡」です。
イメージ 1

原田マハさんのアートシリーズの一番最初に読んだ本です。

2013年に財政破綻したアメリカ・デトロイト市
デトロイト美術館の危機と再生の物語。。
 
財政破綻したデトロイト市は手っ取り早く財源を確保するため
デトロイト美術館にある作品を売却しようと・・。
 
しかし「セザンヌ夫人の肖像」を軸にアートを愛する人たちが
『絵は友だちと』との熱い想いの寄付が、市の財政を救うのです。
 
一個人の寄付が、財団の寄付にまで波及し、美術館を独立法人とし
市への財政貢献へと繋がるのです。
 
とても上手くまとめてあり、絵に対する情熱が伝わってきます。
 
 

三島黎子 - 陸奥(みちのく)烈女伝 -

2017-05-15 10:44:12 | 

  イメージ 1

  副題 - 安倍・清原・藤原三代を支えた母たち - とあり
  平林たい子さん、永井路子さん瀬戸内寂聴(晴美)さん達が
  描かれた流れの小説か・・と。。
 
 安部氏一族から受け継がれる藤原清衡、基衡、秀衡の血脈
  書かれた本です。
 
代・藤原清衡
  戦乱を制した清衡は、陸奥の棟梁であった安倍氏の血を引いていたため
  信望厚く、奥六郡を支配下に・・

  朝廷や藤原摂関家に砂金や馬などの献上品や貢物を欠かさず
  都との関係を結び、それを深めるため藤原姓を名乗って栄華を極める。

  清衡が、先ず平泉に仏寺を建立した目的は
  前九年と後三年の役で戦死した兵の霊を慰めるためで
  長期の歳月を掛けて中尊寺世界遺産)大伽藍を造営。

  その清衡を支えたのが母(有加一の前)と妻(倭加の前)で忍の人

 
代・藤原基衡
  基衡は陸奥領主となり奥州藤原時代では最も安定し、栄華を誇った時代。

  基衡は毛越寺(世界遺産)を建立し、基衡の妻も「観自在王院」を建立。
 (毛越寺や観自在王院は残っていないが庭園だけは当時のまま残っている)

  その基衡を支えた妻(萩の前)は良き理解者であり賢女

 
代・藤原秀衡
  秀衡は平泉・中尊寺を増改築するなど、奥州藤原氏の最盛期に生きた人でしたが
  国内の政治的世情は乱世の真っ只中で「平家にあらずんば人にあらず」と息巻いた
  平氏が源氏の勢いに圧倒されていく時代。

  母(萩の前)のような心の内を語れる妻を理想とするも能わず、それでも多くの子を為す。

  幼い源義経を秀衡は匿うが、壇ノ浦で勝利を挙げた勢いに兄頼朝に疎まれ、戦に・・
  しかし、そんな最中・・病で急折。

 
代・藤原泰衡
  泰衡は太平の世に生を受け武術より和歌をたしなむ立ち居振る舞い
  そんな時代に御館となり、同族は益々混乱を極め腹違いの弟たちを疑い
  殺したり総大将とするはずの義経を急襲したりして益々窮地に・・

  そして敗れ。。。ここに藤原三代の栄華は終結する
 
 
んな時代も子を産み育てることは大切なことなのだなぁ・・と。
 
 
 

有川浩 - 猫旅レポート -

2017-04-26 08:26:59 | 
 月1回読書会
 
   今月は有川浩さんの「猫旅レポート」

イメージ 1 イメージ 2
                                            をプラス
 
 泣ける本というか泣かされた本でした~
 
  猫ナナサトルが昔の友人を訪ねながら
  旅していく・・
  生い立ちや思い出を展開しつつ進行していきます。
 
 
 修学旅行中、親への土産物を用意する優しいサトルに
   親が交通事故で亡くなったと聞かされ・・
   そして葬式後、親類縁者が誰も自分を引き取らない現状の中・・
   「親とは血が繋がっていない」
   といわれた時の気持ちを考えると、胸が詰まりました。
 
 猫のナナ「僕はサトルのたった一匹の猫だ。
   サトルは僕のたった一人の相棒だ」と。。
 
   揺るぎない愛は、幸福な気持ちを味あわせてくれます。 
 
 

東山彰良 - 流 -

2017-03-24 09:28:08 | 

        

本 今月の読書本は東山彰良さんの「流」
 
本 物語は台湾に住む主人公の「葉秋生」の成長を
  70年代から80年代の台湾を背景に描かれています。
 
  中国共産党と国民党との(日本を交えた)戦争内戦で
  家族は台湾に移り住み、祖父は台湾で商売を始める。
 
   蒋介石の死後、祖父は何者かに殺され、高校生だった秋生は
  犯人を探し始めます。土着台湾人との軋轢や荒々しい暴力的な
  流転の人生を歩き始める秋生の人生の光と影。
 
本 淡い恋の終わりを暗示する毛毛との会話も気になった。
「わたしは水の中で暮らしているのだから、あなたにはわたしの涙が見えません」
  
本 一緒に過ごした宇文叔父の悲しみや恨みや覚悟
  ヤクザ的な義理人情の友情も熱く語られている。
 
「流」とは自分のルーツと思う。。
 
そして、台湾と中国そして日本の関係を改めて考えさせる作品
でもありました。 
 
 

2月の課題本

2017-02-08 13:34:30 | 
先日、読み終えた課題本。
 
浅田次郎さん「わが心のジェニファー」


 
浅田次郎さんの本は私にとって
いつも裏切られないストーリテラー。
しかし今回は最後の部分がひっかかりました。
 
-----------------------------------------------------------------
 
日本びいきの恋人、ジェニファーから、結婚を承諾する条件として
主人公ラリーが日本へのひとり旅に出ます。
成田空港で温水洗浄便座の洗礼を受けたり
初めて泊まったカプセルホテルに困惑したりしながらも
慣れない日本で様々な出会いと別れのドラマが展開します。

東京、京都、大阪、九州、そして北海道と旅を続ける中
自分の秘密を知ることとなるのですが・・
この最後の旅となる釧路での思わぬ展開には少なからぬ無理が
感じられ「ビックリ」「ガッカリ」したのだった。。。
 
 

羽田圭介 - スクラップアンドビルド -

2017-01-23 09:35:12 | 
読書会の今月の課題本本
羽田圭介さん「スクラップアンドビルド」

 
羽田圭介さんは最近TVのバラエティーに出演していたので
お顔は拝見してました。
 
一昨年の芥川賞受賞作品で又吉直樹さんと同時受賞のものです。
 
この本、読後はホロリというか暖かな気持ちになりました。
--------------------------------------------------------------------
廃棄対象(スクラップ)の老人と構築中(ビルド)の青年
の対比を描いた物語りだなぁ・・・と。
 
ずっと入院していなければならないほどではないけどひとりで生活
できるほどの体力はなく「もう死にたい」と言い続けている祖父
 
そんな祖父を見ながら孫である無職の28才の主人公(健斗)
日々の筋トレと行政書士の資格勉強と転職活動をする中で
「介護ってされる側とする側の相違があるようだ」と気付く。

「かわいそう」とか「子どもの義務、家族の義務」とかいう考えかただけでは
やっていけなくなっている「超高齢化社会」の現実。

そして、残される老人と、新天地へ出立する若者がラスト。。。
 
これから「超高齢化社会」はどうなるんだろう・・
読者に投げかけているようにも感じました。
 
 

今年の読書数は72冊

2016-12-30 08:35:32 | 
読書会の課題本を入れれば72冊。。
毎年100冊近く読んでいたけれど、今年は少ない。
 
 - - - 数を問題視するわけではではないけれど
       2006年から読んだ本を記録として
        PCに撮り入れてるで分かるのです - - -
 
 
「日々読む本がないと落ち着かない」私です。
昨日は林真理子さんの「中島ハルコはまだ懲りていない!」読了
痛快でした~~忙中閑あり??
 
この1年で心に残る本
 
1位 村山由佳 「ワンダフルワールド」
2位 海堂尊  「アクアマリンの神殿」
3位 中山可穂 「娘役」
4位 千代田哲雄「国民周奪税」
5位 山本兼一 「いっしん虎徹」
 
 
 

今年読書会で読んだ本

2016-12-27 09:56:36 | 
今年はとても読み応えのある本が多く
選んでくれた方に感謝です。
(私はネットで会場予約担当)
 
その中で1番好きだったのは「八日目の蝉」です。
 
1月の「恋歌」4月の「本格小説」9月の「64」
10月の「海賊と呼ばれた男」などは作者の
汗と血が滲むような作品と思います。。
 
   
 

画像ソフトを使って遊んでみました 

 
 
 

和田竜 - 村上海賊の娘 -

2016-12-11 10:22:50 | 
和田竜さんの本本は2冊目です。
先に読んだ「のぼうの城」はその時代の
侍の心意気などがしっかり書かれ、また
様々な光景を想像させてもらいました。
 
今回は「村上海賊の娘」で数年前から読みたい
読みたいと思っていた本本です。
 
 
 
天正4年(1576年)織田信長が西に勢力を伸ばそうとしていた頃
天下統一の足がかりとして大坂本願寺と戦う様子が書かれています。
 
織田家臣原田直正率いる泉州眞鍋海賊らと大阪本願寺に属する信徒と
雑賀衆との木津川での戦いと毛利・村上水軍と眞鍋水軍が
難波海(今の大阪湾)で戦う物語です。
 
主人公の景姫は能島村上水軍の娘で、景が男たちはひとえに
「お家の存続のために戦っている」ことを知るものの
大阪本願寺の窮を救おうとする純粋信徒たちに心動かされ
自分もその純な人たちに命を懸けるのです。
 
作者和田竜は一途な思いを「美しさ」と捉えているのかも知れません。
 
 

司馬遼太郎 - 播磨灘物語 -

2016-09-03 09:31:10 | 
晩は涼しく過ごしやすくなりました。
 
週、司馬遼太郎さんの播磨灘物語を読み終わりました。
 
黒田官兵衛が主人公、戦国時代を舞台とした歴史小説ですが、単なる歴史物ではなく
司馬遼太郎さん独特のエッセイ風に綴っています。
 
ですから、冒頭などは官兵衛さんの先祖の地を司馬遼太郎さんが訪れる
ところから始まっています。
黒田家は室町時代に北近江から興し、備前福岡に流れ、そして祖父の時代に播州に
移り住み、小寺藩に仕える足跡を辿っているのです
 
官兵衛さんは早熟でいて晩年まで才能を発揮された人だったのですね。
 
NHKTVの大河ドラマ「軍師 官兵衛」で観た方もいらっしゃるでしょうが
本を読んでいると役者の顔が浮かんでくるほどです・・
 
戦国時代、この人無くして秀吉時代はあり得なかったようです。。
 
久し振りに歴史物長編を読んだのでした。。。
 
 

角田光代 - 八日目の蝉 -

2016-06-25 09:56:51 | 

     

 
本 今月の読書本は角田光代さんの「八日目の蝉」
 
  誘拐した女、誘拐された女の子、誘拐された母親の
  それぞれの気持ちに共感出来る作品です。
 
  不倫をして妊娠し堕胎をするというケースは珍しくないのでしょうが
  この作品は誘拐という犯罪を犯した女が誘拐した赤ん坊を守り
  育てるという場面に泣かされてしまいました。

本 最初0章の誘拐場面から始まり・・・、
 
本 1章ではその誘拐した女・希和子が誘拐した赤ちゃん・恵理菜を
  深く愛し、強く守りながら一緒に逃亡する様子が描かれている。
  母親でもない女がそんな強い愛情を掛けることにすっかり感情移入して
  目がウルウルしてしまう。

本 2章では、誘拐された女の子・恵理菜が実の母親を始め家族たちと
  馴染まず隔たっているという苦しみを抱えつつ生きている境遇や
  自分も誘拐した女・希和子同様に不倫をしている現実が描かれていて
  深い傷を負った女の子像が浮かび上がる。
 
  がある日、曽てエンジェルホーム(一種の宗教団体)で可愛がってくれた
  千草という女性が現れ、妊娠している恵理菜と一緒にいた最後の地・小豆島へ
  行くことに・・そこには幼い自分が近所の子ども達と屈託無く過ごした景色が広がり
  女・希和子が最後に叫んだ「その子は朝ご飯をまだ食べていないの」という育ての親
  とも言うべき言葉を思い出したりして、このお腹の子どもをしっかり育てる決心をする。
 
女の心情をこんなに上手く描いている角田光代さんに感激しました。


朝井まかて - 恋歌 -

2016-02-15 10:09:52 | 
     
    

本 時は幕末、樋口一葉の師匠歌人中島歌子(登世)の生涯を描いた
   歴史小説でもあり恋愛小説ともいえます。

   幕末の江戸で熱烈で無垢な恋を成就
させ、水戸の天狗党の一士林以徳に嫁いだ登世
   水戸藩の天狗党と諸生党の内紛の中、時代の大きなうねりに翻弄されつつも
   懸命に生きようとする主人公。
   その生き様は幕末を生きた女性の芯の強さがひしひしと感じられます。


本 「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ」
   (恋することを教えたのはあなたなのだからどうか御願いです。忘れ方も教えて下さい)
   という恋歌。それは夫への恋情は尽きることがない歌です。
   その夫への想いが歌への精進へと続くのですから・・。


本 また、遺書に諸政党の市川三佐衛門の孫、庸(澄の三男)を養子として
   自分の家を継がせる文(ふみ)を残していることも、生き様の締めくくりとして
   際立っているなぁと思うのだった
 
 

乃南アサ - 地のはてから -

2016-01-10 08:17:38 | 

     

  舞台は開拓下の北海道。
  わずか2歳で北海道に渡り、過酷な環境の中で生き抜いてきた
  ひとりの女性とわの半生を綴る本です。
-----------------------------------------------------------------------

                                        - 上巻 -
本 福島から夜逃げ同然で行った先は凍てつくオホーツク海に突き出した
   人も寄せ付けぬ原生林に覆われた極寒の地知床
   アイヌ語で「地のはて」と呼ばれたこの地に主人公一家は
   最後の夢を託しやって来た。。。

   しかしその生活は過酷そのもので今日そして明日、ただ辛抱強く
   生き抜くことが全てだった。


本 苦しい開拓生活の中、幼いながら純粋なとわも家族のためにと
   食べ物を探しに森に入る・・・そこで三吉に出会い、色んな植物を教えて貰う。。

   母親のつねが汗水垂らして作った作物がバッタの襲来で全滅し
   不幸に不幸が重なる中、とわの父親が出稼ぎ先で耐えていた心が折れ
   女遊びを・・そして帰らぬ人となり一家は引っ越すことに・・・


本 母親つねの再婚で養父と三人の義兄と一緒に暮らすが新しく立てた家が
   祖父の不注意からか火事になり、養父が亡くなってしまう。


                                         - 下巻 -
本 小学校を出て直ぐ小樽での子守奉公。初めて都会の暮らしに触れたとわ
   しかし4年後には不景気の為、奉公先から暇を出され「
地のはて知床に戻る。

   それから半年ほど経った頃、斜里の洋品店に出稼ぎに出るが2年程経って
   店の子ども達に疫痢が流行り、とわに容疑が・・・
   容疑ははれるが自分も疫痢になって入院、再び知床に戻るとわ


本 長兄たちも大人になって、母親つねが湯治に出掛けることも出来るようになり
   湯治で仲良くなった夫婦から長兄ととわの結婚話が出てそのまま話が進む。。。

   アイヌの青年三吉への恋心は胸に秘めたまま片貝松二郎に嫁ぐも、これまた
   ただ生きるために必死な人生を歩むとわ

本 やがて母になるも、辛抱だらけの生活、やがて戦争の足音が…。

 


   そんな主人公とわの圧倒的な力強さに感銘しつつ、読み終えたのだった。



本 私の読んだ乃南アサさんの作品の中でもベスト3に入る本です。


 


乃南アサ - それは秘密の -

2016-01-09 08:59:46 | 

     

この本は9つの短編と掌(しょう)編が収められた乃南アサさんの 本です。

乃南さんはミステリーや犯罪をテーマにした本を書く人と思われがちですが
この本は恋愛や結婚の枠外で織り成す男女の機微が描かれています。

第1話の「ハズバンド」は自分を振って別の男と結婚した元女房が
たまに会いに来るストーリーで女のベタさ加減に同性の私はややうんざりでした。

第2話ピンポン」はショートショートの話で男と女の短い会話で大体理解できる話。
頷けそうなストーリーでした。

第3話の「僕が受験に成功したわけ」は小学6年生の男の子がクラスメイトの女の子に
付き合ってと言われ、断り切れずに付き合う内その子の母親の足に魅せられ翻弄されるお話し。。

第4話内緒」もショートショートの話。お婆ちゃんと孫の会話。
「恋っていうのはねえ、欲求不満の塊になるのよ」「ドキドキ出来るこいをしなきゃ」って。。。

第5話の「アンバランス」は少し長くなった同棲生活の男女がお互いの思いやりが
少しづつ薄れていく様子と仲直りの物語です。
これは年月を経た中年夫婦、壮年夫婦でも感じることでは無いでしょうか。。。

第6話早朝の散歩」は一寸オシャレなショートショートストーリー。
早朝、眼の見えないピアノ弾きの男性とのふれあいが温かく書かれている。。

第7話の「キープ」は15歳の時に一生に一度の恋をしたから、もう二度と
誰も好きにならない、と生きてきた女性の頑なな思いだったはずが最後の恋が。。。

第8話三年目」もショートショートの話。共働きの夫婦のお話。
夫は平日といえば仕事だけで休みはゴルフ、一方妻は日々仕事と家事。
そんな不公平を募らせた妻が、夫を女としてエスコートして貰いたい想いを・・・

第9話の「それは秘密の」は政治家が大事な友人を見舞った帰りの運転中
台風でトンネル内の土砂崩れに遭遇。そのトンネル土砂で埋もれたバスから
女性を助け出して一晩二人で過ごす話。大人の秘密の恋。