枯葉よ
幾枚も幾枚も重なり合って、
丸いものや、とがったものや、五本の指を持ったものや、船のようなものや
黄朽葉色 煉瓦色 利休色 鶯色 駱駝色 海松色 焦香色 胡桃色
折り重なり、積み重なり、ふかふかの寝床となり、
忘れられた小径を
並木の小径を
思い出し思い出し 歩く私を くるぶしまで埋める
「枯葉」というシャンソンが好きだ。「枯葉」を歌う人なら、誰でも好きだ。
尊大ないやらしい歌を歌う人も、この歌を歌うときは、風に翻弄される一枚の「枯葉」になってしまう。
その中でも、イヴ・モンタンのジゴロ崩れ中年も渋いし、
椎名林檎の巻き舌で切り刻むようなのも、いい。
「枯葉」は、人生の年輪を重ねた人が歌うといいといわれるが、
どうしてなかなか、若い人が歌っても、その若さゆえに、人生の無常を感じさせる。
秋が好きというわけではないが、、この歌をくちずさみながら歩ける季節であるところはいい。
何年か前に「題名のない音楽会」で、随分高齢の男性シャンソン歌手の「枯葉」を聞いた。
とても、残念なことに、日本シャンソンの草分けと紹介されたその人の名を忘れてしまったが、
東海林太郎のように、幾分直立不動な姿勢で歌う「枯葉」は
その命の残りをちりちりと燃やすような、心震わすものだった。
枯れて葉脈だけでつながっていて、大きく風が吹けば、散り散りになってしまいそうな、「枯葉」だった。
この季節にもう一度聞きたい。どなたか、名前をご存知だったら、教えていただけるとうれしい。
げに我は枯葉のごときこの身ひとつなれば 和色大辞典
幾枚も幾枚も重なり合って、
丸いものや、とがったものや、五本の指を持ったものや、船のようなものや
黄朽葉色 煉瓦色 利休色 鶯色 駱駝色 海松色 焦香色 胡桃色
折り重なり、積み重なり、ふかふかの寝床となり、
忘れられた小径を
並木の小径を
思い出し思い出し 歩く私を くるぶしまで埋める
「枯葉」というシャンソンが好きだ。「枯葉」を歌う人なら、誰でも好きだ。
尊大ないやらしい歌を歌う人も、この歌を歌うときは、風に翻弄される一枚の「枯葉」になってしまう。
その中でも、イヴ・モンタンのジゴロ崩れ中年も渋いし、
椎名林檎の巻き舌で切り刻むようなのも、いい。
「枯葉」は、人生の年輪を重ねた人が歌うといいといわれるが、
どうしてなかなか、若い人が歌っても、その若さゆえに、人生の無常を感じさせる。
秋が好きというわけではないが、、この歌をくちずさみながら歩ける季節であるところはいい。
何年か前に「題名のない音楽会」で、随分高齢の男性シャンソン歌手の「枯葉」を聞いた。
とても、残念なことに、日本シャンソンの草分けと紹介されたその人の名を忘れてしまったが、
東海林太郎のように、幾分直立不動な姿勢で歌う「枯葉」は
その命の残りをちりちりと燃やすような、心震わすものだった。
枯れて葉脈だけでつながっていて、大きく風が吹けば、散り散りになってしまいそうな、「枯葉」だった。
この季節にもう一度聞きたい。どなたか、名前をご存知だったら、教えていただけるとうれしい。
げに我は枯葉のごときこの身ひとつなれば 和色大辞典