静 : 平家追討に功ある弟、義経様を追討なさる理由は何ゆえに・・。嫉みでしょうや。
頼朝: 弟ゆえじゃ・・。
そして我が子を産みながらも、引き裂かれ・・、義経様の御子を亡き者とされた静は、魂の抜け殻となるものの、白拍子の舞にて、静御前殿のすべての想い、心情が籠められ、頼朝に迫ります。
吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき
吉野の山の厳しい寒さ、白雪の中を掻き分けていった義経様が恋しくて・・・・涙がでる想いでございます・・・。
我が命にかえて舞う、静御前殿の心情・・・・・。
しづやしづ 賤のをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな
あのころですよ、しずかや、しずかや、と何度も呼んでくださいましたね。
今が、あの頃のようにあなた様がときめく世の中にできれば・・、どれだけ幸せでしょう・・。
あまりにも有名な静御前殿の歌です。頼朝に捕われ鶴岡八幡宮で舞った白拍子の舞に、頼朝の妻・北条政子も「見事!」と評しました。静御前殿の舞に評しただけではなく、義経を一途に想う、その心を評したのです。鎌倉殿も、絶句です。
静御前殿演じる石原さとみさんの白拍子があまりにも立派なので思わず掲載。先日京都にて多くの、白拍子に立烏帽子姿を見てきましたが、流石は大河です。1年間の集大成としての意気込みが、この姿に伺えます。