書き出し方なんて何も思いつかないので、心のままに始めます。
先ほど・・・22時過ぎに、この世で1番可愛いと信じて疑わないミーコがあの世へ旅立ちました。
予感はありました。
ただそれが今日かどうかまでは解りませんでした。
大好きで、この世で1番大好きで、心の底から愛しいと思える存在でした。
20年前の三月。
私の元にやってきた彼女は小さくて、まさしく掌サイズの可愛い仔猫。
猫ってこんなにも可愛かったっけ?と開眼させられる思いでした。
大阪の実家ではそれはもうやんちゃし放題。
女の子にしてはワンパクな部類だったと思います。
主人ともすぐに仲良くなり、色んな客人にも可愛がられ、ころっと猫派になった父にはべったりでした。
20年・・・
途中で腎臓を悪くし、アレスという病院を知り、先生に叱られながら寿命を少しでも伸ばそうと必死だった。
その甲斐があったのだと、今は深く感謝しております。
今日は午前中、私は義父のクリーニングに出かけ、主人だけ家に残って貰いました。
何かあったら直ぐに連絡して!と言い残し。
帰宅した時、ミーコはうつらうつらしながらも、手足をたまにピクピクさせていました。
夕方頃でしょうか。
ちょっとずつ冷えてきているのが解り、ああ・・・・これはどこかで読んだ症状だなと思いました。
握りしめ、温かいブランケットに包んであげても、一向に体温はあがりません。
背中と胸の中心だけが・・・・ほのかに温かいだけ。
それでもまだ呼吸も安定しているし、大丈夫だろうと高を括っていました。
その後、少しだけシロップと水を飲ませましたが、案の定良い顔はしませんでした。
夕食後、テレビを付け、オイルヒーターの側にミーコを配置し、暑すぎぬよう、寒すぎぬよう、温度調節をしていました。
テレビを観られる方向に頭を向け、背中を撫で擦り、とにかく孤独じゃないことを伝え続けました。
主人と一緒に。
それが安心感に繋がったのかもしれません。
それから二時間ほど経って・・・・・・
口をクチュクチュし始め、ああ気持ち悪いのかな?と思い、
一度喉の辺りを擦ってやると、本格的に吐きたいのか、手足をバタバタさせ始めました。
身を起こし、吐きやすい体勢で身体を支えたら、茶色い吐瀉物をタオルの上に少し。
それでもまだ吐きたそうだったので、そのままの体勢でミーコに呼びかけました。
「おい、横になりたいんじゃないか?」
主人の声がかかるまで、ずっとベッドの上で抱えていた気がします。
「ミーコ!ミーコ!」
大声で呼びかけるけれど、何も事態は好転しない。
少しだけ呻くような声がして、力ない身体がコテンと横になると、何度か痙攣をし、
そのまま目を見開いた状態で・・・・鼓動が消えていきました。
鼓動が消えていく・・・・・・
掌でそれを感じながら、私は気が狂ったように叫び続けました。
叫べば叫ぶほど、ミーコの命が留まってくれると信じていたのかもしれません。
両手の中で固まっていく身体が、もう息をしていないと解っても、繰り返し呼び続けました。
ミーコの視線はどこか一点を見つめたまま。
本当に死んだのか?
もしかするとまだ微弱な鼓動が残ってるんじゃないのか。
でも、明らかに動きは止まり、私の中に絶望が広がりました。
主人も叫んでいた気がしますが、ミーコがその声に応える事はありませんでした。
母親と死に別れた時よりも、遥かに大きな感情の波が押し寄せ、それからは号泣しました。
ひたすらひたすら泣きました。
泣きたくないのに、泣くしかないんです。
見ている人間は主人だけだし、何の遠慮もいりません。
頭の血管が切れてもいいと思えるほど、泣き続けました。
叫んで、叫んで、ミーコの魂が戻ってくることを願いました。
エゴイストでも何でもいいから、返してくれと願いました。
ずっと介護する事で、ミーコが苦しむと解っているのに、それを願ってしまうのです。
人間は勝手な生き物だとつくづく感じました。
・・・
父を呼び、お別れの挨拶をしてもらいました。
父と二人で貰いに行った子です。
「たくさんの幸せを運んできてくれたな。」と呟いた父に、激しく同意しました。
二十年、ミーコはずっと我が家に幸せを与えてくれたんです。
その気持ちがようやくストンと胸に落ちました。
死後硬直が始まっても、私は彼女を抱き続け、でもこのままじゃダメだと思い、冷たい寝床を用意しました。
可愛い
可愛い
可愛い
死に顔すらこんなに可愛いなんて、おかしいんじゃないか?
小さな手も、小さな足も、長い尻尾も・・・こんなに可愛いなんて、神さまの恩恵を受けすぎなんじゃないか?
20年でも30年でも、一緒に暮らしていこう。
本気でそう思っていたのはつい一年前です。
ミーコ、ありがとう
でもミーコは主人が大好きだったもんね。
夕べの抱っこは最後のわがまま。
私は端っこで眠っていたけど、二人はきっと幸せだったろうな。
この先、「卯月の日常」からミーコが消えてしまうけれど、
私が抱くほとんどの愛情がこれからもずっと彼女に注がれることは間違いありません。
明日は丸一日、ミーコの側に居て、明後日、荼毘に付します。
気持ちを立て直すには、時間が必要だと解っています。
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