
河竹黙阿弥作の歌舞伎
「弁天娘女男白浪(べんてんむすめ めおのしらなみ)」
浜松屋見世先の場。
「白浪五人男」 の中でも、
弁天小僧菊之助が主役の場面は人気が高く、
「弁天娘女男白浪」という題名で、
独立した芝居として上演される。
呉服屋の浜松屋の店先にやって来た
振り袖姿の美しい娘と供侍。
二人は店に難癖をつけて
金をゆすり取ろうとするが、
別の侍の一言で、事は露見する。
美しい娘は実は男で、
盗人の弁天小僧菊之助だった。
正体がばれると、
振袖を脱いでどっかり胡坐、
キセル片手に緋襦袢を片肌脱ぎ、
刺青見せてのタンカが
そりゃもう痛快。
娘と供侍は白浪五人男のうちの二人であり、
別の侍に化けた日本駄右衛門と三人で、
さらなる大仕事のために
仕組んだ芝居だった。
弁天娘
弁天小僧菊之助のセリフ
知らざあ言って聞かせやしょう
浜の真砂と五右衛門が
歌に残せし盗っ人の
種は尽きねえ七里ヶ浜
その白浪の夜働き
・・・(中略)・・・
名さえ由縁の
弁天小僧菊之助たァ
おれがことだ