●次元俳句064・明日(時間)01・佐川広治・2011-11-27
○「冬虹の明日なき潟に光り合ふ」(佐川広治01)
季語(冬虹・冬)
作者は秋田出身。「明日なき潟」とは「八郎潟」のことです。蜆などの魚介の宝庫だった八郎潟。今は「残存湖」という無残な言葉が残されているのみです。「水位の碑」なるものが干拓地に残されていますが、そこには「水位の亡霊」の慟哭がきこえるようです。小生も八郎潟畔の病院で生まれました。たとえ農地が増えても、地元出身者は手放しでは喜べません。
○佐川広治(さがわひろじ)
代表句「雪錆びの網抜け雪は潟へ吹く」02
季語(雪・冬)
1939年秋田県生まれ。1958年、國學院大文学部入学、俳句同好会入会。1959年「河」入会、→角川源義に師事。1979年、→角川照子主宰、→角川春樹副主宰、新生「河」1月号より編集長。1981年、河賞受賞。俳人協会理事。
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