●方法俳句018・冷凍保存01・内藤丈草
○「幾人かしぐれかけぬく勢田の橋」(内藤丈草01)
○季語(しぐれ・初冬)
方法俳句の今回は「冷凍保存」。さて、俳句でどのように冷凍保存するのか。これは俳句の方法のなかで最も扱いたかったもののひとつ。ここでいう「冷凍保存」の定義とは以下の三つ。
①、句が作られてから100年以上経ていること。
②、句の対象は動きのある生物であること。
③、その句を電子レンジや解凍ソフトなどで解凍すれば、あたかもその生物が、刻の経過に気づいていないかのように、現代に動き出すこと。
今回の生物はすべて勢田の橋上を走っている人間です。解凍された人間たちが200年の刻を越えていきいきと蘇ります。
○内藤丈草(ないとうじょうそう)(1662~1704)
○好きな一句:「水底を見て来た顔の小鴨かな」02
○季語(小鴨・三夏)
【鑑賞】:尾張国犬山生まれ。若くして俳諧をたしなみ、漢詩に没頭する。1688(貞享5)年、27歳で遁世。1689(元禄2)年、京都の落柿舎で→松尾芭蕉に会って入門。『猿蓑』に12句入集し跋文を書いている。尾濃地方を大行脚し、1704(元禄17)年2月、膳所で43歳の生涯を終えた。
内藤丈草掲載句
03水底の岩に落ちつく木の葉かな(木の葉・冬)〈次元・底(空間)〉2010/12/5
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