TOY VOX

管理人VOX6336が昭和レトロな遊びをするだけのブログです。スマートフォンでの閲覧推奨。

シャーロック・ホームズ 25

2023-09-18 12:09:36 | アドベンチャーとRPG(ネタバレを含む)
フランシス・ノーランと思われる女性は、はじめて来たホテルで迷うこともなくガイ・クラレンドンの部屋部屋へ向かった。さらにフロント係の話を聞いてみよう。










われわれの依頼で、このフロント係の男はベルボーイに例の続き部屋へわれわれを案内するように命じた。やってきたベルボーイは眠そうな顔をしてい た。部屋に案内してもらいながらそのわけを聞くと、ちょうど夜勤から昼勤に かわったばかりだからということだった。さらにいろいろたずねたところ次のようなことがわかった。

ホテルの正面玄関は午後10時には鍵がおろされる。したがってそれ以降は宿泊人であろうが訪問者であろうが、夜勤の従業員に鍵を開けてもらわないかぎり出入りはできない。模範的生活を送っていたクラレンドンはいつも10時前には部屋に戻っていたという。

2間続きのその部屋の警備にあたっていた警官は、部屋のなかであちこち歩きまわるわれわれを警戒し、じっと監視の目を注ぎつづけていた。居間の壁には淡い色調の花模様の壁紙が貼られてあり、天井は黄色のしっくい塗りだった。

警官は寝室へ通じる廊下を指さし、そこで死体が発見されたことを教えてくれた。廊下のじゅうたんにはわずかに血痕がついている。あたり一面の大きなしみはぶどう酒によるものにちがいない。すぐそばに2個のワイングラスが落ちていて、1つは割れていた。そこから4、5メートル離れた部屋のまんなかあたりに、 黄色のしっくいの小さなかけらが散らばっていた。

居間をくまなく捜査したが、被害者の個人的な持ち物としてはたいしたものは見つからなかった。ただ机の引出しのなかに、コックス銀行からの報告書が入っていた。そこには次のように記されていた。

預け入れ 5月30日 5000ポンド
引き出し 6月1日 5000ポンド
預け入れ 6月12日 500ポンド
預け入れ 6月16日 1500ポンド
預け入れ 6月18日 500ポンド

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シャーロック・ホームズ 24

2023-09-18 02:34:20 | アドベンチャーとRPG(ネタバレを含む)
「頬に傷のあるがっちりした男」と、「笑いかたに特徴のある派手な女性」か。さらにフロント係の話を聞いてみよう。










「7月2日の朝のことについて話してもらえませんか」

「はい、あれは9時ごろでしたか、正面玄関から女性がひとり入ってきまし た。あまりめだたないごく平凡な女性でした。もしその人がフロントに黙って、迷うふうもなくさっさと階段のほうへ向かったりしなければ、気にもとめなかったでしょう。通常、お泊まりの方以外はフロントに断わりなく部屋に入るのは禁止されていますので、私はその方を止めようとあとを追いました。ところが、ラムゼイさんにつかまってしまったのです。ラムゼイさんというのは長期滞在のお客さまで、いつも苦情ばかりおっしゃるんです。そのときも私をつかまえてえんえんと話しかけられ、離そうとしないんです。それから30秒もたたないうちにかすかな銃声がし、つづいて女性の悲鳴が聞こえたのです。

私は2階へ駆け上がりました。廊下はもう、なにごとが起きたかと部屋から飛び出してきたお客さまでいっぱいでした。お客さまから騒ぎが起きたのは205号だと教えられました。そこで部屋に入ってみると、クラレンドンさんの死体と、先ほどお話しした女性の姿があったのです。

その女性はピストルを握ったまま気を失って部屋の中央に倒れていました。私が部屋にあったウイスキーを少し口に流しこむと、ようやく気がつきましたが、混乱しきっているようでした。自分がどこにいるのか、何をしていたのか もわからないというのです。クラレンドンさんの死体を見ると小さく叫んで、手にしていたピストルをパッと放しました。まるで火傷しそうに熱くてとても持っていられないというふうにです。私は近くの空室にその人を連れて行き、 それから警官を呼びました」
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シャーロック・ホームズ 23

2023-09-18 01:36:14 | アドベンチャーとRPG(ネタバレを含む)
このゲームでは地図上の2.5cmを5分で移動することを前提としている。ノーラン邸(46WC)からハリデイ特約ホテル(19SW)までは、徒歩で1時間ほどだろう。ハリデイ特約ホテルで聞き込みをした。









その日のフロント係は冷静な男だったので、われわれの質問にていねいに答えてくれた。

「その紳士がお見えになったのは5月29日で、宿帳のお名前はクラレンス・ガイとなっています。建物の正面にあたる4階の部屋にご案内しましたが、2日後に、裏手の2階の続き部屋205号に移りたいとおっしゃられて、そちらに替わられました。その方の滞在中にお部屋を訪ねられたのは、私の存じあげるかぎり、お2人だけです。ひとりは実に感じの悪い男でしたね。がっちりとした体つきで濃いあしかひげをはやしていました。たしか頬に大きな傷がありました。その男が来たのは6月1日、ちょうどガイ様、つまりクラレンドンさんが部屋を移られた日でし た。男はふらっとロビーに入ってきて腰かけ、誰か人を待っているようすでした。私は男から目を離さないよう気をつけていましたが、とても用件をたずねられるような雰囲気ではありませんでした。

20分ほどしてからクラレンドンさんが降りていらっしゃいまして、その大男のそばを通ろうとしますと、男は彼の腕をぐいとつかんで引き寄せたのです。そのときクラレンドさんがひどく脅えているように見えたものですから、私はボーイに警官を呼びにいかせようとしました。ところが、クラレンドンさんがなにも心配することはないというしぐさをみせたので、そのままにしたようなわけです。

ロビーで2、3分話したあと、お2人はそろって出ていかれました。それ以来、男の姿は一度も見かけておりません。

もうひとりの方というのは、とても印象的な女性でした。この方はたびたびお見えになりました。いつも流行の服をお召しで、笑い方にちょっと特徴がありました。実に楽しそうに高らかに笑われるんです。どなただかは存じあげま せんが...」
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