2018年2月4日が和気入道が挑む社会福祉士国家試験の決戦日となりました。例年では1月最終盤とのことですが、若干でも後にずれるということはそれだけ対策を講じる猶予が増えるということで、気分的にちょっとラッキー! と思おうとしました。何に関してもそうなんですが、こじつけでもいいので「風が吹いてる」「来てる」「味方になっておろうが!」「我が軍に有利」的な発想は非常に重要だと思います。命を賭しての大事であっても、非常に心許ないような脆弱/ちっぽけな根拠が大きなモノを言う勝利への起点、反転攻勢形勢逆転へのきっかけとなりえるのであります。
まあ、レポート編でも述べた通りでありますが、仕事をしながらの、レポートの提出、さらにはスクーリングへの参加、施設実習が通信課程での大きなウエイトを占めてしまい、肝心要の試験対策は後回しにせざるを得なかったのでありました。この辺が和気入道の限界でありまして、勉強嫌いの気質は幼少のミギリからなんにも変わっておりません。大昔、「アンタ、真面目に勉強したら東大にも入れたんじゃない」と、とある人に言われたこともあるのですが、耳に心地いい単なるいい思い出であって、現実には勉強下手で何にもない生活を送ってきたのであります。そんな和気が自身の殻を破る機会として、自分を変えたいと、敢えて自ら挑んだのが今回の資格挑戦だったのです。
今回の企画を打ち立てた理由について。和気入道の普段の仕事において社会福祉士資格は有用であるのですが、絶対に必要ということでもありません。ただ、仕事の現場で「職業能力開発」を促す側にありました。つまり、顧客に対して「あなたには◆◆資格が必要ですよね。まあ、がんばってみたら?」と講釈を垂れる立場であったわけです。「じゃあ、お前はどうなの?」と問われることはないのですが、顧客の皆さまに強いる努力やつらさを経験したかったのであります。「言えないけどさあ、俺もアンタとおんなじように、ヒイヒイ言いながら資格の勉強してんだよ」としたり顔をしたかったのです。
2017年4月から2018年9月までで、全てのカリキュラムをコンプリートしました。その後に受験対策を開始したのであります。ただし、今回の受験に関わる前から、現役の社会福祉士から助言を賜る機会を得ておりまして、勉強法の指針となりました。それは………………
「和気さん、過去問ですわ。過去問題をしっかりやれば大丈夫ですよ」
なるほど。よく分かんねえけど、そうなんだ。その方は社福士会で対策講座講師もされていた方でして、これも上で述べた「ちょっとラッキー!」的追い風となったのであります。
さて、通信講座での指定テキストがこちらの一団でした。まあ、ボリュームはすごいのですが、内容の濃淡にはむらがあって、使い勝手がいいとはとても思えませんでした。レポートでも使用頻度がドンドン減っていったように思います。参考文献を探しに松山市中央図書館に行ったら、年式は古かったかもしれませんが、蔵書として一式が置いてありました。買うんじゃなかった、と少し後悔しました。当然ながら、受験対策では100%と言っていいほど手に取ることはありませんでした。
さて、小道具で乗り切りたい? というか、できるだけ手間とコストをかけたくない和気入道としては、今回の受験の命運を以下のアイティムやデバイスに賭けることにしました。
まずはiPad air2です。社会福祉士過去問題の無料アプリが複数存在しているのです。これらを活用するためのデヴァイスですね。スマホでもいいんでしょうが、和気入道の老視では、拡大できない仕様のアプリが辛いことが判明しており、レポート執筆にもスマホではやりにいくため、i padを採用することにしました。ただし、どの機種をどこで調達するか、apple Macintosh classic2からのappleユーザーである和気も意外と悩んだのであります。グレード・容量、新品か中古か、量販店か携帯ショップかネットか。Wi-Fiではなく、外でネットができるcellular式は必須です。
松山市小栗にある株式会社エレパさんにお邪魔しました。愛媛エリアでは希少なappleに精通しているお店であり、ここで購入してもいいかな、と。久しぶりの店内は雰囲気が以前と変わってしまってます。溢れてた携帯電話修理希望のお客がまったくおりません。よく見ると展示されている商品群も様変わりしております。
「中古パソコン専門店になりました」
「ゲゲッ(絶句)」
かろうじて中古iPadが数点ありましたので、購入候補になりえるか店員のお姉さんにこちらの希望を伝えてみますと…………………
「それでしたら、apple のサイトで販売しているSIM free のiPad air 2がお勧めですね」
何の躊躇もなく、うちで買わなくていいです的なセールストーク炸裂! 顧客第一主義とは、まさにこのこと。次回以降、機会があればぜひこちらで購入させていただきます、と心で念じて店を後にします。ここでも追い風を感じたことはいうまでもありません。自宅で調べたところ、Oricoローン金利無料のキャンペーン中でもあり、一括でなくても同額で購入できるタイミングでありました。携帯キャリアでの月額利用料と本体値引き等を勘案しても、格安SIM使用でapple storeでの新品購入が安い、との結論に達しました。最新(当時)のため、容量も中古iPad airに比べて大きいし、バッテリーのへたれも心配がありません。極端に考えると、レポートと試験が終わるまでに支払いが終わってしまえば、元が取れるとの計算です。
これらが和気入道が使用したアプリ複数種のscreen shotです。過去数年間の問題があり、正解・解説があり、成績や不正解問題の把握、付箋をつけるなど、事務的な手間をアプリがやってくれることに大きなアドバンテージがあります。iPadさえ手元にあれば、どこでも勉強ができます。社会福祉士試験はマークシートで記述式の試験ではないため、手書きで覚えることは必要ないとの判断です。
レポート作成が完全にメインになっている時期に、ゲーム感覚でやってみますと。意外と常識で解ける問題もありますが、専門用語については全く歯が立ちません。あたりまえですけどね。アプリ漬けでは対策になりません。と思いながらもレポートと闘う日々が続いたのであります。
で、時は流れて。実習・レポートが終わった時点で本格的な試験対策に勤しむことにしました。時は2017年10月であります。約4カ月で試験を迎えます。本格的に対策として、以下の小道具というか小細工で挑むことにしました。
費用対効果やネット上での評判などを勘案し、まず購入したのが1冊で全てを網羅できるテキスト的なものです。ジュンク堂松山店にて比較検討の上、購入しました。これを基本テキストとして使用します。基本的には通して眺めてみて、覚えなきゃイカンだろうなあ~と思える箇所に付箋を打ったりして、勉強してる風情を装ってみたりしました。その膨大な量にめまいがしそうでしたが。人名や流儀、名称など暗記がまるっきり苦手な和気でしたが、直前になってみるとこじつけやダジャレをも駆使して、それなりに覚えることができました。とある人が言ってました「努力に勝る天才なしじゃ」と。
和気入道の時間は早朝と車を運転しての通勤となります。その時間や何かをやっている最中に活用できると踏んだのが、「濃縮! 音声CD」です。車のオーディオとiPadにも突っ込んでおき、隙あらば聴きっぱなしにしました。全文のデータもあり、iPadでtextを見ながら音声を聴く時間を持つようにもしました。極めて受動的で労力を要しない方法を採りました。デメリットとしては、流してるだけで集中できていない時間が非常に多かったことです。就寝するときも睡眠学習よろしく聴きながら寝ましたが、まぁハッキリいって普通に寝てるだけでしたねえ。車の運転中は集中しすぎると事故の危険性があり、そのまま流しておりました。聴けた分だけでいいかな、という感じです。
上の方にある一問一答は、中学生の定期試験のときに、クラスの誰彼が持ってきていて休み時間にクイズみたく悪あがきをやっていた思い出から購入したものです。結論的には1~2回ざっと流したくらいで、あまり役に立ったとは実感できませんでした。
アプリを駆使するのと同時に動画をiPadに多く放り込みました。社会福祉士関連の動画が多くYouTubeに上がっているのです。これも聴覚および視覚に訴えるものです。全ての分野を網羅しているシリーズ物もあり、複数種を視聴するようにしました。また、講義形式の動画もありました。分野は限られるのですが、専門的な解説で理解を深めることができたような気がします。cellularのiPadではありますが、有料のアプリで、動画をチャプターしてiPad本体に収納しました。
試験前にupされYouTubeで視た「いとう総研」謹製の動画は試験の攻略法が展開され、非常に助かりました。捨てていい問題があることや、どこでどうポイントを稼ぐか、などおぼろげだった戦術が明確になり、精神的にもそうとう楽になりました。
iPadを車載できるようにしました。YouTubeを流しての運転です。ひたすら聴き流します。これまた画面には眼をやれません。事故ってしまいますからね。
動画とCDをとにかく繰り返し繰り返し流していきます。同じ分野でも角度やアプローチが微妙に異なるため、幅ができたようにも思います。どれだけのフレーズが耳に残るか、残せるか。初めは難解な言葉の羅列だったものが、だんだん意味を為すようになるものなんですねえ。助手席の家人は「睡眠術みたい」と言ってましたが。
仕事の昼休みはテキストを読んだり、アプリで過去問をこなします。4年分の過去問をトータル3~4回はやったと思います。まあ、ゲーム感覚ですねえ。繰り返すことで、理論ではなくて文字面や言い回しで正解を判別するという邪道に陥った感もありましたが、それでも是としました。頭での理解ではなく、身体で覚える系ですねえ。アプリでは不正解問題のみとか、特定の教科のみとか、✖✖年の問題とか、いろんな切口を設定でき、弱点や苦手分野を重点的に攻めることもやりましたよ。結論的には分厚いテキストよりも、こちらが主役となったとの所感です。
時代の変化で、digital deviceが学生の勉強で大きな役割を果たしていると実感しました。以下のようなアプリも使ってみました。
これは「デジタル単語帳」です。有料オプションまでは付けませんでした。先に述べたように、書きまくって暗記する方法は採りませんでしたが、やはり眺めるだけでは心許ないので、手入力でカードデッキの作成を兼ねていくつかの試験範囲、特に暗記を要するところを攻略しようとしたのであります。
最も後に使ったアプリが「Quizlet」です。デジタル単語帳的なのですが、手入力で作ったカードが多くのユーザーと共有して使用できることが大きいですねえ。あと、アプリ側がゲームを作ってくれて、遊び感覚で覚えることができる仕様になっています。これも良かったかなあ。アプリ内で「社会福祉士」で検索すると、今でもwakenyudo作成のカードも使っていただけますよ。
レポート編でも触れましたが、うちの愛猫「花」の目覚ましがフル稼働で、午前3時から4時には必ず作動しました。最高で2時台に起きたことも。そのまま勉強して、子どもを送り出して仕事に行きます。眠気は通勤時間帯に襲ってきますが、なんとか事故らず。夕方帰ってきて、風呂・食事・酒。そしてすぐ就寝。午後10時から12時にだいたい1回は起きます。1時間くらい勉強(飲酒ありあり)で、また寝ます。花のおかげで寝過ごすことはありませんでした。健全とはいえないサイクルでの受験生活だったかもしれませんが、ほぼ苦痛を感じませんでした。これもポイントだったかもしれません。
試験が迫ってきた年末年始は仕事を3日くらい休み長めの休暇を作っての、試験対策です。と言っても、1日中没頭することはほとんどなかったと思います。最終盤には「けっこういけるんじゃないか」的な手応えを持つに至りました。軽めの達成感までありましたねえ。あ~、学生時代にこれくらい勉強してりゃあ、人生も違ってたかもねえ~、という感じです。
かくして、試験当日を迎えることになりました。さあ、どうなるか?