私はレッスンは、指導者の考える理想のスイングを再現する為の「方法=やり方」を分かりやすく説明するものだと思っています。だから教える場合にこういう風にと言って「実演」してみせる「だけ」ではレッスンとは言えないと思います。どんな風にすればいいのか知らない生徒と言うのは、全くやったことがないかもしくは間違った方法を覚えてしまって直したい人かのどちらかでしょう。こういう「やって見せる」教え方は、グリップやアドレスでのボール位置を教わる場合には有効だと思うし、教わる方も素直に従って「出来ないという事は無い」動作です。
しかし、どうしてもアーリーリリースが治らない生徒に「我慢してこの形を維持する云々」と見た目のタメの形をやって見せるだけのレッスンでは、質問している生徒は「多分出来ない」と思います。形を教えられて「なんだ、そうやるんですね」とすぐに出来ちゃうような生徒はそもそも、既に相当ゴルフが出来る人なんじゃないでしょうか。普通の生徒はやろうとして一生懸命に努力しているけど、結局クラブを振ってみたら見事にアーリーリリースになっちゃうから「どうしたら治るんでしょう?」と聞いてる訳ですね。
多分、答えを聞けば「なんだ、こうやればいいのか!」といっぺんに悩みが解決する・・・んじゃないかと思います。だがアーリーリリースの解消法を知っていて生徒に懇切丁寧に教えることができる先生を私は見たことがありません。多分原因が「誰にも分からない」のじゃないかと思っています。第一にアーリーリリースを治そうと意識してクラブを振っているプロゴルファーはいないそうです。意識して出来てるわけじゃないから当然「解決法」も分からない、という訳です。言われてみれば自然と出来ちゃってた、というのが真実なのでは。つまり、スイングの他の事を練習して出来るようになっていたら、「アーリーリリースも自然と治っていた」って事なんですね。
では「他の何をどう練習すれば」結果的にアーリーリリースも治って、綺麗なタメの出来たスイングが作れるんでしょうか?
それを教えるのが「レッスン」という訳です。分かりやすく言えば「動作とコツ」ですか。やり方あるいは考え方を変えるだけで、簡単に理想のスイングが出来ちゃう・・・なんて旨い話はそうそうあるもんじゃないですが、少なくとも重量挙げよりは体力勝負の度合いが少ないと思います。まあ、そこがゴルフの魅力でもあるのですね。
ところで、あるレッスン書を読んでいてこないだ気が付いたんですが、書いてある文章がややこしくて私には「どうにも分からなかった」んです。まあぶっちゃけて言うと、それは「練習はインパクトゾーンだけでいい・・・栗林保雄著」という本です(これでこの本の売れ行きが落ちるなんて事はないと信じています)。
要するに、前置きや過去のレッスン書の間違いや自分の説が画期的だとか物理的身体的な詳細な数字だとか「余計なこと」が多過ぎるんです。読者はそんな事は求めてはいません。知りたいのは単純に「答え」なんです!(私も気が短いので、答えに中々行きつかない文章は大っ嫌いです)
勿論、いきなり「胸を右に向けたまま腰を左に回す」と言っても、大抵の人は「とても出来ない」と言うでしょう。しかしそれでいいのです。最初に答を書く、これが読者の悩みを一歩進める「最も簡単方法」なんですね。そして、次に「腕はこう、足はこう、目線はここに置いて腰をグッと回し・・・」と細部の説明に入るのが良いと思います。要は説明の順番です。これが問題点を理解する一番の方法ではないでしょうか。
例えばアーリーリリースでは、問題の根本は球にクラブフェースをインパクトで「どのように当てる」か、だと思います。インパクトで最大限に衝撃を与える為には「加速しながら」当てるのが一番飛びます。衝突エネルギーと球がフェースにくっついて変形しそれが元に戻ろうとする力は速度✕重量で決まりますが、衝突している時間のエネルギー総量は「加速しながら」の方が遥かに大きいからです。なので最高速でシャフトが真っ直ぐ伸び切って推進力がほとんどない状態で当たるよりも、シャフトが傾きまだ手首のスナップの余力が残っている「ハンドファーストの方が飛ぶ」んですね(アイアンはロフト角が小さくなるので更に効果が大きい)。
当たり前の事ですが「クラブが立って」当たってしまってはハンドファーストには絶対当たりません。インパクト時に手首が前に出ている形にしようとする意識が取りも直さずシャフトを寝た状態で当てるわけで、すなわち「アーリーリリース撲滅」のスタートラインだと言えるのではないでしょうか。あとはいくつかコツがありますが、何よりも先ず「インパクトの形」をハンドファーストにすることが先決でしょう。これが「レッスンの正しい順番」ではないかと思っています。
結論を言えば、
① シンプルにやるべき動作と目的を説明・・・ハンドファーストのインパクトの形を教える
② 動作のポイントを説明・・・インパクトまでクラブを振らず、むしろ慣性で置いて行かれる感覚で肩の回転を重視
③ スイング全体のつながりを説明・・・胸を下に向けて左肩を大きく回す、など
④ 上手く行ったかどうかのチェックポイントを説明・・・ビデオで確認
といった順番です。
その後で「コツ」として2、3の技を指導すると理解しやすいと思います。例えば「指には絶対に力を入れない」ことや左手を「遠くへ伸ばす」こと、それと右手は必ず高い位置から左下の低い位置へ「直線的に伸ばす」こと、などです(色々あります)。こういう順番でレッスン書が書いてあれば、もう少し分かり易いのかなぁと感じました。
考えて見ると私のブログにもこの「分かりにくさ」がモロに出まくっていて、正直読んでくれる人は最近「減ってるように」感じます(オエーッ!!)。まあ自業自得ですが、これを期に自分自身のブログも「解り易い説明の仕方」を心掛けていこうと思いました。次回のブログで「変わったねぇ」と言っていただけるように頑張ります。
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