こないだ雑誌で「板橋G1」の連続写真をつらつら眺めていたら、ふと「ひらめいた」のだ。それは「グリップの握り方を変えてみよう」である。
初めてゴルフという遊びを覚えた30代後半、まず教わったのがスクェア・グリップであった。そしてトム・ワトソンばりの「逆Cの字フィニッシュ」を目指して、中川の河川敷でひたすらボールを打ったものである(その頃、私は北松戸に住んでいた。ちなみに私は15回以上も転居している)。勿論ドライバーはまだパーシモンの時代で、私が得意にしていた1番「ドライビングアイアン」を砂混じりの地面からぶっ飛ばしては、しがない休日を過ごしていた時期である。その頃から私のグリップは変わっていない。左手の甲が常に飛球線方向を向くオーソドックスなインパクトで、我ながら綺麗なスイングだったと思っている。
それから月日が過ぎ、ゴルフなどすっかり忘れて仕事に夢中になっていた50代のある時、昔のバンド仲間のSN氏から「久し振りに連絡」が飛び込んできた。今度ゴルフやらないかというのだ。SY氏も一緒だという。面白そうな誘いに乗せられて越谷のパブリックに行ったのがキッカケで、再びゴルフというスポーツにのめり込んで今に至っている。だからSN氏は私のゴルフ道の恩人ということになるのだ。年取っても何とか「運動」が出来ているのもSN氏のお陰である。感謝感謝なのだ。そんなこんなでゴルフのやり方も、昔のメソッドが身体に染み付いていて抜けずにいる。だからスイング改造も「ずっと、どうどう巡り」して良くならないのだ、ああーミジメ・・・。
そこでとうとう、生れて初めてグリップを「フックに握る」ことに挑戦した。私にしてみれば「大大改造」である。はたしてこれで上手く打てるだろうか?。しかし今まで通りのスイングをして、グリップだけフックに握ったのでは意味がない。スイングの考え方を変えなければ駄目だ、というのが大前提だった。では練習のレポートを書いていこう。
1、横から当てる
フックグリップにした理由は一にも二にも、インパクトの形を「横から当てる」ことにあった。今までは、感覚としては「右上から左下」に当てていた。それを今度は「水平に当てる」感覚に変えようというのである。なんかダフりそうな気がして怖いが、とにかくやってみる。
左手は上から握り、右手を下から握って「完全にフック」にする。握りのポイントは「右手」だ。そして「左手」の動きは腕と手の甲が一直線になるようにし、シャフトと一体化して、そのまま絶対に「手首を返さないで」振り抜くこと。そのために「左脇は空けたまま」にしておく事が必須である。左脇を締めてしまうと「その時点で手首が返り」打球は左へのチーピンになってしまう。私の場合フックに握った時、右手はスムーズに移行できたが、左手は中々上手く適応出来ず、違和感無く打てるようになるまでは、手首が返ってしまってチーピンが出た。これは練習するしかないだろう。我慢するというより「左後背筋を使う意識」を持つこと、で対処するのが良いと思う。
どのくらいフックに握るかは色々試してから調整するとして、右手は下からクラブを持っているので、基本は「手のひらを上にする」感覚である。例えて言うならば、剣道の「横胴を打つ」感じで振り抜く。それをそのまま前傾して、地面にあるボールを撃ち抜くのである。今までのスイングは上から打ち込んでいたが、今度は横から払い打つ感じだ。まあ、何となく「ちゃごる」で真似事はしていたので、イメージ的にはそれほど違和感はなかった。板橋G1も同じ動きなので、結果的にはあちこちで大人気の「今風のスイング」になった訳である。
まず5番アイアンで何発か打ってみる。何球かに1発ぐらい芯を食った感触があってむちゃくちゃ気持ちがいい。飛距離は風の向きが分からなかったので、参考記録だが150ヤードのネット2段目に当たったので、キャリーで160ヤードくらいは出てたんじゃないだろうか。これからスイングが力強くなってくれば、この距離が「安定して」出るという気がした。弾道・打感・飛距離、ともに合格である。
まあ、これがグリーンで止まる球かどうかは、一応「どうでもいい」と不問に付すことにした。まずは毎回、ダフリ・トップをせずに「ちゃんと当たる」ことである。それさえ出来てくれば、後は野となれ山となれ、である。乗ればラッキーだし、乗らなくても「このグリーン、すげー速いな」で終わりだ。我々アマチュアはそんなもんである。
2、インパクトは考えるな!
アドレスを毎回ボールに正確に合わせ、バックスイングを高く上げて、低くなり過ぎないように気をつけること。低くなるとクラブが下から入り、すくい上げるような「しゃくり打ち」になって、球の真っ芯に当てることが出来ない。グリップの意識は「横胴」だが、クラブはあくまで「上から緩やかにダウンブロー」に打つ意識で、フォローを低く出すことで「芯を喰う」スイングが出来ると思う。これはグリップに関係なく、ナイスショットには必須である。
で、正確に当てる秘訣だが、今までは頭の中で「インパクトのイメージを作り過ぎて」いた。当然そのイメージが強ければ強いほど、実際のスイングで「再現しよう」としてしまう。で、何がいけないかと言うと、その瞬間「スイングが止まる」のである!(オーマイガッ!)。止まらないにしてもスピードは確実に遅くなり、しかも大幅にダフリやすくなるのだ!。これを夜1時頃に発見した時は、「何だよ!、こんなことが原因だったなんて、アホじゃん!」と叫んでしまった。よく海外では、日本人は連続写真が好きだよね、と言われているそうである。いわゆる「連続写真の見過ぎの弊害」はここにあった!。インパクトは一瞬の爆発と捉え、手前1mから目標方向1mの「光の線」とイメージすると、大体実際のイメージと同じ感覚に打てるようである。その間は頭を動かさず、下半身と肩の回転でスピードを出すつもりで、「インパクト前後2m」を一気に振り切るのがコツだ。
フックグリップに握っている最大のメリットは「ここで出る」と思う。今までのスクェアグリップではダウンでオープンに入ってきたフェースを、インパクトに向かって「閉じなければ」ならなかった。勿論、物理学的にはシャローに振れば遠心力でフェースが自動的に返る、とする説もある。しかし殆どのゴルファーはフェースを返すタイミングを失敗し、止めどない「スライス地獄」に陥っているのじゃないだろうか。インパクトでフェースを正確な向きに合わせる、というのがそもそも素人には無理なのだ。「よーし飛ばすぞぉーっ」と力が入った時には尚更である。それがフックで握れば「横胴に払う」ので、全く必要ないのだ!。超、簡単だぜ!、となる。
3、横胴は当てるのが楽チン
これで当てる感覚が掴めてきたので、徐々にスイングを大きくしてみる。5番アイアンから4番、4番からユーティリティ21度、と番手を上げていく。スイングの途中で余計なことを考えた時は、ダウンスイングが上手く行かずに手から下りてしまい、下半身が止まって全然球が飛ばなかった。やはりトップで「ひと呼吸」おき、下半身からスタートしないと上手くないようだ。特に左脚への体重の掛け方を練習する必要がありそう。それと、これはいつものミスだが「たまにシャンク」が出た。これは原因が分かっているのでアドレスで修正したが、むしろ前傾をダウンで深くすることで「根本的に解決」したい。そのためには私は、クラブが遠心力で外に膨らむ傾向にあるので、もう少しダウンのターゲットを「ボールより自分に近い所」にすれば解決するんじゃないかと思っている。これは次回の練習時の課題である。それと左手首の「返り」が出ないように「左腕の内旋を消す」こと。左腕が思うように「フックのまま固定」出来れば、後は右手の「押し」を磨くだけである。それには、視界の中で左の「手・シャフト・ヘッド」が一直線になるようにスイングし、安定した状態で「右手をフルパワーで撃ち抜く」というのが理想だ。
以上、今回の練習は大体思うような結果が出て満足である。飛距離もまあまあ出ていた。これなら私の好きな「取手桜ヶ丘」なら、問題なく回れると自信がついた。多分、山梨県大月市の「花咲カントリー倶楽部」でも行けると思う。というかドライバーの練習はわけあって今は封印しているのだが、距離は前回コースを回った時の「最長210ヤード」を、今はもう大分超えているんじゃないか、と内心思っている。理想は250だがそれは無理として、せめて「230ヤード」くらい飛んでくれると超嬉しい。ちなみに私は曲がらないので、殆どフェアウェイの平らなところから打っていられる。だから230ヤード飛ぶということは、即ち「パーオン目前」なのだ!(パチパチパチパチ!)。
まあ、たまには夢を見るのもいいだろう。大事なのは安定である。だいたい理想のスイングが見えてきたので、次回の練習は「スムーズな爆発」をテーマとしたい。
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