日本が期待を超えてドイツに勝ってからというもの、ずっと眠れない夜が続いていた。その高揚感は一旦コスタリカ戦で最低最悪にまで落ち込んだが、奇跡的なスペイン撃破からうなぎ登りに上昇し、クロアチア戦で最高潮 に達したのだった!・・・
まあ、結果は御存知の通り負けたわけだけど、何か今回のWカップは今までと違って、もはや全国民の一大イベントになったかのような盛り上がり方をしていたように思える。それまでは一部のファンが内輪で楽しむスポーツイベントの一大会だったのが、今回は海外でプレーする選手を中心にしたチームで挑むということで「世界と同じ土俵に立った大会」と認識されたのか、マスコミは連日大報道で日本チームの動向を追いかけ回し、もうWカップがなければ夜が明けない有様である。いよいよ日本も戦後ひさしい野球文化から、世界標準の「サッカー文化」へ移行しつつある、と私は見た(ゴルフもあるでよ!)。
で、決勝の予想だが、私は「GSが終わった段階」で、フランスとアルゼンチンの戦いと予想していた(これ、素人ながら自慢したい点です)。一応、まだ読んでいない人の為に末尾に当ブログの題名を載せてありますので、宜しかったらご一読お願いします。
さて、アルゼンチンは全員がハードワークしてメッシを活かす作戦がどハマリして目下絶好調だ。緒戦のサウジアラビア戦では「まさか」の敗戦を喫し、逆に眠っていた闘争心が目が覚めたのか、それ以降は2点以上上げて相手を粉砕し、危なげなく予選を通過している。ベスト8のオランダとの戦いではPKまでもつれ込んで苦戦したが、贔屓目に見てだが試合全体での「アルゼンチンの優位」ははっきりしていたように見えた。今回公式戦34戦無敗という戦績を引っ提げて「あとは優勝のみ」を目指す歴代屈指の無敵のチームに、さらにスタンドを埋め尽くす大応援団の熱気の後押しもあって、もはや決勝に臨む「猛牛軍団」には、相手の付け入る死角は全く無い!と言える。
一方、フランスは音速の怪童ムバッペと、智将グリーズマンが変幻自在とポジションを変え、動き回ってこちらも「Wカップ2連覇」に向けて万全の準備が出来上がっている。イングランド戦やモロッコ戦などを見るとムバッペは「完全にマーク」されていて、普段PSGで見るような「天馬空を行く」圧倒的な爆速で一気にゴールまで決めるシーンは中々見られなかったが、モロッコ戦のように早い段階でフランスが点を取ると、相手も守ってばかりでは勝てないので、攻めてきてマークが付ききれなくなり、いつものムバッペの「自由になるシーン」が多くなり、結果、フランスにさらに点が入る展開になりそうだ。これはもし「先にフランスが点を取ったら?」であるが、アルゼンチンは苦しい試合にならざるを得ないだろう。
まあ、Wカップのような、世界一の戦力を持ったチーム同士が「死力を尽くし」て戦う時は、ホンのちょっとした偶然が「どちらに転ぶか」で勝敗が決まる訳で、文字通り「最高レベル」の技術と身体能力と戦略・戦術がぶつかり合う決勝であれば尚更、どちらが優勝するかを予想するのは天文学的に難しい。
しかし、より「勝つ確率が高い」戦略を考えるとするなら、互いの「中心選手を徹底して押さえる」作戦しか無いだろう。フランスのムバッペとアルゼンチンのメッシである。
○ ムバッペ攻略法
これはどこの位置であれ、一旦ムバッペにボールが入ったら誰も止められないから、とにかく常に「ボールとムバッペの間」に必ず一人ディフェンスを付けて、ムバッペをボールに触らせない作戦を取るしかない。その分、他の選手に対する守りが甘くなるが、それに目を瞑って勇気を持ってやり切る事だ。ボールを持たなければ、どんなに足が速かろうが脅威にはならないたろう。彼を防ぐ方法はこれしかない。それで他の選手で点を取られたら・・・、仕方ないと「諦める」ことである。相手の力が上回っていただけ。そのくらいの気持ちで仕掛けていけば、「アルゼンチン優勝の可能性」は大いにあると思う。フランスはそれに対抗して、グリーズマンの縦横無尽の動きが「カギ」になるのではないか。答えはアルゼンチン選手「全員のハードワーク」がどこまで持つか、そこがこの決勝戦の見どころだ。
○ メッシ攻略法
ボディバランスに優れ、シュート技術も多彩で「しかも信じられないくらい速いモーション」で弾丸シュートを打ってくる。もしペナルティエリア内で彼にボールを持たれたら、ディフェンスは成すすべもなく「あっけなくやられてしまう」怖さは全く衰えていない。そしてペナルティエリアの外からもグラウンダーで隅を正確に狙ったシュートを打ってくるから、防ぎようがないのだ。クロアチア戦では相当能力のあるディフェンダーを意のままに翻弄し、味方の上がりを待って時間稼ぎしながらボールを保持して最後に、最高のタイミングで「ごっつぁんゴール」を演出した。メッシの「全ての動き」が、世界ナンバーワンのドリブラーを証明する名シーンになっていると言えるのだ。彼を止める方法は、ムバッペ同様「ボールに触らせない」ことしか無い!。
結局両者の戦いはムバッペとメッシ抜きの残りの選手達の「総合力」で決着が付くのではないか?
そこで無理を承知で予想するなら、若干「アルゼンチンの方がフランスを上回っているかな?」と思う。特に、クロアチア戦でアルゼンチンが見せた迫力ある「自陣からのカウンター攻撃」は見事の一言に尽きる。突進力のあるアルバレスが今回もゴールを決めるようならば、壮絶な打ち合いになるにしても「アルゼンチンが一歩リード」と予想したい。
もしフランスが勝つとしたなら、一瞬のディフェンスのミスをグリーズマンが逃さずゴール前に運び(モロッコ戦で見せたような戦術)、相手のクリアミスを誘って無理矢理ねじ込む展開ではなかろうか。そして、先取点が入れば予定通り「守りに徹してカウンター」を狙い、相手が前のめりにならざるを得ない状況に追い込めば、快足ムバッペが本領を発揮して更なる追加点を狙う作戦だ。こうなったらアルゼンチンは難しい。
どちらにしても先取点がカギだが、私は前半の早いうちにどちらかに点が入り、後半はそれを「守り切って」試合が決まるのでは?と思っている。出来ることならメッシに最後のWカップを取らせて上げたいと願っているが、果たしてどうなるか。答えは18日夜に出る。その時メッシはどんな顔をしているだろうか?
満面の笑顔かそれとも・・・
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取り敢えず今夜は3位決定戦だ。私はクロアチアのディフェンスが「モロッコのスピード」に付いていけず、負けると見た。
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付録:過去記事の『マドリーのサッカーが好き!(9)サッカーは「前」で決まる!』も合わせてお読み頂ければ幸いです。
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